トヨタ マークⅡバンと呼ぶ?それともマーバン?地域差・世代差を考察する

マークIIバン

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トヨタ マークⅡバン…と言っても若い読者はご存知無いかもしれませんが、要するにマークXのご先祖であるマークⅡのライトバン仕様です。そのマークⅡバンを「マーバン」や「Ⅱバン」と呼ぶ地域もあるらしいのですが、皆さん知っていましたか?
Chapter
基本的知識「マークⅡバンってそもそも何?」
なぜマークIIバンが人気になったのか?
マーバン?Ⅱバン?一部ではそんな呼び名も

基本的知識「マークⅡバンってそもそも何?」

そもそもマークⅡバンという車を知らない人もいるかと思いますので、簡単に説明しましょう。

2017年現在、トヨタのライトバンは、販売店によって名称が異なるプロボックスとサクシードしかありません。しかしその昔はほぼ全車種にライトバンモデルが用意されていました。

それというのも、戦後の高度経済成長時代、日本人にとっての車は1人1台どころか一家に1台すら難しい高級品でした。さらに、今よりも個人営業主が多かったこともあって、仕事用と自家用を兼ねて車を保有する家が多かったのです。

そのためトヨタなら、パブリカ(後にスターレットを経て現在のヴィッツ)から、クラウンまで、センチュリーを除くすべての乗用車に、ライトバンや時代によってはピックアップトラックすら設定されていました。

マークIIバンもその1台で、5代目が1997年にカルディナバンにバトンタッチするまで生産され、さらにそのカルディナバンも現在はサクシードへと変わって今に至ります。

それでは、なぜマークⅡバンは人気を集めたのでしょうか?

なぜマークIIバンが人気になったのか?

モノ自体は単なる平々凡々としたマークIIバンですが、1990年代のステーションワゴンブームでちょっとした脚光を浴びます。

先に書いた事情でライトバンとはある意味、貧しかった時代の象徴、仕方なく選ぶ乗り物の代表であり、一般庶民がライトバン以外の車種を買えるようになると、個人用(家庭用)としては見向きもされなくなっていました。

そのあおりで乗用車登録のステーションワゴンは”ライトバン同然”と冷遇され、一方のライトバンを望むビジネスユースでも売れなかったのです。

その流れを変えたのが、ライトバン仕様が存在しない純然たるスポーツ・ステーションワゴンであるスバルの初代レガシィ ツーリングワゴンでした。

1989年に初代レガシィが登場してツーリングワゴンが大人気となるや、ステーションワゴンに乗るのがカッコイイという時代が到来します。

とにかくステーションワゴンであれば、その形をしてさえあれば何でもいい、とばかりにステーションワゴンが売れまくり、便乗した各社は既存のビジネス仕様ワゴンに豪華装備を設定しました。

同じ理由で冷遇されていた5ドアハッチバック車も、この際ワゴンと名付ければ売れるとばかりに○○ワゴンと名づけて大成功、街にステーションワゴンが溢れます。

そうなると個性を求める人、そのうえでベース車を安くしたい人が出てきます。そんなユーザーが求めたのが、旧時代のクラウンやマークIIのバンというわけです。

なかにはもちろん乗用車登録のワゴンもありましたが、多くは商用車登録のライトバンだったこれらは、シャコタンやオールペン、ホイールやタイヤの換装を経て、一躍カスタムベースとして人気になったのです。

マーバン?Ⅱバン?一部ではそんな呼び名も

そうしてメジャーになったマークⅡバンですが、ステーションワゴンブームは一過性の熱く短いブームで終わり、ライトバンベースのカスタムカーだけがエアサスやウーハーを積むのに便利という理由で残りました。

そんなブームの中で「マーバン」や「Ⅱバン」という略称が自然発生し、カスタムカー雑誌等でも扱われたこともあり、現在まで定着しているようです。

地域や世代によって呼び名が異なるようですが、そもそもライトバンのカスタム自体がステーションワゴンブーム時に少し熱くなった程度で、決してメジャーでは無かったので、知らない人の方が多いでしょう。

実際、筆者(40代・東北出身)も10代後半~20代前半の熱い車好き時代にステーションワゴンブームを迎えていましたが、マークⅡバン以外の呼び方は知りません。

地域や世代というより、単に当時からライトバンのカスタムにハマっていた人や、そうした知り合いがいる人独特の呼び名なのではないでしょうか。

マーバンやⅡバン、皆さんは知っていましたか?


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