半年で1.5万km…マツダ 2代目 (NB) ロードスター 大学生が少し勇気を出して購入して気づいたこと。オーナーズレビュー
更新日:2024.09.09
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大学3年生の夏、自動車ライターとして本格的に活動を開始した時にダイハツ・コペンからマツダ・2代目 (NB) ロードスターへと乗り換えました。ロードスターを所有して半年と少し、既に15,000キロほど走行しましたが、その中で感じたことを率直にお伝えします。
文/写真・西川昇吾
文/写真・西川昇吾
改めて、2代目(NB) マツダ・ロードスターをおさらい
クルマ好きならばご存知の方も多いかもしれませんが、改めて2代目 (NB) マツダロードスターのご紹介を。
2シーターオープンカーとして大成功を収めた初代 (NA) の後継モデルで、1998年から2005年まで販売されました。限定車のターボモデルやクーペモデルが存在するなど、歴代ロードスターの中でもバリエーションが豊富な世代ともいえます。
ちなみに筆者のロードスターは2001年式のRS。2000年にビッグマイナーチェンジを受けた後のモデルであるため、クルマ好きの間では後期型やNB2と呼ばれるモデルになります。このマイナーチェンジのトピックスは、1.8Lモデルに可変バルブ機構「S-VT」が採用され、出力が前期型に比べ15馬力ほど向上したことや足回りやボディが強化されブレーキが大きくなったこと。更にはキーレスエントリーが装備され、エクステリアとインテリアのデザイン変更などが多くのマイナーチェンジポイントが挙げられます。
マツダ・ロードスター (2代目・NB型) を購入した理由は?!
そもそもダイハツコペンを所有していたのになぜマツダロードスターへ乗り換えたのか?という点ですが、決してコペンに不満があった訳ではありません。軽自動車のため維持費は安いし、電動ルーフで気軽にオープンエアを楽しめるのはお気に入りでした。父より残りのローンの支払いと共に譲り受けた初めてのマイカーで、運転の楽しさを教えてくれたクルマでしたし、手放すことが惜しかった気持ちがあったのも事実。でもそれ以上に「後輪駆動車に乗りたい!」と思い、ロードスターを探しました。
では、数ある後輪駆動車の中でなぜロードスターなのか?それは「安く遊べる素材」だったからです。中古車市場価格50万円程度から狙えて、パーツも豊富にあるし、タイヤサイズも15インチ(純正は16インチ)とそんなに大きくない、トラブルが少ない、そして何より若手ユーザーの泣き所である自動車保険が高額な車種でない…。これらの条件で絞った結果NB型ロードスターという選択にたどり着きました。
実は車種選択でロードスターがオープンカーだから、ということは一切考えていませんでした。事実、購入当初は何度か幌を開けて走行したりもしましたが、幌の寿命も近かったのでハードトップを知人から安く譲ってもらって以来、ずっとハードトップ装着しているためほとんどオープンにはしていません。
更に、もし購入するならば後期型の1.8リッターモデルと最初から狙いは決めていました。「今すぐ欲しい!」という訳ではなかったけれど、「いい出物はないかなぁ」と日常的に中古車情報をチェックしていました。そして個人売買仲介サイトで見つけたのが現在の愛車。走行距離14万キロと過走行でしたが、修復歴無と整備記録簿有が決め手でした。総額30万円ナリ。
ロードスターは運転スキルをアップさせるクルマとして最適
免許を取得してから知人の車を中心にスポーツカーやセダン、ミニバンにSUV、左ハンドル車、果ては学校の委員会で使用する2トントラック…と年齢の割には様々な車を運転しました。そんな中で最もステアリングフィールが好きなのがロードスターです。これはNB型に限った話ではないのですが、歴代ロードスターは全車「ノーズが入っていく」という感覚があります。
変な話、普通にステアリング操作してもこの感覚は味わえるのですが、コーナー手前から「ジワッ」とステアリングをわずかに切り始め、ブレーキで前荷重を与えるとよりノーズが入っていきます。どのようなステアリング操作と荷重操作が正解なのかが分かりやすい車なのです。筆者のロードスターは足回りをKONI社製の車高調整式サスペンションに変更していますが、ノーマルのサスペンションに比べると、このロードスター特有のステアリングフィールに磨きがかかり、更に車両のインフォメーションが分かりやすくなったと感じています。
(購入時に装着されていたのが、抜けたノーマルダンパーにダウンサスというのもありますが…)色々なサスペンションが販売されているので、欲を言えばサスペンションやセッティングを色々試してみて好みのフィーリングに近づけたいところです。
カスタムパーツも安くて豊富だからネットオークションをリサーチする日々も楽しい
ロードスターを手にしてから大きくカーライフが変化したという訳ではありませんが、コペンを所有していたころに比べてDIYでの整備やパーツの取り付けをしたり、初めてジムカーナ練習会へ参加したりしました。DIYでは設備や自宅にある工具の関係上重作業はできませんが、オイル交換やスタッドレスタイヤへの交換、オーディオデッキ交換などを実施し、より「愛車」への愛着が強くなってきている最中です。
