【保存版】意外なパーツ共有で生まれた名車たち5選|ランプ流用のメリット・デメリットとは
更新日:2025.05.16

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自動車の表情を形作るのに欠かせないライト類は「クルマの目」ともいわれます。
スポーツカーでは特にデザインが重要ですが、実はその重要パーツであるランプを他車から流用している車種が存在します。いずれも少量生産モデルに多く、聞けば驚くような組み合わせばかりです。
本記事ではランプ流用とは何かを初心者向けに解説し、有名&意外なランプ流用車種を5台紹介します。さらにメリット・デメリットにも答え、カスタム文化の奥深さに迫ります。
スポーツカーでは特にデザインが重要ですが、実はその重要パーツであるランプを他車から流用している車種が存在します。いずれも少量生産モデルに多く、聞けば驚くような組み合わせばかりです。
本記事ではランプ流用とは何かを初心者向けに解説し、有名&意外なランプ流用車種を5台紹介します。さらにメリット・デメリットにも答え、カスタム文化の奥深さに迫ります。
- Chapter
- ランプ流用とは?目的・費用・背景をわかりやすく解説
- メーカーがランプ流用を選ぶ理由
- カスタムユーザーがランプ流用に挑む理由
- 実例で学ぶ!ランプ流用が光る5台の名車
- ジャガー XJ220(1992年)- 英国スーパーカーにローバー200のテールランプ
- マクラーレン F1(1992年)- 前後ランプに異例の流用!ロータスとバスから拝借
- アストンマーティン DB7(1994年)- 和製ファミリアのテールランプが高級GTに
- ランボルギーニ ディアブロ(1990年)- 日産フェアレディZのヘッドライトを拝借
- フォード GT40 Mk.I(1960年代)- フランス大衆車シムカ1000のテールランプ
- ランプ流用のメリットとデメリットを徹底比較
- ランプ流用のメリット
- ランプ流用のデメリット
- まとめ|ランプ流用で広がるカスタム文化の奥深さ
ランプ流用とは?目的・費用・背景をわかりやすく解説
メーカーがランプ流用を選ぶ理由
開発コストや時間の削減が大きな目的です。
ランプ類は金型や試験に膨大なコストがかかる部品なので、特に生産台数の少ない車種では他車から流用して効率化を図ることがあります。
既存部品を使えば信頼性も確保しやすく、設計資源を他の部分に集中できるメリットもあります。
またデザイン的に他モデルのランプ形状がイメージに合う場合も、あえて流用することがあります。
ランプ類は金型や試験に膨大なコストがかかる部品なので、特に生産台数の少ない車種では他車から流用して効率化を図ることがあります。
既存部品を使えば信頼性も確保しやすく、設計資源を他の部分に集中できるメリットもあります。
またデザイン的に他モデルのランプ形状がイメージに合う場合も、あえて流用することがあります。
カスタムユーザーがランプ流用に挑む理由
ユーザーのカスタムとしてのランプ流用は、見た目の個性を出すことや部品の代替が目的です。
たとえば旧車のオーナーが入手しやすい別車種のライトで交換したり、カスタムカー愛好家が他車のライトを組み込んで独自のフロントマスクを作り上げることがあります。
これには高度な加工技術と法規の知識が必要ですが、成功すればオンリーワンのスタイルを実現できます。
たとえば旧車のオーナーが入手しやすい別車種のライトで交換したり、カスタムカー愛好家が他車のライトを組み込んで独自のフロントマスクを作り上げることがあります。
これには高度な加工技術と法規の知識が必要ですが、成功すればオンリーワンのスタイルを実現できます。
実例で学ぶ!ランプ流用が光る5台の名車
ジャガー XJ220(1992年)- 英国スーパーカーにローバー200のテールランプ
ジャガー XJ220は1992年に英国ジャガーが発売した限定生産スーパーカーです。
最高時速341km/hを記録し、一時「世界最速の市販車」として知られました。
そんなXJ220も、開発コスト削減のため市販車から流用したテールランプを使用しています。
開発段階では大衆車のボクスホール(ヴォクスホール)・カバリエのランプを検討しましたが入手できず、最終的にローバー200シリーズのテールライトユニットが採用されました。
意外な組み合わせですが、取り付けてみると驚くほど違和感なく収まり、XJ220のスタイルにまるで最初から専用品のようによく馴染んでいます。
少量生産にも関わらず専用部品を開発するのはコスト的に難しく、適合する市販車パーツをコヴェントリー(本社)のすぐ近くから探し出したというエピソードは有名です。
ローバー200は平凡な小型ハッチバックでしたが、そのリアコンビネーションランプはスーパーカーの尻尾を彩る重要パーツとして第二の人生を歩んだことになります。
