サイドブレーキをかけない理由は?危険性と正しい駐車方法を解説
更新日:2025.06.30

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サイドブレーキ(パーキングブレーキ)をかけずにAT車を「P」レンジに入れるだけで駐車する人がいます。 初心者ドライバーの中には「Pレンジ(パーキング)に入れれば車は動かないから大丈夫」と考える方もいるかもしれません。
しかし、駐車時にサイドブレーキを使用しないことは安全面で問題があり、車にも負担をかけます。
本記事では、サイドブレーキをかけない人の主な理由と、それによる危険性、そして正しい駐車手順についてわかりやすく説明します。最後に、よくある誤解をQ&A形式で解消しましょう。
しかし、駐車時にサイドブレーキを使用しないことは安全面で問題があり、車にも負担をかけます。
本記事では、サイドブレーキをかけない人の主な理由と、それによる危険性、そして正しい駐車手順についてわかりやすく説明します。最後に、よくある誤解をQ&A形式で解消しましょう。
サイドブレーキをかけない「3つの理由」
AT車で「PレンジだけでOK」と誤解しやすいワケ
AT車の「P」レンジは駆動輪のギアをロックして車輪の回転を止める機構です。
そのため、一見それだけで車が固定できるように思えます。「Pはパーキング(駐車)の意味だから、わざわざサイドブレーキをかける必要はないのでは?」と考える気持ちも理解できます。特にフットブレーキ主体のAT車では、MT車のようにサイドブレーキを引く習慣がない人もいます。
しかし実際には、「P」レンジのロック機構は補助的なものであり、パーキングブレーキと併用することを前提として設計されています。Pレンジだけでは十分に安全とは言えません。
そのため、一見それだけで車が固定できるように思えます。「Pはパーキング(駐車)の意味だから、わざわざサイドブレーキをかける必要はないのでは?」と考える気持ちも理解できます。特にフットブレーキ主体のAT車では、MT車のようにサイドブレーキを引く習慣がない人もいます。
しかし実際には、「P」レンジのロック機構は補助的なものであり、パーキングブレーキと併用することを前提として設計されています。Pレンジだけでは十分に安全とは言えません。
面倒・忘れが原因?サイドブレーキ省略の習慣
運転者の中にはサイドブレーキを引くのを単純に忘れてしまったり、「平坦な場所だから大丈夫」と省略してしまう人もいます。教習所では駐車時に必ずパーキングブレーキをかけるよう指導されますが、日常運転で怠ってしまうケースです。
特に急いでいたり面倒に感じたりすると、省略しがちな操作でもあります。
特に急いでいたり面倒に感じたりすると、省略しがちな操作でもあります。
寒冷地ドライバーがサイドブレーキを避ける事情
寒い地域では冬季に、従来型のワイヤー式パーキングブレーキのワイヤー内部やブレーキ部品に付着した水分が凍結し、ブレーキが解除できなくなったり、かかりっぱなしになったりする恐れが指摘されています。
そのため、一部の寒冷地では、冬季の凍結リスクを避けるためにパーキングブレーキの使用を控え、AT車の場合はPレンジと輪止めなどで対応するという習慣があるドライバーもいると言われています。 この習慣が年間を通じて続く場合もあるようです。
ただし最近では、エンジンオフと同時に自動でパーキングブレーキを作動させる電動式(EPB)の車も増えており、EPBはワイヤー式に比べて凍結しにくい構造のものもあるため、こうした車では意識せずともブレーキがかかり、凍結の問題も起こりにくくなっています(ただし、極端な低温下ではEPBでも作動に注意が必要な場合があります)。
そのため、一部の寒冷地では、冬季の凍結リスクを避けるためにパーキングブレーキの使用を控え、AT車の場合はPレンジと輪止めなどで対応するという習慣があるドライバーもいると言われています。 この習慣が年間を通じて続く場合もあるようです。
ただし最近では、エンジンオフと同時に自動でパーキングブレーキを作動させる電動式(EPB)の車も増えており、EPBはワイヤー式に比べて凍結しにくい構造のものもあるため、こうした車では意識せずともブレーキがかかり、凍結の問題も起こりにくくなっています(ただし、極端な低温下ではEPBでも作動に注意が必要な場合があります)。
