昔の車に多く見られるサイドモール、これはなんのため?

メルセデス C123 (1980)

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ボディ側面に装備された樹脂製のフチ(?)、いわゆる"サイドモール"。最近は、このサイドモールを装備するクルマが減ってきたようです。そもそもこれはなんのために装備されているのでしょうか?また減少している理油とは?
Chapter
ドアの横っ腹のフチ「サイドモール」の存在意義
サイドモールは絶滅危機!? その理由とは?
サイドモールの進化形!? シトロエンの“AIRBUMP”

ドアの横っ腹のフチ「サイドモール」の存在意義

ボディ横っ腹に装備された「サイドモール」は、少し古いモデル、ことさらセダン系に良く見られました。ゴムや樹脂系パーツで出来ており、ボディと同色ならまだしも、黒い無愛想なラインになってしまっているものも多く、現在の感覚だとなんだか野暮ったくみえますよね。

このサイドモールの役目は、プロテクションです。開閉時にドアを壁等にぶつけて傷めないように、あるいは駐車場で横に停めたクルマのドアが当たった場合に、こちらにダメージを受けないようになど、ボディを保護するためのパーツでした。

しかし2017年現在のモデルでは、あまり見なくなったような気もしますね。これはなぜなのでしょうか?

サイドモールは絶滅危機!? その理由とは?

2017年現在でもサイドモールを採用しているモデルはありますし、また「オプション装備」として設定になっているケースもあるのではないでしょうか。しかし標準装備はおろか、あえて選ぶ人が減っているというのも事実のようです。

なぜサイドモールが廃れつつあるのか考えてみると、

・デザインが崩れるため、あえて装着したくない
・塗装技術が進歩し、多少ではボディにキズがつかないようになった
・製造コストもかかるため、あえて標準装備としていない

ざっと、こういった事情が想定できそうです。つまり、あまり必要性を感じないし、ドレスアップアイテムとしてもイマイチ…というのが市場での評価かもしれませんね。

しかしカー用品店に行くと、自分で切り貼りするものなどが売ってますから、「プロテクションパーツとして欲しい」というニーズも依然としてあるようです。

しかしこのサイドモール、近年思わぬカタチで進化もしています。

サイドモールの進化形!? シトロエンの“AIRBUMP”

サイドモールは、クルマの造形を邪魔する、デザイン的に野暮ったいものという認識があるかもしれません。しかし、発想の転換によって、機能を向上させ、なおかつ個性あるスタイルに組み込んでしまったメーカーがありました。それがフランスのシトロエンです。

2016年に日本でも販売したシトロエン C4カクタスは、なかなか衝撃的なモデルです。

ファニーなデザインのSUVなのですが、車体の前後左右にAIRBUMP(エアーバンプ)と呼ばれるポリウレタン製のプロテクションパネルを装備しています。

時速4kmまでの軽い衝撃からボディを保護するAIRBUMPは、装着するとツートンカラー的なテイストにもなるほど、デザインの一部として主張が激しいものとなっているのですが、シトロエンは、見事にスタイルと実用性を両立させたものにまとめています。

これは新型シトロエン C3にも採用されており、今後シトロエンの代名詞となる可能性もあるでしょうね。若干、好悪わかれるようですが、古くから独自性と先進性を打ち出してきたシトロエンらしい装備ともいえるものですね。

2017年現在、あまり目にしなくなってきたサイドモールですが、こうした新たな解釈と技術により採用するケースも出てくるかもしれません。ターボチャージャーのように、時代によってその役割と評価が大きく変わってくるケースもあるわけですから。

クルマづくりというのは多様な要素が詰まったものであり、じつに奥深いものですね。
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