車名より有名!? あの頃の車はこう呼ばれた!「クジラ」「ダルマ」ほか昭和の人気車5台
更新日:2025.05.30

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昭和から平成初期にかけて、日本の自動車にはユニークな愛称(ニックネーム)で呼ばれた名車が数多く存在しました。
車種名ではなく愛称で呼べば通じた時代があり、当時を知る人にとっては懐かしい響きでしょう。
その愛称はデザインの特徴や印象的な宣伝文句などから生まれ、クルマへの親しみや時代背景が込められています。本記事では、日本の昔の車に付けられた有名な愛称5選を紹介します。
それぞれの愛称の由来と、当時の背景や印象的なCMや広告もあわせて丁寧に解説します。ゆっくりと振り返りながら、懐かしの名車たちに親しまれた呼び名の意味を紐解いてみましょう。
車種名ではなく愛称で呼べば通じた時代があり、当時を知る人にとっては懐かしい響きでしょう。
その愛称はデザインの特徴や印象的な宣伝文句などから生まれ、クルマへの親しみや時代背景が込められています。本記事では、日本の昔の車に付けられた有名な愛称5選を紹介します。
それぞれの愛称の由来と、当時の背景や印象的なCMや広告もあわせて丁寧に解説します。ゆっくりと振り返りながら、懐かしの名車たちに親しまれた呼び名の意味を紐解いてみましょう。
国民車スバル360の愛称「てんとう虫」—軽自動車ブームを生んだ丸いフォルム
スバル360は1958年に富士重工業(現SUBARU)が発売した、日本初の本格的な軽自動車です。
丸みを帯びた小さなボディはてんとう虫の愛称で親しまれました。
その由来は、当時フォルクスワーゲン・タイプ1が「ビートル(かぶと虫)」と呼ばれていたことにならったとも、コンパクトで丸いデザインそのものがテントウムシを連想させたからともいわれます。
スバル360は卵型の曲面デザインを採用することで軽量化と剛性確保を両立し、大人4人が乗車できる画期的な車でした。
当時100万円前後が普通だった自動車価格を42.5万円に抑えたことで「マイカー」を一般庶民にもたらし、日本のモータリゼーションを大きく前進させた名車です。
可愛らしい見た目と相まって「てんとう虫」の呼び名は全国に浸透し、スバル360は日本初の大衆車として、その愛称と共に広く国民に親しまれた代表的な国産車の一つです。
高度成長期の家庭の足として活躍したこの車は、今もそのニックネームとともに語り継がれています。
丸みを帯びた小さなボディはてんとう虫の愛称で親しまれました。
その由来は、当時フォルクスワーゲン・タイプ1が「ビートル(かぶと虫)」と呼ばれていたことにならったとも、コンパクトで丸いデザインそのものがテントウムシを連想させたからともいわれます。
スバル360は卵型の曲面デザインを採用することで軽量化と剛性確保を両立し、大人4人が乗車できる画期的な車でした。
当時100万円前後が普通だった自動車価格を42.5万円に抑えたことで「マイカー」を一般庶民にもたらし、日本のモータリゼーションを大きく前進させた名車です。
可愛らしい見た目と相まって「てんとう虫」の呼び名は全国に浸透し、スバル360は日本初の大衆車として、その愛称と共に広く国民に親しまれた代表的な国産車の一つです。
高度成長期の家庭の足として活躍したこの車は、今もそのニックネームとともに語り継がれています。
スタイリッシュなのに「ダルマ」と呼ばれた初代トヨタ セリカ—愛称の由来と魅力
1970年に登場したトヨタのスペシャリティクーペ、初代セリカには「ダルマ」という愛称が存在します。
スポーティーな車に一見ミスマッチなこの呼び名は、主に2つの説で由来が説明されています。
ひとつは、初代セリカ(特に2ドアクーペモデル)の丸みを帯びたふくよかなボディ形状が達磨(ダルマ)人形のように見えたため。
もうひとつは、スラントノーズのフロントマスクを正面から見た際、メッキのフロントバンパー両端部分がダルマの髭(ひげ)に見えたためとも言われます。
実際、初代セリカの丸みのあるフロントデザインは独特で、愛嬌すら感じさせるものでした。
若者向けに開発されたこの車は、日本初の本格的スペシャリティカーとして人気を博し、ラリーなどモータースポーツでも活躍しました。
当時の広告ではスタイリッシュさを前面に出していましたが、ファンの間ではいつしか「ダルマ」の愛称が定着。
一見アンバランスな呼称ですが、それだけ初代セリカのデザインが人々に強い印象を与え、親しまれていた証と言えるでしょう。
スポーティーな車に一見ミスマッチなこの呼び名は、主に2つの説で由来が説明されています。
