車の「ヤレ」ってなに?中古車の「ヤレ」を「鑑識」してプロファイリングしてしまう方法

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「ヤレ」とは、一般的に車の疲れ具合を指すものです。鉄は酸化、プラスチックは硬化するように、クルマは放っておいても「ヤレ」ます。もちろん、使えば使うだけ疲労は蓄積しますから、各パーツは使用感あるいは「ヤレ」が目立つようになるのです。中古車を見るうえで重要な「ヤレ」。今回はこの「ヤレ」について注目してみましょう。
Chapter
本木目の悲哀
嘘はつかないけれど、ある意味仕方の無い「外装」
可能な限り試乗してチェックを!

本木目の悲哀

本木目パネルは、高級車の証といってもいいアイテムですよね。

しかし、これがクセ者。強い紫外線を受けると、せっかくの深みのある文様が白っぽく変色し、あげくは表面のクリアコートが割れてしまうなんていう悲しい事態になります。

新車の時は美しい本木目パネルですが、オーナーの維持管理や保管が雑だと前述したヤレが出ます。せっかく高級車を買っても、その後のケアが高級でなかったことを、本木目のコンディションが訴えているといっても良いのです。

そんな理由から、中古車を買う時は本木目を避けるという方もいます。そもそもプリントされているだけの木目調パネルであれば、耐久性が高く、ヤレたとしても交換部品代も安い。という、しごく合理的な理由です。

逆に20年以上経っているのに本木目がピカピカでクラックも色飛びもない、という代物に出会えたら、それは喜んで良いでしょうね。

嘘はつかないけれど、ある意味仕方の無い「外装」

外装なら、たとえば塗装面よりも、プラスチックモールやメッキモール、ウェザーストリップ、ヘッドランプユニットなんかにヤレが出ます。

塗装は比較的簡単に、しかもわからないように再塗装できてしまうのですが、モールの交換、とくに窓枠のモールなどは部品代、工賃、手間、それぞれにかかることになるので、中古車が店頭に並ぶ状態でも、意外と手付かずの場合が多いです。そして多くの方が見落としている、というのも実情だったり。

このモールのヤレ方というのも、コンディションの善し悪しを見分けるポイントになるわけです。

変形、硬化、腐食、これは全部青空駐車だったことの証拠です。

現代の駐車場事情からすれば、どのクルマもまんべんなく屋根付き車庫保管というわけにはいきませんから、ある程度、紫外線、酸性雨とは戦わなければならない、ボディやモールのヤレは、仕方のない部分ではあります。

それでも、まめに洗車したりケミカルを使って手入れをしていれば、ヤレを抑えられますが、最近は自分でメンテナンスをする人が少なく、新車の時にコーティングをかけて、あとは他人任せ・・・。自分で見ないわけです。

つまり、見えていない、見ていないところで確実にクルマは劣化、酸化し、ヤレていくわけです。

可能な限り試乗してチェックを!

車検が残っているかどうかで左右されますが、中古車は可能なら試乗をしたいですよね。

それもできるだけ多く乗ってみることをお勧めします。またできることなら、そのクルマの新車状態も知っておいたほうがいいです。長く乗ると、どうヤレるかというひとつの物差しになりますからね。

そういった理由から中古派であっても、気になるクルマが発売になったら、新車時にディーラーで乗っておいたほうがいいと言われています。エンジンの振動や足まわりの動き、異音、あるいは内装のキシミなんかも走らないとわからないことも。

それと中古車のヤレが、その車種特有の「みんなこうなっちゃう」なのかそうでないのか、というのも重要なところ。やはり試乗は、数をこなして、お店の話もよく聞いて判断したほうが良いでしょう。

エンジンの振動はエンジンマウントのヤレかもしれないし、エンジンそのものの整備不良を示すものかも知れない。足まわりもダンパーのヤレ程度なら部品交換で蘇りますが、異音発生となると避けたほうが無難です。異音の音源特定というのは、自動車の修繕では雨漏りと並んで厄介な仕事で、後日手を入れてもなかなか治らないという可能性もあります。

そんな時に役に立つのが整備手帳、記録簿です。マメにディーラーに入れてあるか、どんな整備をしてきているか、整備がマメでもヤレているのはなぜなのか、これも大きな判断基準になりますよね。

なにか「正解」があるというわけではなくて、五感を働かせていちばんしっくり来るものを選ぶのが最終的に諸々納得できます。

とはいえ中古車の判断と契約は、原則自己責任。普段から五感を磨いておきましょう。

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