馬力のある車ほど顕著?スポーツカーのクラッチが重たい理由とは?

マツダ RX-7

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俺の車って○○馬力なんだぜ!という自慢の車に乗せてもらうと、車を発進させる前にまず感じることがクラッチペダルが極端に硬くて重いということです。馬力がある車ほどクラッチペダルの操作は重くてシビア。なぜスポーツカーのクラッチはこうも扱いにくく感じるのでしょうか?
Chapter
マニュアル車の証、クラッチペダル
クラッチの果たす役割
強化クラッチとはなんだ!?
クラッチの重い理由とは

マニュアル車の証、クラッチペダル

マニュアル車の運転でオートマと最も異なる点は、クラッチペダルの操作があることです。慣れた人ならノーマルのクラッチペダルはそれほど操作に苦労はしません。筆者も知人のスカイラインGT-RやRX-7を乗らせてもらった時には思いのほか操作しやすく、乗りやすいと感じたものです。

しかし、ノーマル以上のパワーを出している車となるとそうはいきません。特にターボカーはお金をかけるほど馬力は上がっていきます。

かつては国産車には280馬力という馬力の自主規制がありましたが、それこそ先に挙げたような車種だとモノによってはノーマルの倍の馬力を発生する車両も珍しくありません。当然、ノーマルのクラッチはそんな使い方は想定していません。ここで強化部品の登場となります。

MT車のクラッチとアクセルワーク

クラッチの果たす役割

クラッチの役割は、エンジンの回転力をトランスミッションに伝えることです。エンジンからクラッチ、トランスミッションそしてシャフト類を介して最終的にタイヤを回転させます。

エンジン側についているフライホイールとミッション側についているクラッチディスクは、いつも密着しており、クラッチペダルを踏み込むことで、フライホイールとクラッチディスクが離れる構造です。

ノーマルのクラッチは、あくまでノーマルエンジンの馬力を想定して容量が決まっています。誰が乗っても操作できることや耐久性など、さまざまな観点から扱いやすいクラッチが装着されています。

一方、強化クラッチと呼ばれるパーツは、高出力エンジンに使われます。その理由は、前述のエンジンの回転力をトランスミッションに伝えるという役割にあります。その際、フライホイールにクラッチディスクを密着させる圧着力が足りないと、エンジンパワーを上手くトランスミッションに伝えることができません。そこで、強化クラッチが必要になるのです。

クラッチディスクの作動と構造

強化クラッチとはなんだ!?

強化クラッチは、素材を変更したり、フライホイールに圧着させるためのスプリングを強化したり、さらにはクラッチディスクの枚数を増やすことでハイパワーエンジンに対応します。

クラッチディスクが1枚だけの強化品なら、それほど操作は極端にはシビアにはなりません。さらにハイパワーなエンジンに対応するために、クラッチディスクの枚数を増やします。画像のように2枚のクラッチ板を備えたツインプレートクラッチや3枚(トリプルプレート)などがあります。

クラッチの重い理由とは

クラッチ板の枚数を増やす理由は、クラッチの伝達容量と切れ特性にあります。

一般的にツインプレート、トリプルプレートと呼ばれるタイプの強化クラッチのディスクは小径になります。その代わりに、コンパクトなほど切れ特性が良く、半クラの領域が減ってしまうのです。

さらに、圧着力をアップさせるためにスプリングを強くしてますから、重くて操作が難しくなってしまうのですね。
いかがでしたでたか?

圧倒的な速さを実現するためにはハイパワーであることも重要です。そのパワーを余すことなく地面に伝えるために、まずはクラッチが滑らずにエンジンの力を伝達することから始まるのです。簡単に扱えないから、こそ乗りこなせてカッコイイ!ということが、速い車たるべき条件といっても過言ではないかもしれませんね。

最近のスポーツカーは、DCTの登場や多段ATによりイージードライブできる点も魅力ですが、時にはアナログに、これでもか!という重さのクラッチペダルを踏み込んでみるのも、悪くはないかもしれませんね。
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