ひとつは、初代セリカ(特に2ドアクーペモデル)の丸みを帯びたふくよかなボディ形状が達磨(ダルマ)人形のように見えたため。
もうひとつは、スラントノーズのフロントマスクを正面から見た際、メッキのフロントバンパー両端部分がダルマの髭(ひげ)に見えたためとも言われます。
実際、初代セリカの丸みのあるフロントデザインは独特で、愛嬌すら感じさせるものでした。
若者向けに開発されたこの車は、日本初の本格的スペシャリティカーとして人気を博し、ラリーなどモータースポーツでも活躍しました。
当時の広告ではスタイリッシュさを前面に出していましたが、ファンの間ではいつしか「ダルマ」の愛称が定着。
一見アンバランスな呼称ですが、それだけ初代セリカのデザインが人々に強い印象を与え、親しまれていた証と言えるでしょう。
4代目トヨタ クラウンの愛称「クジラ」—大胆デザインが生んだ異色の高級車
1971年に発売された4代目トヨタ・クラウンは、その大胆なスタイリングから「クジラ」という愛称で呼ばれました。
スピンドルシェイプ(紡錘形)とも称された丸みのあるボディラインと、上下2段構えになった大型フロントグリル&バンパーのデザインが、まるで大きな鯨(クジラ)の口元のように見えたことが由来です。
曲面を多用した斬新なデザインは高速走行時の空力や安全性を追求した先進的なもので、メーカーの意欲作でした。
しかし当時の保守的な高級車市場では「クラウンらしくない」と受け取られ、販売はやや苦戦します。
長年守り続けてきた高級車販売台数トップの座をライバル(日産セドリック/グロリア)に譲ってしまったことから、愛称の「クジラ」もどことなくネガティブな響きで語られることもありました。
とはいえ、丸みを帯びた独創的フォルムは後年になって再評価され、現在では「クジラクラウンも味があって格好いい」との声もあります。
印象的な愛称とともに語られる4代目クラウンは、日本車デザインが大きく転換しようとしていた時代の象徴とも言えるでしょう。
スピンドルシェイプ(紡錘形)とも称された丸みのあるボディラインと、上下2段構えになった大型フロントグリル&バンパーのデザインが、まるで大きな鯨(クジラ)の口元のように見えたことが由来です。
曲面を多用した斬新なデザインは高速走行時の空力や安全性を追求した先進的なもので、メーカーの意欲作でした。
しかし当時の保守的な高級車市場では「クラウンらしくない」と受け取られ、販売はやや苦戦します。
長年守り続けてきた高級車販売台数トップの座をライバル(日産セドリック/グロリア)に譲ってしまったことから、愛称の「クジラ」もどことなくネガティブな響きで語られることもありました。
とはいえ、丸みを帯びた独創的フォルムは後年になって再評価され、現在では「クジラクラウンも味があって格好いい」との声もあります。
印象的な愛称とともに語られる4代目クラウンは、日本車デザインが大きく転換しようとしていた時代の象徴とも言えるでしょう。
CMが生んだ愛称!日産スカイライン「ケンメリ」—伝説を作った4代目C110型
1972年に登場した4代目日産スカイライン(C110型)には、今なお伝説的な愛称「ケンメリ」が存在します。
この愛称は車の特徴というより、当時展開された大ヒットCMシリーズ「ケンとメリーのスカイライン」に由来しています。
テレビCMでは若いカップルのケンとメリーがスカイラインで日本各地を旅する物語が描かれ、全16篇にも及ぶシリーズCMは社会現象になるほどの人気を博しました。
視聴者の心を掴んだ結果、「ケンとメリー」が短縮されてケンメリと呼ばれ、そのまま車自体の愛称として定着したのです。
当時CMで流れた主題歌「ケンとメリー~愛と風のように」(BUZZ)は30万枚を超えるヒットとなり、登場人物がプリントされたTシャツが一般販売されるなど、宣伝キャンペーンも大成功を収めました。
こうした背景もあり、4代目スカイライン(ケンメリ)は歴代スカイラインの中で最も多く売れたモデルとなりました。
なお、スカイライン自体もこの代でボディが大きく成長し大衆車化が進みましたが、スポーツグレードのGT-Rは排ガス規制の影響で生産台数わずか197台にとどまり、“幻のケンメリGT-R”として語り草になっています。
愛称「ケンメリ」は昭和の名作CMとともに記憶され、今でもスカイラインファンのみならず多くの旧車好きに親しまれている呼び名です。
この愛称は車の特徴というより、当時展開された大ヒットCMシリーズ「ケンとメリーのスカイライン」に由来しています。
テレビCMでは若いカップルのケンとメリーがスカイラインで日本各地を旅する物語が描かれ、全16篇にも及ぶシリーズCMは社会現象になるほどの人気を博しました。
視聴者の心を掴んだ結果、「ケンとメリー」が短縮されてケンメリと呼ばれ、そのまま車自体の愛称として定着したのです。
