三菱自動車「トライトン」をプロが試乗レビュー評価!パワフルかつ豪華で、乗り心地にも大満足!【プロ徹底解説】

トライトンロゴ

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三菱自動車のピックアップトラック「トライトン」が2024年2月に発売となりました。その新型モデルの走りはいかがなものなのでしょうか。試乗した印象をレポートします。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
迫力があり、高級感のあるインテリア
乗り心地がよく、運転しやすい
4WDシステムが凝っている
大型化・豪華化は諸刃の刃では

迫力があり、高級感のあるインテリア

2024年2月に発売となった三菱自動車のピックアップトラック「トライトン」。世界市場では、1列シートのシングルキャブ、フロントシートの後ろに荷室スペースのあるクラブキャブ、2列シートのダブルキャブという3種類のボディバリエーションが存在します。
また、エンジンも2.4リッターの4N16型は同じものの、出力違いの3つの仕様が用意されています。日本には、ダブルキャブのボディに、もっともパワフルな最高出力150kW(204PS)/最大トルク470Nmのエンジン仕様が導入されています。
その実物の「トライトン」を目にして思うのは、“強そう”という印象です。全長5360×全幅1930×全高1815㎜(GSRグレード)ものサイズの迫力は、乗用車ではなく、まさに小型トラックそのもの。SUVという範疇を超えています。
また、試乗した上級グレードのGSRには、ホイールアーチモールや、荷台のスタイリングバーも備わっており、まるでカスタムカーそのもの。

室内に目を移すと、シートはレザーで、ステアリングは本革巻きと非常に豪華です。
後席はリクライニングしませんが、窮屈なことはなく、天井に後席用のサーキュレーターがあるので、後席でも暑苦しくはありません。試乗は、7月上旬の酷暑の中で行われましたが、寒くなるほど冷房が効いていました。

乗り心地がよく、運転しやすい

「トライトン」を試乗して、最も強い印象になったのが、その乗り心地の良さです。
荷物を運ぶという本来的な役割のため、「トライトン」の足回りは、かなり硬めのセッティングです。ロールもピッチングもあまりしません。それでいながら、荒れた路面を走っても、嫌な衝撃が伝わってきません。
停止状態では、ガリガリと聞こえるディーゼル・エンジン音も、走り出せば気にもなりません。
直進性もよく、ハンドル操作に対する 車の動きの遅れも最小限度。商用のトラックではなく、乗用SUVそのものという乗り心地であり、ハンドリング、そして快適性でした。
また、 車が大柄ですけれど、スクエアな形をしているためか、車体感覚がつかみやすく、それほど運転に気を使うこともありません。意外な運転のしやすさがありました。

4WDシステムが凝っている

7月の試乗では街中ばかりの走行ですが、春に実施されたメディア向けの「トライトン」の試乗会では、オフロード走行も体験できました。
そこで、オフロード走行、ひどいデコボコの石の道、急な坂道などの、まさに悪路を「トライトン」で走ったのです。
当然、用意された悪路を、「トライントン」は走破するのですが、驚くのは、その走破は非常に簡単であったということです。その理由は、状況にあわせて最適な駆動を選べるスーパーセレクト4WD-Ⅱの存在です。ダカールラリーなどで活躍していた三菱自動車らしく、オフロード走行をアシストするための4WDシステムのレベルが非常に高いということでしょう。

大型化・豪華化は諸刃の刃では

正直、「トライトン」の 車の出来に不満はありません。非常に良くできたピックアップトラックと言えるのではないでしょうか。ただ、ひとつ気になったのは、本来の「トライトン」は、小型貨物車というジャンルの車です。ところが、代を重ねるほどに、「トライトン」は、大きく立派になっていきました。
その結果、今では全長が5.3mもあり、全幅は1930㎜もあります。見栄えは良いのですけれど、駐車場に入れるときは、さすがに気を使います。また、価格もスタンダードの「GLS」で498万0800円、上級の「GSR」では540万1000円にもなります。ちょっと、立派で、高額すぎるのでは? と思ってしまうのが、唯一のネガティブな点となります。

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