V8、ロータリー、VTEC等…エンジンスワップする際に注意すべき点とは?

アメリカで1992年式ポルシェ968コンバーチブルに、なんとマツダRX-8のロータリーエンジンを積んでしまった車があるそうです。エンジンスワップによって作られたこの車、いったいどのような車なのでしょうか。また、エンジンスワップというのは、日本においても可能なのでしょうか?

Chapter
ポルシェ968カブリオレにマツダのロータリンエンジンをスワップ
エンジンスワップは法的にNG?
エンジンスワップで注意しなければならない事
エンジンスワップをしたすごい車
4ローターのロータリーエンジンを搭載した初代Z
コルベットのV8エンジンを搭載したRX-7
S2000のエンジンを搭載したMR2

ポルシェ968カブリオレにマツダのロータリンエンジンをスワップ

今年、インターネットオークション「e-bay」にあるポルシェが出品されました。車種はポルシェ968カブリオレ。黒のボディでインテリア含め、見た目はいたって普通の個体です。しかし、この車にはとんでもない秘密がありました。なんと!ポルシェなのにマツダRX-8のロータリーエンジンを搭載したエンジンスワップ車だったのです。

ベースとなったポルシェ968カブリオレは、元々3.0Lの直4DOHC/240psのエンジンが積まれていました。そのエンジンをマツダRX-8のロータリーエンジン13Bに載せ換えてしまったのです。

画像の通り、ロータリーエンジンがまるで元々そうだったかのように、エンジンルームにすっぽり収まっています。パワーは、元々のエンジンの方がありますが、軽量・コンパクトなロータリーエンジンに載せ換えた後はどのような変化があるのでしょうか。実際の変化についてのレポート等はネットにも見当たらない為、どんな走行フィーリングになるのかは分かりませんが、とりあえず一度乗ってみたいですね。

エンジンスワップは法的にNG?

さて、そんなエンジンスワップですが、海外などではごく普通に行われているようです。ノーマルモデルのBMW3シリーズにハイパワーなM3のエンジンをスワップしたり、アメリカンV8の世界では4気筒のベースグレード車に7LオーバーのV8エンジンをスワップしたり。また、ポルシェやフォルクスワーゲンの空冷モデルは、スワップが容易にできるそうです。

本来エンジンスワップは、ベースモデルに上位モデルのエンジンを載せ換えるなど、性能向上の為に行われる事が多いですが、中には例外もあります。旧車に元々搭載されているエンジンが、部品供給終了に伴い修理やメンテナンスが困難になってしまった場合や環境規制に適合させるために新しいエンジンにスワップする場合などが、これにあたります。

ただしエンジンスワップは、ただエンジンを載せ換えただけでは、法的にNGの可能性があります。基本的に同一モデルや同型式のエンジンを載せかえるだけなら問題ありませんが、違う型式や排気量の異なるエンジンを載せ換えた場合には違法改造となってしまいます。

エンジンスワップで注意しなければならない事

先に記載した通り、違う型式や排気量の異なるエンジンをスワップする際には、注意が必要です。もしそのようなスワップをした場合は、法的手続きを取らないと違法改造にあたってしまいます。そうならない為には陸運支局へ構造変更を届けて、合格しなければなりません。今回ご紹介のエンジンスワップ以外にも自動車の全長、全幅、全高、最大積載量、乗車定員、車体の形状などを変更することにより、保安基準に適合しないおそれがある場合は同様に構造変更検査を受けなければなりません。

なお、エンジンスワップのような原動機変更の為の構造変更検検査に合格するためには、主に次のような内容が問われます。
・クラッチやトランスミッション、プロペラシャフト等の駆動系が強度的に耐えられるか。
エンジンマウント、エンジンメンバーなどが強度的に耐えられるか。
・スワップする車両のエンジンが排出ガス規制値を満たすか。
・エンジン等のサイズの都合でボディを加工した場合、そのボディの強度は十分か。

また、構造変更申請の為には、様々な書類の提出も必要になります。ボディーサイズの変更などの為の構造変更ならそれほど書類作成も難しくないと思いますが、全く違う車種、違う排気量のエンジンなどにスワップする場合には、上記のような強度や排ガス規制値などについて証明ができなければならない為、費用的にも手間的にもかなり大変かと思われます。

エンジンスワップをしたすごい車

以上のように、実現へのハードルは高いエンジンスワップですが、実際エンジンスワップをした車にはどんな物があるのでしょうか。過去にご紹介したものの中からいくつかピックアップします。

4ローターのロータリーエンジンを搭載した初代Z

マツダ製スポーツカーを専門とするスクートが製作した、4ローター搭載の初代日産フェアレディZ。実際に公道を走れるようにするには、多大な苦労があったとのことです。

コルベットのV8エンジンを搭載したRX-7

マツダRX-7になんとコルベットのV8エンジンを搭載してしまいました。入れようと思えば、軽量コンパクトなロータリーエンジンの代わりにこんなエンジンが入ってしまうんですね…。ただ、剛性とか色々心配です。

S2000のエンジンを搭載したMR2

こちらのMR2には、ホンダS2000のVTECエンジン「F20C」をスワップ。しかもボルトオンターボ、他のチューニングで900馬力のパワーを発生するとのことです。軽量なMR2だけに、こんなパワーではどこかに飛んで行ってしまいそうですね。

非常に面白そうではありながらも、色々とハードルが高いエンジンスワップ。うまくいけば、自分の理想の車を作り上げることもできそうですが、そのためには少々リスクが高そうですね。