当時CMで流れた主題歌「ケンとメリー~愛と風のように」(BUZZ)は30万枚を超えるヒットとなり、登場人物がプリントされたTシャツが一般販売されるなど、宣伝キャンペーンも大成功を収めました。
こうした背景もあり、4代目スカイライン(ケンメリ)は歴代スカイラインの中で最も多く売れたモデルとなりました。
なお、スカイライン自体もこの代でボディが大きく成長し大衆車化が進みましたが、スポーツグレードのGT-Rは排ガス規制の影響で生産台数わずか197台にとどまり、“幻のケンメリGT-R”として語り草になっています。
愛称「ケンメリ」は昭和の名作CMとともに記憶され、今でもスカイラインファンのみならず多くの旧車好きに親しまれている呼び名です。
ホンダ シティターボIIの愛称「ブルドッグ」—小型ホットハッチに宿る獰猛なキャラクター
1980年代にもなると愛称で呼ばれるクルマは減少していきましたが、ホンダ・シティターボIIは例外的に強烈な愛称を持っています。
そのニックネームが「ブルドッグ」。
初代シティをベースに1983年に登場したターボIIは、大きく張り出したオーバーフェンダーやボンネットのパワーバルジなど、まるで筋肉質なブルドッグを思わせる力強い外観でした。
愛称の直接の由来は、当時放映されたシティターボIIのテレビCMに登場した“メタル製プロテクターを装着した本物のブルドッグ犬”によるものです。
CMキャラクターとして登場したブルドッグが強烈な印象を残し、それがそのまま車の愛称になったというユニークなケースでした。
全長わずか3.4mほどの小さなボディに1.2Lインタークーラーターボエンジンで110馬力を発生させるこの車は、当時として驚異的なパワーウェイトレシオを誇り、ワンメイクレースも開催されるほどの盛り上がりを見せました。
公式には“シティターボII”ですが、愛嬌ある丸目ライトと迫力のフォルムからいつしか「ブルドッグ」の呼び名が定着。
昭和末期のホットハッチブームを象徴する1台として、そのニックネームとともに語り継がれています。
そのニックネームが「ブルドッグ」。
初代シティをベースに1983年に登場したターボIIは、大きく張り出したオーバーフェンダーやボンネットのパワーバルジなど、まるで筋肉質なブルドッグを思わせる力強い外観でした。
愛称の直接の由来は、当時放映されたシティターボIIのテレビCMに登場した“メタル製プロテクターを装着した本物のブルドッグ犬”によるものです。
CMキャラクターとして登場したブルドッグが強烈な印象を残し、それがそのまま車の愛称になったというユニークなケースでした。
全長わずか3.4mほどの小さなボディに1.2Lインタークーラーターボエンジンで110馬力を発生させるこの車は、当時として驚異的なパワーウェイトレシオを誇り、ワンメイクレースも開催されるほどの盛り上がりを見せました。
公式には“シティターボII”ですが、愛嬌ある丸目ライトと迫力のフォルムからいつしか「ブルドッグ」の呼び名が定着。
昭和末期のホットハッチブームを象徴する1台として、そのニックネームとともに語り継がれています。
まとめ
愛称で呼ばれた昔の名車たちは、デザインの特徴や時代の空気を映し出す存在です。
それぞれのニックネームには開発陣の遊び心やユーザーの愛着、そして当時の世相までも垣間見ることができます。
1980年代までは車の愛称文化が花盛りでしたが、1990年代以降になると経済状況の変化や車種の多様化により、この文化は次第に廃れていきました。
しかし現在でも、往年のファンや旧車好きの間ではこうした愛称が語り継がれています。懐かしの愛称で名車たちを呼ぶことで、車と過ごしたあの頃の思い出がよみがえる方も多いのではないでしょうか。
時代を超えて愛されるニックネームの数々は、日本の自動車文化の一側面としてこれからも語り継がれていくことでしょう。
懐かしい愛称を通じて、ぜひ当時のクルマ文化を感じてみてください。
それぞれのニックネームには開発陣の遊び心やユーザーの愛着、そして当時の世相までも垣間見ることができます。
1980年代までは車の愛称文化が花盛りでしたが、1990年代以降になると経済状況の変化や車種の多様化により、この文化は次第に廃れていきました。
しかし現在でも、往年のファンや旧車好きの間ではこうした愛称が語り継がれています。懐かしの愛称で名車たちを呼ぶことで、車と過ごしたあの頃の思い出がよみがえる方も多いのではないでしょうか。
時代を超えて愛されるニックネームの数々は、日本の自動車文化の一側面としてこれからも語り継がれていくことでしょう。
懐かしい愛称を通じて、ぜひ当時のクルマ文化を感じてみてください。