軽トラックのターボモデルはなぜ無くなったのか?軽トラックのターボモデルを徹底解説

スズキ キャリイ (DA52) 1999

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かつては存在していたこともあるターボ付の軽トラックですが、現在はどのメーカーもターボモデルをラインナップしていません。軽乗用車にはほとんどのモデルにターボエンジンの設定がありますが、なぜ軽トラックにはないのでしょうか?
Chapter
かつて販売されていた軽トラックのターボモデル
新開発ターボで最高出力を下げる
軽トラックのターボモデルは車両価格が高い
ターボモデルは実用性があまりない
中古車を探すか?それとも後付けターボにする?

かつて販売されていた軽トラックのターボモデル

以前、スズキキャリイにターボモデルがありました。初のキャリイターボは、1997年に登場した最高出力60psを発生するEPIターボチャージャー付エンジンを搭載した、KU系グレード(2WD/4WD)でした。

その後、1999年の軽規格の変更に対応して、キャリイは車体を拡大するとともに、セミキャブオーバータイプとなりました。AT車はターボ(パワステ付)グレードにのみ設定されており、この時ターボは60pから56psになっています。

新開発ターボで最高出力を下げる

興味深いのは、スズキキャリイが11代目にフルモデルチェンジした際、ターボエンジンの最高出力が引き下げられたことです。

これは車体を軽量設計したことによって、馬力を下げてもパワフルさは変わらず、低燃費となって、実用域での扱いやすさも重視されたというのが理由です。

しかし、新開発のターボエンジンを積んで値段を下げたものの、発売からわずか1年4カ月、2000年5月で販売終了となったのです。先代モデルから通してわずか3年間で販売を終えました。

軽トラックのターボモデルは車両価格が高い

ターボモデルは、軽トラックに限ったことではありませんが、一般的に車両価格が高くなります。スポーツタイプの車や高速走行の多い車であれば、多少高くなってもターボ付きの車を買う人も多いでしょう。

しかし、実用性と機能性を重視する軽トラックは、価格が安いことや燃費が悪くないこともかなり重要なのです。

言い替えれば軽トラックを使うシーンに、値段の高いターボは必要ない、ターボを求められていない、ということになるのでしょう。

ターボモデルは実用性があまりない

軽トラックの主な用途は、農作業や漁業、林業などの第一次産業です。田んぼの狭いあぜ道、浜辺や漁港まわりの小道、山の中の狭い林道…このようなシーンが軽トラックの活躍の場。

そしてその軽トラックに乗っているのは、多くの場合高齢者になります。おじいさん、おばあさんの老夫婦が二人で軽トラックに乗って仕事場に向かう様子は、田舎では普通に見られます。彼らはパワーがあって、扱いにくいターボ付きの軽トラックなど必要としていませんね。

車両価格の高さや燃費の悪さに加えて、パワーが出過ぎることで砂利道でスリップしたり、オイル管理などのメンテナンスが大変になったり…そういった理由からターボのない軽トラックのほうに、人気が集まったのでしょう。

中古車を探すか?それとも後付けターボにする?

ターボ付きの軽トラックが欲しい場合、キャリイターボの中古車を探すという方法もあります。

最後が2000年モデルになるので、一番新しいモデルでも15年以上が経過しており、値段もかなり安く手に入るはずです。そこまで古いのは不安、という方にはターボを後付けするという選択肢も。

たとえばボルトオンターボは、ダイハツハイゼット(S201系)に対応したものですが、NAからターボにするというダイレクトかつストレートな発想で生まれたターボキットだそうです。ターボならではの圧倒的なパワーが堪能できるそうですよ。

ECUは他車種用を流用し、サブコンはEマネージアルティメイトを使用。同時にマフラー加工も行うとのこと。もちろん公道走行可能の車検対応ターボです。

ターボ化によってエンジンは力強くなることには間違いないのですが、重い荷物を積んで運ぶ軽トラックであれば、高回転でパワーが太るターボよりも、低速から過給できるスーパーチャージャーのほうが向いていたのかもしれませんね。


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