クロカンカスタム車にある、Aピラー横の煙突の正体とは?

クロカン4WD車が、普通の乗用車はもとよりクロスオーバーSUVより優れた悪路走破性を持つのは周知の事実です。その性能は、最低地上高を上げ、より大径タイヤを履くリフトアップなどで、さらに高まりますが、加えて上に向かって伸びるパイプが存在することも。その正体は何でしょう?

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その最低地上高が大きな武器となるクロカン
さらにフィールドを広げる「シュノーケル」
シュノーケルがあるから安心!では無いので注意

その最低地上高が大きな武器となるクロカン

トヨタ ランドクルーザープラド 150系 TZ-G

クロカン(クロスカントリー)は、通常の車より優れた悪路走破性を持ちますが、その要となっているのが、高い最低地上高と大径のクロカン用タイヤです。

最低地上高の高さは、障害物に車体底面をヒットさせないことにも役立ちますが、車体のアプローチアングルデパーチャーアングルランプブレークオーバーアングルを引き上げるのにも大きな効果を発揮します。

この角度が一定以上無いと、岩などを乗り越える際にバンパーやボディ下部などが障害となって、それ以上進めなくなってしまいます。その角度を確保し、さらに岩や段差を乗り越えるためには、サスペンションで車高を上げるだけではなく、大径タイヤも大きくモノを言います。

ここが、最低地上高はそれなりにありながら、舗装路の高速性能やデザインを重視してエアロパーツをまとったクロスオーバーSUVと異なるところで、スタイルだけのSUVには、クロカン車の真似はできません。

まさに本物のオフローダーといえるクロカン車は、リフトアップで車高を上げ、大径タイヤを履くことで、悪路走破性を高めることが可能になっています。

さらにフィールドを広げる「シュノーケル」

ランドクルーザー70

こうしたクロカン車のエンジン付近から外に伸びて、Aピラーに沿うように上方に伸びるパイプを見かけます。 これは「シュノーケル」と呼ばれる吸気装置です。

いかにクロカンといえども、基本的には空気を吸って燃料と混ぜて点火爆発させることでエンジンを動かすことには変わりません。 通常であれば吸気口も普通の車と同様、エンジンルーム内やフェンダー内に備えています。

つまり、最低地上高が高いので多少深く冠水しているような場所なら走れますが、エンジンルームまで水に浸かるような場所では、吸気口が水で塞がれてしまい空気を吸えないのでエンストしてしまいます。

そこで、吸気用のパイプを屋根の上まで伸ばし、車体が水没してもエンジンが空気を吸い込めるようにしているのが「シュノーケル」です。 排気側はエンジンからの排気圧力があるので、エンジンをそれなり以上の回転に上げていれば、マフラーから水が入ることはありません。

どの程度の回転か…は車によるので、とにかく全開にしていれば水は入ってこないと考えれば良いでしょう。 通常は吸気側にシュノーケルをつければ、それで問題はありません。

シュノーケルがあるから安心!では無いので注意

シュノーケル

ただし、電装系、特にガソリンエンジンでの点火系統や、エンジンコンピューターに関しては冠水しても大丈夫!とまでは言えないので、それらに防水処置を行っていない場合、シュノーケルは単なる飾りになってしまいます。

それだけではなく、車が完全に水没してしまうほど冠水した場所では、たとえシュノーケルの先は水面の上にあったとしても、車内に水が侵入すればなかの人は溺れてしまうなんてもことも。

それに前もまったく見えませんから、調子に乗ってどこまでも深いところまで突っ込もうなどと考えてはいけません。そのような場所で沈没した場合は、JAFに助けを求めても無理でしょう。

シュノーケル走行や激しい悪路を走る場合は、最悪の事態を想定して、2台1組でバディを組み、お互いを救援できる体制を取りながら走りましょう。

趣味でオフロード走行を楽しむときには、決して1台では走らないことと、本当に極限の性能を使い切るのは、最悪の事態だけと考えるのが肝心です。