ターボとスーパーチャージャーの違いはわかりますか?
更新日:2024.09.09
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自動車用エンジンには、同じ排気量でもパワーアップ、あるいはより低排気量でも大排気量車と同等の出力を発揮させるため、過給機を搭載することがあります。この過給機は、大別するとスーパーチャージャーとターボチャージャーの2種類に分かれますが、この違いは何でしょう?
ターボとスーパーチャージャーの違い①|空気密度を上げて、酸素をより多く取り込むための過給機
自動車用に限らず、内燃機関で常に追求されてきたのは「いかに効率良く安定して燃料を爆発・燃焼させるか」という課題です。そのために数多くの新機軸が採用されて、現在にいたっています。
とはいえ、空気と燃料を安定して供給できなければ意味がありません。そこで空気を安定供給するだけでなく密度も高めて、より多くの空気(酸素)をエンジンに取り込もうとするのが過給機です。
航空機用としては第2次世界大戦前にスーパーチャージャーが、次いでターボチャージャー(以下ターボ)が実用化されたものの、アメリカ以外でターボはなかなか実用化されず、自動車での実用化はそのさらに後、1960年代になってからでした。一方、船舶用は比較的早く普及されました。
昔の本には、「第2次世界大戦で日本はスーパーチャージャーつきのB-29に苦戦した」などと書かれていますが、実際にはスーパーチャージャーは日本の飛行機などに装備されており、日本が実用化できなかったのはターボの方でした。
とはいえ、空気と燃料を安定して供給できなければ意味がありません。そこで空気を安定供給するだけでなく密度も高めて、より多くの空気(酸素)をエンジンに取り込もうとするのが過給機です。
航空機用としては第2次世界大戦前にスーパーチャージャーが、次いでターボチャージャー(以下ターボ)が実用化されたものの、アメリカ以外でターボはなかなか実用化されず、自動車での実用化はそのさらに後、1960年代になってからでした。一方、船舶用は比較的早く普及されました。
昔の本には、「第2次世界大戦で日本はスーパーチャージャーつきのB-29に苦戦した」などと書かれていますが、実際にはスーパーチャージャーは日本の飛行機などに装備されており、日本が実用化できなかったのはターボの方でした。
ターボとスーパーチャージャーの違い②|エンジン出力で過給するスーパーチャージャー
同じ過給機でも、ターボとスーパーチャージャーの違いは何かと言えば、その過給方式でしょう。
スーパーチャージャーは、エンジンの力で過給機(コンプレッサー)を作動させることが多く、一部電動で動かす「電気ターボ」と呼ばれる方式はあるものの、大抵はエンジンを使ってエンジンの出力を引き上げるという方式です。
そのため、高回転になるほど過給機の作動にエンジンパワーが奪われ、過給効率は悪くなると言われます。そのため、スーパーチャージャーは高回転型エンジンには不向きと言えます。
4サイクルエンジンに使われる時には、多くが高回転域でクラッチとバイパス配管を使ってスーパーチャージャーを切るようになっており、あくまでスーパーチャージャーの効率が良い低回転域で働くように設計されています。
かつてのトヨタ 4A-Gやスバルの軽自動車用エンジン、あるいは現在のミラーサイクルエンジンなど、低回転のトルクが細いエンジンにおいてそれを補う用途に使われていました。
しかし、その当時と違い、現在は低回転で作動しにくくトルクも小さいというターボエンジンの欠点が解消され、低回転のアシストにモーターが使われることも増えたこともあり、スーパーチャージャーが使われることが減っています。
そこにいたるまでの一時期には、低回転ではスーパーチャージャー、高回転ではそれを切ってターボに切り替えるツインチャージャーが使われていたこともありました。
スーパーチャージャーは、エンジンの力で過給機(コンプレッサー)を作動させることが多く、一部電動で動かす「電気ターボ」と呼ばれる方式はあるものの、大抵はエンジンを使ってエンジンの出力を引き上げるという方式です。
そのため、高回転になるほど過給機の作動にエンジンパワーが奪われ、過給効率は悪くなると言われます。そのため、スーパーチャージャーは高回転型エンジンには不向きと言えます。
