ロータリーエンジンと相性抜群!? エンジンの「ポート研磨」にはどのような効果がある?

ポート

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エンジンのチューニングには、ボルトオンターボやスーパーチャージャーの装着、エキマニの交換、ボアアップなど、さまざまです。そのなかでポート研磨は、本格的チューニングの香りがします。ポート研磨とは、どのようなチューニング方法で、どのような効果が期待できるのでしょうか?
Chapter
そもそもポート研磨ってなに?
通常は必要ない?
馬力やトルクが大きく向上するわけではない
ロータリーエンジンは例外!?

そもそもポート研磨ってなに?

ポート研磨は、シリンダーヘッドの吸排気の通路を削る作業です。

エンジンのポートの形状は、バルブの配置とシリンダーヘッドのカタチに制約を受けてデザインされています。現在は、一般的に吸気ポートはストレートに、排気ポートはカーブを描いたL字デザインになっていますが、それ以前は吸排気ともストレートではなく、L字型になっていました。

L字型のカーブがあるということは、吸気を行う際に抵抗が発生し、吸気効率が落ちる原因になります。吸気を効率よく行うためには、ストレート形状が理想ですが、ポートをストレートにデザインするとシリンダーヘッドの高さが増し、結果的にエンジンの重量増(それもアタマが重い)を招いてしまいます。そこで妥協案として、ひと昔前まではストレートになるべく近づけたポートデザインになっていました。

ポート研磨は、そのL字型デザインをバルブの開閉に影響の出ない範囲でストレートに近づける加工を行います。また、吸気ポートの手前に装着されるスロットル径とポート入口にできた段差を削ったり、内部をテーパー状にするなど、加工にはさまざまなやり方があります。

過去には、このポートをリューターなどで削って鏡面に仕上げる加工もありましたが、研究によって吸気ポートの内壁には、ある程度凸凹があったほうが、エンジンに都合の良いことがわかっています。

通常は必要ない?

通常利用されている車には、基本的にポート研磨の必要ありません。工場出荷時の状態でコストと性能、耐久性や安全性の面で最適な状態を保っているためです。吸排気側ともにも、走行距離が増えるとカーボンが溜まりますので、洗浄などの必要性はありますが、ポート研磨は必要ないでしょう。

必要とするのは、よりパワーを求めるチューニングエンジンです。サーキット走行などで、よりスムーズなふけ上がりのエンジンを求めたり、よりパワーを求めたりするときに、チューニングメニューのひとつとしてポート研磨を行います。

ポート研磨を行うことで、吸排気効率は向上。より高回転を多用するようなエンジンになります。

馬力やトルクが大きく向上するわけではない

ポート研磨を行うことで、多少の変化は感じられますが、大幅に馬力やトルクが向上することはありません。それが、一般車でポート研磨する必要がない理由でもあります。

ポート研磨は、シリンダーヘッドを取り外したうえで加工を行う必要があります。そのため、マフラーや足回り交換のような手軽なチューニングとは違い、手間とコストのかかる作業となります。

一方、ハイチューンやレーシングカーのエンジンでこれを行う理由は、極限までパワーやフィーリングを突き詰める必要があったり、また他のパーツの効果を高めるためです。

ポート研磨は、吸入する空気量や排気効率に関係するパーツとの微妙なバランスにより、より効果が高まるため、シリンダーヘッドまわりのトータルチューニングのため加工を行います。

ロータリーエンジンは例外!?

バルブをはじめ、動弁系と言われる部品の無いロータリーエンジンでは、ポート研磨による吸気効率の向上が大きく性能に影響します。

ポートを削れば○馬力アップ!というようなことは言えませんが、最適に研磨されたサイドポートのロータリーエンジンは、それだけでフィーリングが一変し、より加速力が増したようにも感じることができます。

これは、バルブという部品がなく、吸気効率を高めることが馬力向上につながるロータリーエンジンだからこそのメリットですね。

ポート研磨は、特段部品が必要なチューニングではないため、レシプロエンジンであればすべての車に施工が可能です。

しかしながらオリジナルのポートは、耐久性などを考えた結果のサイズや形状ですから、加工後はよりメンテナンスに気を遣う必要があるということを考慮する必要があるでしょう。

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