なぜ国産車のブレーキは効きが悪いのか?

トヨタ ブレーキ ホイール

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ドイツ車に対して「高速域での安定性」や「国産車とのブレーキの効きの違い」といった称賛のレビューやコメントを耳にします。しかし、それほど国産車のブレーキの効きは悪いのでしょうか?
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確かに欧州車のブレーキは優秀だが…
背反するコストと性能
それでもブレーキが物足りない…という方は

確かに欧州車のブレーキは優秀だが…

欧州車、ことさらドイツ車の性能は高級車であれコンパクトモデルであれ、同じクラスの国産車に比べると非常に優れた高速安定性とブレーキ(制動)性能を感じます。

その理由としては、皆さんご存知のように“使用する速度域が欧州の方が高い”という事実がまず挙げられるでしょう。

ドイツの高速道路アウトバーンは、速度規制区間が増えたとはいえ、2017年現在でも速度制限のない区間があり、200km/hでの巡行が日常的な速度域となっています。そのため、その速度域からのブレーキ性能は必須になります。

日本車は、いまや技術力ではトップを争うほど高まっています。それなのに、国産車のブレーキは、欧州車よりも効きが甘いと評する声は多いです。なぜでしょうか?

背反するコストと性能

まず、日本と欧州での日常使われている"速度域の違い”によるところが大きい理由でしょう。

日本国内の公道は、基本的に一般道が50〜60km/h、高速道路でも100km/h(一部120km/h)が制限速度となります。対するドイツの一般道は、市街地で50km/h、郊外では100km/h、加えてアウトバーンです。

日本のメーカーが国内で販売する市販車の性能は、諸事情から国内の制限速度以上のものがもたらされていますが、法律で決められた速度域が想定されて設計されているため、少々乱暴なことを承知で言ってしまえば、クルマはその条件で“充分な”ストッピングパワーがあれば良いのです。

もちろん、欧州車のように(あるいはそれ以上に)高いストッピングパワーを与えることは、さほど難しいことではありません。しかしコストが跳ね上がってしまいユーザーの負担になるため、日本国内で必要充分なバランスで仕上げられているといえます。

そしてもう一つの理由は、耐久性です。
欧州車のホイールを見ると、黒いダストが付着しているのを見かけませんか?この汚れはなかなか落ちません。というのも、欧州車のブレーキパッドはローターに対して攻撃性が高く、ディスクローターを削りながら制動力を発揮させています。

つまり、国産車以上に、ブレーキディスクが消耗品という観点で設計されているとも言えるのです。そうなれば、ブレーキはパッドのみらずローターの交換サイクルも早くなります。

高性能にするには、その分ユーザーには負担として返ってくることになります。日本国内での使用を想定するのであれば、適正なセッティングで、ダストが少なく、長寿命であるほうがパッケージとしては商品力が高いという判断ができるのです。

こうした事情から、国産車と欧州車のブレーキの違いが指摘されるというわけです。

それでもブレーキが物足りない…という方は

スポーツモデルなどハイスペックモデルをより楽しみたいという方は、ブレーキパーツの強化というのもカスタムの方向性として良いでしょう。

とはいえ、保安部品でありクルマにとって最も重要なパーツがブレーキユニット。できればメーカー純正オプションや、信頼できるブランドのパーツで強化したいところですね。加えてディーラーや技術力のしっかりしたショップでのメンテナンスはマストです。

確かに、ブレーキ性能は高いに越したことはないですが、自車のブレーキが優れているからといってブレーキを遅らせると、後続車が止まりきれないというトラブルに発展することもあります。

交通社会のなかでは、周りの流れに乗ることがとても重要。それが安全につながるのは、言うまでもありません。早めのブレーキングで、安全運転を心掛けましょう。

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