サイドブレーキ不使用が招く「3大リスク」
自然発車で車が暴走!予防できた事故例
「P」レンジだけで停めていると、車が意図せず動き出す可能性があります。
例えば傾斜のある場所では、車の重みでトランスミッション内部のパーキングロック機構(爪状の部品)に大きな負荷がかかり、時間とともにその部品が摩耗したり、何らかのきっかけで外れたりして、最悪の場合クルマが動き出してしまう危険性があります。また平地でも、強風や地震などの外的要因、あるいは他車の軽い接触など何らかの衝撃でロックが外れると車が動き出すおそれがあります。
パーキングブレーキを併用していれば、仮にPレンジのロック機構に問題が生じても、ブレーキによって車輪が固定されているため簡単には動かず、事故防止につながります。
例えば傾斜のある場所では、車の重みでトランスミッション内部のパーキングロック機構(爪状の部品)に大きな負荷がかかり、時間とともにその部品が摩耗したり、何らかのきっかけで外れたりして、最悪の場合クルマが動き出してしまう危険性があります。また平地でも、強風や地震などの外的要因、あるいは他車の軽い接触など何らかの衝撃でロックが外れると車が動き出すおそれがあります。
パーキングブレーキを併用していれば、仮にPレンジのロック機構に問題が生じても、ブレーキによって車輪が固定されているため簡単には動かず、事故防止につながります。
衝突被害が拡大—損害額が跳ね上がる理由
パーキングブレーキをかけずに車が動き出した場合、駐車中の車が人や他の車、建物などに衝突する事故につながります。実際に「停止させた車がいつの間にか動いていた」という自然発車による事故は発生しており、その場合、運転者の車両管理責任が問われ、過失と判断される可能性が高くなります。
また、パーキングブレーキを使用せずにPレンジのみで駐車している状態で車両が動き出した場合、車両の動きを抑制するものが少ないため、より大きな被害につながる可能性があります。 例えば、他車に衝突された際に車両が大きく押しやられたり、傾斜地で自然発車した場合に速度が出やすくなったりすることが考えられます。
一方、パーキングブレーキを併用していれば、仮にPレンジのロックが外れたり他車から衝突されたりしても、車両の不用意な動きが抑制されるため、被害を軽減できるとされています。狭い駐車場などでは数cmのズレでも大きなトラブルになり得るため、少しの動きも防ぐためにパーキングブレーキは不可欠です。
また、パーキングブレーキを使用せずにPレンジのみで駐車している状態で車両が動き出した場合、車両の動きを抑制するものが少ないため、より大きな被害につながる可能性があります。 例えば、他車に衝突された際に車両が大きく押しやられたり、傾斜地で自然発車した場合に速度が出やすくなったりすることが考えられます。
一方、パーキングブレーキを併用していれば、仮にPレンジのロックが外れたり他車から衝突されたりしても、車両の不用意な動きが抑制されるため、被害を軽減できるとされています。狭い駐車場などでは数cmのズレでも大きなトラブルになり得るため、少しの動きも防ぐためにパーキングブレーキは不可欠です。
変速機が悲鳴!トランスミッションの寿命を縮める
「P」レンジだけで車を停めると、車重すべてがトランスミッション内の小さなパーキングロックポール(爪)とその受け側部品にかかった状態になります。
特に傾斜地では、この小さな部品に車両の大きな重みが集中してかかり続けるため、時間とともに摩耗したり、変形したり、最悪の場合は破損したりする恐れがあります。長期間その状態で置くと部品への負担が蓄積し、パーキング機構の故障につながるケースも考えられます。実際、新車時にはわずかだった「Pレンジに入れた際に車が少し動く遊び(ガタつき)」が、経年使用により大きくなってくるという指摘もあり、これはPレンジのロック機構の摩耗が一因である可能性があります。
パーキングブレーキを併用することで、この機械的な負担を大幅に減らせるため、トランスミッションを長持ちさせるためにも重要です。