最高時速341km/hを記録し、一時「世界最速の市販車」として知られました。
そんなXJ220も、開発コスト削減のため市販車から流用したテールランプを使用しています。
開発段階では大衆車のボクスホール(ヴォクスホール)・カバリエのランプを検討しましたが入手できず、最終的にローバー200シリーズのテールライトユニットが採用されました。
意外な組み合わせですが、取り付けてみると驚くほど違和感なく収まり、XJ220のスタイルにまるで最初から専用品のようによく馴染んでいます。
少量生産にも関わらず専用部品を開発するのはコスト的に難しく、適合する市販車パーツをコヴェントリー(本社)のすぐ近くから探し出したというエピソードは有名です。
ローバー200は平凡な小型ハッチバックでしたが、そのリアコンビネーションランプはスーパーカーの尻尾を彩る重要パーツとして第二の人生を歩んだことになります。
マクラーレン F1(1992年)- 前後ランプに異例の流用!ロータスとバスから拝借
マクラーレン F1は1992年に登場したイギリスの伝説的スーパーカーで、3座席レイアウトや徹底した軽量設計で知られます。
設計者ゴードン・マレーは細部まで妥協なく作り込みましたが、いくつかの部品には既存流用を採用しています。
その代表がランプ類です。ヘッドライト(前照灯)は当時市販されていたロータス・エラン(1989年発売の2代目)のものを流用しました。エランは薄型リトラクタブルライトを備えており、F1の低い車高にも収まる薄いライトとして最適だったのです。
さらに特筆すべきはテールランプ(尾灯)で、なんとオランダ製の観光バス「ボバ・フュチュラ(Bova Futura)」と同じものが使われています。
この丸型ブレーキランプは元々イギリスのTVR社のスポーツカーでも使用例があり、汎用部品として提供されていたものです。
マクラーレンという究極のスーパーカーがバスのテールライトを付けているのは驚きですが、実際にはデザイン的にも性能的にも問題なく融合しています。
限られた製造台数(約100台)のF1では、新規開発より信頼性実績のある既製品を選ぶ合理性が優先された好例と言えるでしょう。
設計者ゴードン・マレーは細部まで妥協なく作り込みましたが、いくつかの部品には既存流用を採用しています。
その代表がランプ類です。ヘッドライト(前照灯)は当時市販されていたロータス・エラン(1989年発売の2代目)のものを流用しました。エランは薄型リトラクタブルライトを備えており、F1の低い車高にも収まる薄いライトとして最適だったのです。
さらに特筆すべきはテールランプ(尾灯)で、なんとオランダ製の観光バス「ボバ・フュチュラ(Bova Futura)」と同じものが使われています。
この丸型ブレーキランプは元々イギリスのTVR社のスポーツカーでも使用例があり、汎用部品として提供されていたものです。
マクラーレンという究極のスーパーカーがバスのテールライトを付けているのは驚きですが、実際にはデザイン的にも性能的にも問題なく融合しています。
限られた製造台数(約100台)のF1では、新規開発より信頼性実績のある既製品を選ぶ合理性が優先された好例と言えるでしょう。
アストンマーティン DB7(1994年)- 和製ファミリアのテールランプが高級GTに
アストンマーティン DB7は1994年に発表されたイギリスの高級スポーツカーです。
往年のボンドカーを彷彿とさせるスタイルで人気を博し、低迷していたアストンマーティンを救ったモデルとも称されます。
フォード傘下で開発された経緯から、多くの部品にフォードやジャガーの流用が見られますが、中でも意外なのがリアのテールランプが日本のマツダ「ファミリア アスティナ(日本名:ユーノス100)」から流用されている点です。
一見するとDB7独自の細長いランプに見えますが、実際にはアスティナのランプユニットに樹脂製のカウリング(化粧枠)を被せて形状を変えており、中身はファミリアそのものなのだそうです。
アスティナは1989年発売の国産ハッチバッククーペで、ユニークな横長4灯テールが特徴でした。DB7開発時、当時提携関係にあったマツダの部品を活用することでコストダウンを図ったと考えられます。
なおDB7では他にもドアハンドルをファミリアから、室内のインナーハンドルやバンパーの反射板をユーノス・ロードスター(NA型ロードスター)から流用しており、英国の高級GTに日本車の実用部品が多数使われていたことになります。
こうした異色の組み合わせも、完成車の雰囲気を損なわずに融合させたデザイナー(イアン・カラム)の手腕は見事と言えるでしょう。
往年のボンドカーを彷彿とさせるスタイルで人気を博し、低迷していたアストンマーティンを救ったモデルとも称されます。