パーツが豊富なのでネットオークションなどを活用して気に入ったパーツを安く購入したり、ユーザーが多いのでロードスター乗りのコミュニティを通じて個人売買や譲渡などでパーツを入手したりできるのもロードスターの魅力。と言っても変更したパーツはそんなに多くなく、寿命が近かったラジエーター、車高調整式サスペンション、タイヤ&ホイール、バケットシートといった具合です。
まだまだカスタマイズしたいポイントはあるため、ネットオークションをチェックするのは一種の癖になっています。ジムカーナ練習会では後輪駆動車ならではのスライドコントロールが楽しく、「乗り換えて正解だった!」と感じています。サーキット走行会にも参加したいのですが、オープンカーであるためロールバーが必要。そのため今後はロールバーを装着予定です。余裕があればジムカーナ大会などにもエントリーしようかと検討中。
古い車ということで不安していたトラブル面ですが、現在のところ大きなトラブルは特にありません。挙げるならば1・4番のイグニッションコイルが寿命を迎え、一時期2気筒になってしまったこと。でもマツダディーラーへ駆け込んだところ、すぐにパーツを用意していただき事なきを得ました。まだまだ新品パーツが手に入るのがありがたいです。
そしてロードスターを所有して嬉しかったことは取材先でのウケがいいこと。「余裕があればセカンドカーに欲しい」や「実は昔ロードスターに乗ってたんです」と言われることも多く、ある業界の先輩には「いくらぐらいで買ったの?程度はどう?出来れば自分のおもちゃに欲しいなぁ」なんて冗談まじりに言われたことも。ロードスターはクルマ好きなら誰からも愛されるクルマだなぁと感じている日々です。取材時にロードスターがきっかけとなって話が弾むことが多く、今では自身のライフワークに欠かせない「相棒」となっています。
日常で使う分には文句なし、まさに相棒
古い車ですがエアコンはしっかりと効くため夏場の移動も快適ですし、オーディオやパワーウインドウといった基本的な快適装備は装備されていて、実燃費もリッター12km~14kmと良好で、古い車にありがちな苦痛を感じたことはないです。「古い車で、2人乗りのスポーツカーで乗り心地が悪そうだし、同世代のクルマに興味がない友人からは評判が悪いのでは?」という声も聞こえてくるかもしれませんが、若者受けも意外と悪くありません。
目線の低い車は新鮮らしく、大学の友人たちは乗せるとみんな新鮮な反応を見せます。また乗り心地に関して不満を言われたことは一度もなく、中には助手席で寝てしまった子もいました。もちろん個人差はあるとは思いますが、基本的な装備がついていればあまり文句は言われないのかなと感じます。
確かに4ドア車やリアシートが装備されている車種に比べれば利便性の面では敵いません。ですが日常や取材先への移動手段としての使用が中心となる筆者にとって利便性で大きな不満はありません。泊まりでの取材や仕事でもトランクが装備されているためラゲッジスペースの不足は感じたことはなく、友人と2名乗車でアウトレットモールへショッピングした際も、荷物は全てトランクに収まりました。
正直隠せない、古さと少しの不満点
筆者撮影:インテークマニホールドの下にオイルフィルターがあり、パッと見ではその姿は見えない
ここまで述べたように所有して大方満足しているロードスター。しかし不満が全くないという訳ではありません。ハードトップを装着しているというのもありますが、やはり振動による騒音は現代のクローズドボディの車に比べると大きいです。
また、エンジンを始動すると長いオートアンテナが「ウィーン」と伸びてきます。正直ちょっとカッコ悪い...笑。まぁこれはそのうちショートアンテナにするか、アンテナスイッチを着けようかと思います。そして個人的に一番困ったのがオイルフィルターの位置。インマニの下かつインマニステーの後ろという取り外しにくい位置にオイルフィルターがあり、なおかつアンダーカバーが装着されているためオイルフィルターを取り外すのが結構面倒くさいです。
整備性は比較的良いと言われているロードスターですが、オイルフィルターをスムーズに交換するには「慣れ」が必要でしょう。
だれもが、しあわせになれるクルマ
初代(NA)ロードスターのカタログに書いてあった「だれもが、しあわせになる。」というキャッチコピー。それは4世代すべてのロードスターに当てはまることでしょう。ロードスターオーナー同士の交流で老若男女様々なオーナーとお話させていただきましたが、どのオーナーさんも「あばたもえくぼ」という感じの印象。そしてどんな年齢、性別のオーナーが乗っても「画になる」と感じさせることが多いのもロードスターの特徴。まさにキャッチコピーにある「だれもが」という言葉そのままだと感じます。
新車だとやはり高価に感じますが、中古市場と維持費が比較的安価なロードスター。楽しみ方は人それぞれ、この記事を読んで気になったあなたも、ほんの少しの勇気を持ってロードスターの世界へ足を踏み入れてはいかがですか?
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西川昇吾
1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。過去にはコミュニティFMのモータースポーツコーナーにてレギュラー出演経験あり。「書くこと、喋ることで自動車やモータースポーツの面白さを伝える」ことを目標とし、様々なジャンルのライティングや企画に挑戦中。