特に傾斜地では、この小さな部品に車両の大きな重みが集中してかかり続けるため、時間とともに摩耗したり、変形したり、最悪の場合は破損したりする恐れがあります。長期間その状態で置くと部品への負担が蓄積し、パーキング機構の故障につながるケースも考えられます。実際、新車時にはわずかだった「Pレンジに入れた際に車が少し動く遊び(ガタつき)」が、経年使用により大きくなってくるという指摘もあり、これはPレンジのロック機構の摩耗が一因である可能性があります。
パーキングブレーキを併用することで、この機械的な負担を大幅に減らせるため、トランスミッションを長持ちさせるためにも重要です。
AT車のPレンジだけでは車を固定できない理由
パーキング(P)レンジの仕組みは、変速機内部の歯車に小さな「爪(ロックピンまたはパーキングポール)」を引っかけてシャフト(駆動軸)を固定するものです。この構造上、ロックポイントは一箇所だけであり強度に限界があります。車両を完全に固定できるほど強力ではなく、実際AT車でもPレンジだけでは数cm程度車体が動いてしまう“遊び”が生じます。
特に前輪駆動(FF)の車では、Pレンジに入れても駆動輪である前輪はロックされますが、後輪はフリーの状態です。そのためPレンジだけに頼ると、車輪の一部しか固定されておらず不安定な状態になり得ます。
以上の理由からPレンジ単体での駐車は安全上不十分であり、パーキングブレーキ(多くの場合は後輪を固定)との二重の固定が必要とされています。言い換えれば、Pレンジはあくまでパーキングブレーキを補助する機能であり、両方併用するのが正しい使い方なのです。
特に前輪駆動(FF)の車では、Pレンジに入れても駆動輪である前輪はロックされますが、後輪はフリーの状態です。そのためPレンジだけに頼ると、車輪の一部しか固定されておらず不安定な状態になり得ます。
以上の理由からPレンジ単体での駐車は安全上不十分であり、パーキングブレーキ(多くの場合は後輪を固定)との二重の固定が必要とされています。言い換えれば、Pレンジはあくまでパーキングブレーキを補助する機能であり、両方併用するのが正しい使い方なのです。
失敗しない!正しい駐車・パーキング操作4ステップ
- ステップ1:車を完全停止しフットブレーキを保持 停車したらブレーキペダルを踏んだまま車をしっかりと静止させます (フットブレーキは踏み続ける)。
- ステップ2:パーキングブレーキを確実に作動 車が停止している状態で、足をブレーキから離さずにパーキングブレーキ(サイドブレーキまたはフット式、電動式の場合はスイッチ操作)を最後までしっかりとかけます。
- ステップ3:シフトレバーをPに入れて安定化 パーキングブレーキが確実に作動したのを確認してから、シフトレバーを「P」の位置に入れます。
- ステップ4:ブレーキペダルを静かにリリース 最後にフットブレーキを静かに離し、車が安定して停まっていることを確認します。
サイドブレーキに関する疑問を解決!FAQ3選
Q1. AT車はPレンジだけで本当に大丈夫?
A: 必ずパーキングブレーキも併用してください。Pレンジだけではトランスミッション内の機構で駆動輪をロックするのみで、車両を完全に固定するには不十分です。
特に傾斜地ではPレンジのロック機構に大きな負担がかかりますし、外部からの衝撃(例:他車の接触)でロックが外れたり、機構の遊びで車両が数センチ動いたりする可能性も否定できません。パーキングブレーキを併用することで、主に後輪(またはパーキングブレーキが作用する車輪)も確実に固定され、二重の安全対策となり、車両が意図せず動き出すリスクを大幅に減らすことができます。平坦な場所であっても、万が一の事態に備えて必ずパーキングブレーキをかける習慣をつけましょう。
Q2. 平坦な場所ならサイドブレーキ不要?
A: いいえ、平坦に見える場所であってもパーキングブレーキはかけるべきです。見た目では分からなくてもごくわずかな傾斜が存在していることもありますし、強風、地震、あるいは他車による予期せぬ接触など、外的要因によって車が動き出す可能性はゼロではありません。
また、毎回パーキングブレーキを使う習慣をつけておかないと、傾斜地など本当に必要な場面でかけ忘れてしまう恐れもあります。安全のため、どのような場所でも駐車時にはパーキングブレーキを利用する習慣を身につけましょう。
Q3. 寒冷地ではサイドブレーキをかけない方が良い?