フォード傘下で開発された経緯から、多くの部品にフォードやジャガーの流用が見られますが、中でも意外なのがリアのテールランプが日本のマツダ「ファミリア アスティナ(日本名:ユーノス100)」から流用されている点です。
一見するとDB7独自の細長いランプに見えますが、実際にはアスティナのランプユニットに樹脂製のカウリング(化粧枠)を被せて形状を変えており、中身はファミリアそのものなのだそうです。
アスティナは1989年発売の国産ハッチバッククーペで、ユニークな横長4灯テールが特徴でした。DB7開発時、当時提携関係にあったマツダの部品を活用することでコストダウンを図ったと考えられます。
なおDB7では他にもドアハンドルをファミリアから、室内のインナーハンドルやバンパーの反射板をユーノス・ロードスター(NA型ロードスター)から流用しており、英国の高級GTに日本車の実用部品が多数使われていたことになります。
こうした異色の組み合わせも、完成車の雰囲気を損なわずに融合させたデザイナー(イアン・カラム)の手腕は見事と言えるでしょう。
ランボルギーニ ディアブロ(1990年)- 日産フェアレディZのヘッドライトを拝借
「ランボルギーニ ディアブロは1990年に発売されたイタリアのスーパーカーで、カウンタックの後継モデルです。
当初は先代同様にリトラクタブル(跳ね上げ)ヘッドライトを搭載していましたが、1999年モデルから(または1998年後半の改良で)固定式ヘッドライトに変更されました。
この際に採用されたユニットが、なんと日産のフェアレディZ(Z32型、1989年発売)のヘッドライトでした。Z32はバブル期にヒットした日本のスポーツカーで、プロジェクターランプを採用した非常に薄型の固定式ヘッドライトを持ち、その先進的なデザインが特徴です。
ディアブロ開発陣はこのZ32のライトを流用する際、ライト本体に入った「NISSAN」の刻印を隠すために上部にカバーを追加したとされています。
世界的スーパーカーが日本車の部品を使っているのは驚きですが、実は形状や光量の面で適した既存品を選ぶのは合理的な判断でした。
結果としてディアブロ後期型は精悍な固定ライトの表情を得ると同時に、量産車の信頼性も手に入れたのです。」
当初は先代同様にリトラクタブル(跳ね上げ)ヘッドライトを搭載していましたが、1999年モデルから(または1998年後半の改良で)固定式ヘッドライトに変更されました。
この際に採用されたユニットが、なんと日産のフェアレディZ(Z32型、1989年発売)のヘッドライトでした。Z32はバブル期にヒットした日本のスポーツカーで、プロジェクターランプを採用した非常に薄型の固定式ヘッドライトを持ち、その先進的なデザインが特徴です。
ディアブロ開発陣はこのZ32のライトを流用する際、ライト本体に入った「NISSAN」の刻印を隠すために上部にカバーを追加したとされています。
世界的スーパーカーが日本車の部品を使っているのは驚きですが、実は形状や光量の面で適した既存品を選ぶのは合理的な判断でした。
結果としてディアブロ後期型は精悍な固定ライトの表情を得ると同時に、量産車の信頼性も手に入れたのです。」
フォード GT40 Mk.I(1960年代)- フランス大衆車シムカ1000のテールランプ
フォード GT40は1960年代に米フォードが開発し、ル・マン24時間レースでフェラーリを破った伝説のレーシングカーです。
市販ロードカーも少数ながら生産されましたが、その初期型(Mk.I)のテールランプにはフランスの大衆車「シムカ1000」の部品が流用されています。
シムカ1000は1960年代に150万台以上が生産された庶民的セダンで、丸型2連のコンビネーションランプをリアに備えていました。
GT40はこの可愛らしい丸灯をそのままリアエンド両側に配し、意外にもスタイリッシュにまとめています。
当時、レース参戦のため市販車両のホモロゲーション取得が必要で、生産台数の限られたGT40では極力既存部品を使うことでコストと時間を節約しました。
その一環として選ばれたのがシムカのテールランプだったのです。アメリカン・スーパーカーとフランス大衆車という異色のコラボレーションですが、結果的にGT40のリアビューはシンプルで機能的な印象を与えています。
レースでの実績ばかり注目されるGT40にも、実はユニークな部品流用の裏話が隠されているのです。
市販ロードカーも少数ながら生産されましたが、その初期型(Mk.I)のテールランプにはフランスの大衆車「シムカ1000」の部品が流用されています。
シムカ1000は1960年代に150万台以上が生産された庶民的セダンで、丸型2連のコンビネーションランプをリアに備えていました。
GT40はこの可愛らしい丸灯をそのままリアエンド両側に配し、意外にもスタイリッシュにまとめています。
