なぜ昔の車は錆びるのか?

トヨタ 2000GT

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近年、注目を集めている日本製の旧車。特にアメリカでは、1980年代後半のR32GT-R、FD3S、Z32などが、ネオクラッシックと呼ばれ大人気です。国内でもハコスカやケンメリ、S30型ZをOHする専門店が注目されたり、トヨタ博物館では2000GT 50周年を記念し、所蔵する2000GTを公開するなどのイベントも開催されました。現代の国産車にはない魅力を持つ旧車ですが、ボディが錆やすい欠点もあります。
Chapter
1960年代の日本車がビンテージカーに
ボディの防錆塗装とは?
錆が発生しやすい箇所がある?
アンダーボディの防錆

1960年代の日本車がビンテージカーに

ビンテージカーというと、1900年代初頭のクラシカルなスタイルの自動車を思い浮かべるかもしれません。

最近では、1960~70年代に生産されたトヨタ 2000GTやハコスカやケンメリGT-R、マツダ コスモスポーツなども、ビンテージカーとして扱われつつあります。

これら1960年代の車両は、ボディに錆が発生する現象が見られます。一方で、現代の自動車のボディでは錆を見かけることはほぼありません。これはどうしてなのでしょう。

ボディの防錆塗装とは?

金属は放っておけば錆が発生します。錆とは、ご存じのように金属が酸化した状態です。自然界では、金属はどれも酸化物として存在しています。

鉄のもとである鉄鉱石は、鉄の酸化物です。自然の状態のままではいずれ金属は錆によって腐食するので、工業製品に使われる鋼は、鉄鉱石をコークス(炭素)で還元し、鉄だけの状態にしています。

しかし鋼を作り出しても、いずれ酸化して錆を発生させます。そこで錆を防ぐ技術として用いられるのが、塗装です。特に錆を防ぐ塗装を「防錆塗装(ぼうせいとそう)」と呼びます。

防錆塗装は鉄橋が風雨や潮風に耐え、錆を発生するのを防ぐために開発されました。日本で初めて採用されたのは大阪・神戸間の鉄道用鉄橋とされ、1874年のことです。自動車用としては、1960年代まで下地塗料(プライマー)をスプレーやディップ手法で塗装していました。

しかしこの方法では人手や時間がかかること、色むら・塗料の垂れが発生することが問題となり、大量生産には実用的でなくなりました。

そして1963年、フォードが水溶液の電気分解を応用した電着塗装を実用化し、世界中の自動車メーカーの話題となります。翌1964年には日本の東洋工業(現マツダ)でも実用化され、1970年には日本の自動車メーカーの全生産ラインで電着塗装が導入され、現在に至ります。

つまり、昔の国産車でボディに錆が発生する確率が高いのは、1964年以前のマツダ車と1970年以前の他国産メーカー車といえます。

錆が発生しやすい箇所がある?

現代の自動車は、防錆鋼板や防錆塗料が使用されたり錆のでにくい構造にするなど、ボディのみならず全体的に錆が発生しづらくなっています。それでも錆が比較的発生しやすい箇所があり、これは昔の国産車と変わりありません。どこかといえば、アンダーボディと呼ばれるシャーシまわりです。

シャーシまわりになぜ錆が発生しやすいのか、といえば錆の発生要因である海水や融雪剤などで使用される塩化物が付着しやすいことと、小石や砂利などにより細かい傷を負いやすく、そこから錆が発生しやすいからです。

アンダーボディの防錆

海水による金属の腐食は有名です。海の近くに住む方ならアンダーボディも含め定期的な洗車が欠かせません。

また融雪剤は、雪国の都市部やスキーリゾート地でよく使用されます。お住まいの地域が降雪地帯でないのなら、スキー帰りにはアンダーボディの洗車は欠かせません。雪国にお住まいなら、洗車よりは防錆コーディングを行ったほうが良さそうです。

アンダーボディの防錆コーティングは塗装被膜が強く、巻き上げた小石や砂利からのダメージも防いでくれます。最近では、ディーラーでもアンダーボディのコーティングを薦られることもあるようです。

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