4サイクルエンジンに使われる時には、多くが高回転域でクラッチとバイパス配管を使ってスーパーチャージャーを切るようになっており、あくまでスーパーチャージャーの効率が良い低回転域で働くように設計されています。
かつてのトヨタ 4A-Gやスバルの軽自動車用エンジン、あるいは現在のミラーサイクルエンジンなど、低回転のトルクが細いエンジンにおいてそれを補う用途に使われていました。
しかし、その当時と違い、現在は低回転で作動しにくくトルクも小さいというターボエンジンの欠点が解消され、低回転のアシストにモーターが使われることも増えたこともあり、スーパーチャージャーが使われることが減っています。
そこにいたるまでの一時期には、低回転ではスーパーチャージャー、高回転ではそれを切ってターボに切り替えるツインチャージャーが使われていたこともありました。
ターボとスーパーチャージャーの違い③|エンジン排気を利用するターボ
エンジンで過給機を作動させていたスーパーチャージャーとは異なり、エンジンの排気圧でタービンを回し、それを動力として過給機を作動させるのがターボチャージャーです。
本来、ただ捨てられるだけの排気を有効利用しているので高回転でも効率が落ちることが無く、常時高回転でエンジンを回す航空機や船舶、発電機などに向いています。
しかし、排気圧を受けて猛烈な回転数で回るタービンの製造がまず難しく、素材や軸受の加工精度が貧弱だった昔の日本のみならず、アメリカ以外の国ではターボエンジンを作るのが難しかったほどです。
そして自動車用に実用化された後でも、問題は起きました。
ノッキング対策でガソリンを濃くするため、燃費が悪化したり、圧縮した高温の空気が異常燃焼のもとになるため、燃焼室の圧縮を下げ、結果的にターボが作動していないとトルクがスカスカ、ターボ作動で一気にパワーが出る、いわゆる「どっかんターボ」です。
現在は、ターボのサイズを小さくしてエンジン本体を効率化し、ターボへの依存度を下げることで、そうした欠陥も解消され、排気量を下げてもエンジンの実用性を保つダウンサイジングターボが使われるようになりました。
本来、ただ捨てられるだけの排気を有効利用しているので高回転でも効率が落ちることが無く、常時高回転でエンジンを回す航空機や船舶、発電機などに向いています。
しかし、排気圧を受けて猛烈な回転数で回るタービンの製造がまず難しく、素材や軸受の加工精度が貧弱だった昔の日本のみならず、アメリカ以外の国ではターボエンジンを作るのが難しかったほどです。
そして自動車用に実用化された後でも、問題は起きました。
ノッキング対策でガソリンを濃くするため、燃費が悪化したり、圧縮した高温の空気が異常燃焼のもとになるため、燃焼室の圧縮を下げ、結果的にターボが作動していないとトルクがスカスカ、ターボ作動で一気にパワーが出る、いわゆる「どっかんターボ」です。
現在は、ターボのサイズを小さくしてエンジン本体を効率化し、ターボへの依存度を下げることで、そうした欠陥も解消され、排気量を下げてもエンジンの実用性を保つダウンサイジングターボが使われるようになりました。
ターボとスーパーチャージャーの違い④|将来的に残るのはターボかスーパーチャージャーか?
スーパーチャージャーがかつて果たしていた低回転域でのエンジンサポートといった役割はモーターに切り替わりつつあります。
ホンダやスズキが小型車用に使っているハイブリッドシステムが代表的なもので、この先も小排気量低コストの内燃機関向け簡易ハイブリッドとして有望でしょう。
一方、ターボチャージャーはレンジエクステンダーEVなど車の速度に関わらず定速回転を行う発電用エンジンを安定動作させるためにも有望です。
おそらく内燃機関がある限り、引き続き使われ続けるのではないでしょうか。
ホンダやスズキが小型車用に使っているハイブリッドシステムが代表的なもので、この先も小排気量低コストの内燃機関向け簡易ハイブリッドとして有望でしょう。
一方、ターボチャージャーはレンジエクステンダーEVなど車の速度に関わらず定速回転を行う発電用エンジンを安定動作させるためにも有望です。
おそらく内燃機関がある限り、引き続き使われ続けるのではないでしょうか。