当時、レース参戦のため市販車両のホモロゲーション取得が必要で、生産台数の限られたGT40では極力既存部品を使うことでコストと時間を節約しました。
その一環として選ばれたのがシムカのテールランプだったのです。アメリカン・スーパーカーとフランス大衆車という異色のコラボレーションですが、結果的にGT40のリアビューはシンプルで機能的な印象を与えています。
レースでの実績ばかり注目されるGT40にも、実はユニークな部品流用の裏話が隠されているのです。
ランプ流用のメリットとデメリットを徹底比較
ランプ流用のメリット
開発コスト削減・期間短縮
新規にライトを開発・製造する費用や時間を節約できます。特に少量生産車では既存ランプ流用がプロジェクト実現の鍵となります。
既存部品の信頼性活用
すでに他車で実績ある部品を使うため、品質や耐久性の信頼性が高いです。不具合発生リスクを低減でき、交換部品も市場に出回っている場合が多く整備性も向上します。
デザイン適合・統一感
流用先の車両コンセプトに合った形状のランプを選べば、デザイン上の統一感を損なわずに魅力を高められます。ロータス・エスプリとAE86ランプのように意外な組み合わせが「ハマる」例もあります。
ユーザー側の利点(DIYの場合)
入手しやすい他車のライトを流用すれば、旧車の焼き切れたライトを安価に交換できる場合があります。またカスタムとして他にない個性的な外観を得られる楽しさもメリットです。
新規にライトを開発・製造する費用や時間を節約できます。特に少量生産車では既存ランプ流用がプロジェクト実現の鍵となります。
既存部品の信頼性活用
すでに他車で実績ある部品を使うため、品質や耐久性の信頼性が高いです。不具合発生リスクを低減でき、交換部品も市場に出回っている場合が多く整備性も向上します。
デザイン適合・統一感
流用先の車両コンセプトに合った形状のランプを選べば、デザイン上の統一感を損なわずに魅力を高められます。ロータス・エスプリとAE86ランプのように意外な組み合わせが「ハマる」例もあります。
ユーザー側の利点(DIYの場合)
入手しやすい他車のライトを流用すれば、旧車の焼き切れたライトを安価に交換できる場合があります。またカスタムとして他にない個性的な外観を得られる楽しさもメリットです。
ランプ流用のデメリット
デザイン上の制約・妥協
他車のランプ形状に車両デザインを合わせる必要があるため、完全な自由度は失われます。流用が不適切だと「取って付けたよう」な違和感が出る恐れもあり、デザイン面で妥協が必要になる場合があります。
供給終了のリスク
ドナーとなった車種の生産終了や部品供給停止により、流用ランプの入手が将来的に困難になる可能性があります。例えばロータスがAE86ランプを長年使用したように、継続調達の工夫が求められるケースもあります。
法規適合の問題
とくにユーザーがDIYでライトを交換する場合、車検の保安基準(光度、照射範囲、取付高さなど)に適合しなくなる恐れがあります。メーカー純正採用なら型式認定内ですが、個人で改造する際は注意が必要です。
取付け・配線の難易度
車種ごとにボディ形状や配線方式が異なるため、他車ランプのポン付けはできません。フィッティングのための加工や配線の変更が必要で、専門知識や技術が要求されます。ユーザーにとってDIYハードルが高い点はデメリットです。
他車のランプ形状に車両デザインを合わせる必要があるため、完全な自由度は失われます。流用が不適切だと「取って付けたよう」な違和感が出る恐れもあり、デザイン面で妥協が必要になる場合があります。
供給終了のリスク
ドナーとなった車種の生産終了や部品供給停止により、流用ランプの入手が将来的に困難になる可能性があります。例えばロータスがAE86ランプを長年使用したように、継続調達の工夫が求められるケースもあります。
法規適合の問題
とくにユーザーがDIYでライトを交換する場合、車検の保安基準(光度、照射範囲、取付高さなど)に適合しなくなる恐れがあります。メーカー純正採用なら型式認定内ですが、個人で改造する際は注意が必要です。
取付け・配線の難易度
車種ごとにボディ形状や配線方式が異なるため、他車ランプのポン付けはできません。フィッティングのための加工や配線の変更が必要で、専門知識や技術が要求されます。ユーザーにとってDIYハードルが高い点はデメリットです。
まとめ|ランプ流用で広がるカスタム文化の奥深さ
他車のランプ流用例を5車種紹介してきましたが、身近なライト一つとっても自動車開発やカスタムの奥深い世界が垣間見えます。
DIY派も法規と安全を守れば、既存パーツで“世界に一台”の個性を楽しめることがランプ流用の魅力です。
DIY派も法規と安全を守れば、既存パーツで“世界に一台”の個性を楽しめることがランプ流用の魅力です。