A: 極寒地においては、特にワイヤー式のパーキングブレーキが凍結し、解除できなくなるリスクがあるため、状況によっては使用を控える判断も必要になることがあります。実際に、寒い地域では冬季にパーキングブレーキのワイヤー内部やブレーキ部品に付着した水分が凍結する事例が報告されており、専門機関などからも注意喚起がなされています。
そのため、著しく気温が低い環境での屋外駐車など、凍結の恐れが高い場合には、パーキングブレーキをかけずにPレンジに入れ、タイヤに輪留め(車止め)を施すといった対策が推奨されることがあります。
現代の車では防錆・防水対策が向上していますが、特に従来型のワイヤー式パーキングブレーキでは、厳しい寒冷条件下や車両の状態(例:ワイヤーのブーツの破れによる水分浸入)によっては依然として凍結のリスクは残ります。電動パーキングブレーキ(EPB)は、ワイヤーの露出が少ないか無い構造のため比較的凍結しにくいとされていますが、ブレーキキャリパー部分などが凍結する可能性が全くないわけではありません。
寒冷地以外や、気温が氷点下になる可能性が低い状況では、通常通りパーキングブレーキを使用した方が安全です。万が一、パーキングブレーキが凍結してしまった疑いがある場合は、無理に解除しようとしたり、安易に熱湯をかけたりすることは避けてください。急激な温度変化はブレーキ部品を損傷させる可能性があり、また溶けた水が再凍結して状況を悪化させることもあります。 エンジンをかけてしばらく待ち、車内やブレーキ周りが暖まることで自然に解除されることもありますが、解消しない場合はディーラーや整備工場、ロードサービスに相談するのが最も安全で確実な方法です。
日常的には、車の取扱説明書の指示に従い、凍結が予想される場合は輪留めを準備するなど、事前の対策を検討しましょう。
A: 必ずパーキングブレーキも併用してください。Pレンジだけではトランスミッション内の機構で駆動輪をロックするのみで、車両を完全に固定するには不十分です。
特に傾斜地ではPレンジのロック機構に大きな負担がかかりますし、外部からの衝撃(例:他車の接触)でロックが外れたり、機構の遊びで車両が数センチ動いたりする可能性も否定できません。パーキングブレーキを併用することで、主に後輪(またはパーキングブレーキが作用する車輪)も確実に固定され、二重の安全対策となり、車両が意図せず動き出すリスクを大幅に減らすことができます。平坦な場所であっても、万が一の事態に備えて必ずパーキングブレーキをかける習慣をつけましょう。
Q2. 平坦な場所ならサイドブレーキ不要?
A: いいえ、平坦に見える場所であってもパーキングブレーキはかけるべきです。見た目では分からなくてもごくわずかな傾斜が存在していることもありますし、強風、地震、あるいは他車による予期せぬ接触など、外的要因によって車が動き出す可能性はゼロではありません。
また、毎回パーキングブレーキを使う習慣をつけておかないと、傾斜地など本当に必要な場面でかけ忘れてしまう恐れもあります。安全のため、どのような場所でも駐車時にはパーキングブレーキを利用する習慣を身につけましょう。
Q3. 寒冷地ではサイドブレーキをかけない方が良い?
A: 極寒地においては、特にワイヤー式のパーキングブレーキが凍結し、解除できなくなるリスクがあるため、状況によっては使用を控える判断も必要になることがあります。実際に、寒い地域では冬季にパーキングブレーキのワイヤー内部やブレーキ部品に付着した水分が凍結する事例が報告されており、専門機関などからも注意喚起がなされています。
そのため、著しく気温が低い環境での屋外駐車など、凍結の恐れが高い場合には、パーキングブレーキをかけずにPレンジに入れ、タイヤに輪留め(車止め)を施すといった対策が推奨されることがあります。
現代の車では防錆・防水対策が向上していますが、特に従来型のワイヤー式パーキングブレーキでは、厳しい寒冷条件下や車両の状態(例:ワイヤーのブーツの破れによる水分浸入)によっては依然として凍結のリスクは残ります。電動パーキングブレーキ(EPB)は、ワイヤーの露出が少ないか無い構造のため比較的凍結しにくいとされていますが、ブレーキキャリパー部分などが凍結する可能性が全くないわけではありません。
寒冷地以外や、気温が氷点下になる可能性が低い状況では、通常通りパーキングブレーキを使用した方が安全です。万が一、パーキングブレーキが凍結してしまった疑いがある場合は、無理に解除しようとしたり、安易に熱湯をかけたりすることは避けてください。急激な温度変化はブレーキ部品を損傷させる可能性があり、また溶けた水が再凍結して状況を悪化させることもあります。 エンジンをかけてしばらく待ち、車内やブレーキ周りが暖まることで自然に解除されることもありますが、解消しない場合はディーラーや整備工場、ロードサービスに相談するのが最も安全で確実な方法です。
日常的には、車の取扱説明書の指示に従い、凍結が予想される場合は輪留めを準備するなど、事前の対策を検討しましょう。