日産 アリア「B6」とトヨタ bZ4X/スバル ソルテラを比較!注目のBEVについて紹介【プロ徹底解説】

アリア

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日産のクロスオーバーEVであるアリア。そして今年になってトヨタとスバルから、2社の共同開発となる2台の新型EVが登場しました。

それがトヨタのbZ4Xとスバルのソルテラという兄弟車です。

今回はアリアとbZ4X/ソルテラの兄弟車を比較してみます。

文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK ・鈴木ケンイチ

※ 2022年9月現在、bZ4Xとソルテラはリコールで受注停止中
※ アリアは受注停止中

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
EVのフラッグシップと最初のEVという違い
バリエーション豊富なアリアと基本モデルでおすbZ4X/ソルテラ
走行フィーリングの違い

EVのフラッグシップと最初のEVという違い

日産のアリア、トヨタのbZ4X、スバルのソルテラは、どれもミッドサイズSUVのEVとなります。同じジャンルのライバルとなりますが、その生まれた背景には違いがあります。
アリアは、日産全体を挙げて電動化(EVを含む)を進める中、日産の目指す「ニッサン インテリジェント モビリティ」の象徴的として登場しました。簡単に言えば、日産の電動車のフラッグシップです。

実際に日本で販売される日産のEVとハイブリッドの中で、車格と値段が最も大きく高いモデルが、アリアとなります。

日産はすでに10年以上も前からEVを販売しているので、ただのEVではなく、フラッグシップのEVをリリースしたという格好です。
一方、トヨタにとって電動化は、これまでハイブリッドが主力でした。しかし、2021年12月に「バッテリーEV戦略に関する説明会」を行い、大々的なEV導入を表明しました。その最初のモデルとなるのが、スバルと共同開発されたbZ4Xとソルテラの兄弟車となります。

プリウスなどのハイブリッドで培ったモーターとバッテリーの高い技術を備えたトヨタと、SUVを得意とするスバルが、それぞれの得意な技術を持ち寄って生まれたのがbZ4Xとソルテラとなります。

バリエーション豊富なアリアと基本モデルでおすbZ4X/ソルテラ

アリアは、2種のバッテリー容量と2WD(FF)と4WDという駆動方式を組み合わせたグレード編成となります。モーター出力や航続距離はグレードごとに異なります。

そのため、ベーシックなモデル、航続距離の長いモデル、パワーのあるモデル、バランスの良い最上級グレードというようにグレードごとの特徴がはっきりしており、ニーズにあわせたグレード選びができるようになっています。

一方、bZ4Xは1グレードで2WD(FF)と4WDが選べるだけ。ソルテラも基本の2WDと4WD、上位の4WDの3グレードというシンプルなグレード編成となります。

それでは、以下に3モデルの基本スペックを並べてみました。

bZ4X (2WD)【600万円】
最高出力150kW・最大トルク266Nm 71.4kWh・航続距離559km(WLTCモード)

bZ4X (4WD)【650万円】
最高出力160kW・最大トルク338Nm 71.4kWh・航続距離540km(WLTCモード)

ソルテラ(2WD)【594万円】
最高出力150kW・最大トルク266Nm 71.4kWh・航続距離567km(WLTCモード)

ソルテラ(4WD)【638/682万円】
最高出力160kW・最大トルク338Nm 71.4kWh・航続距離487/542km(WLTCモード)

アリアB6(2WD)【539万円】
最高出力160kW・最大トルク300Nm 66kWh・航続距離470km(WLTCモード)

アリアB6 e-4ORECE limited(4WD)【720万600円】
最高出力250kW・最大トルク600Nm 66kWh・航続距離460km(WLTCモード)

アリアB9 limited(2WD)【740万800円】
最高出力178kW・最大トルク300Nm 91kWh・航続距離640km(WLTCモード)

アリアB9 e-4ORECE limited(4WD)【790万200円】
最高出力160kW・最大トルク600Nm 91kWh・航続距離560km(WLTCモード)
2WDモデルを比べてみると、アリアが539万円と740万円なのに対して、bZ4Xが600万円、ソルテラが594万円となります。エントリーという意味ではアリアが最も安価と言えるでしょう。

パワーは3モデルとも同じようなものとなりますが、航続距離の長さはアリアのバッテリーの少ないモデルが最小で、次にbZ4Xとソルテラ、そして最後にバッテリーの大きなアリアという順番になります。

一方、4WDモデルでは、アリアのトルクの大きさが際立ちます。また、価格面でもアリアの4WDモデルは、bZ4Xとソルテラよりも高額となっています。

走行フィーリングの違い

筆者はアリアの2WDモデルであるB6と、bZ4Xの2WD、そしてソルテラの4WDを試乗したことがあります。

3モデルとも、EVらしい優れた静粛性と、どっしりとした安定感を感じることができました。それでも、アリアの滑らかな加速フィーリングには特別感がありました。
ただし、フラットな乗り心地の良さはbZ4Xとソルテラが上という印象です。また、滑りやすい雪道の中でもソルテラの4WDは、とても運転がしやすく、「さすがスバル車」と感心しました。
オンロードのスポーティさでは、アリアが一番。快適さではbZ4X。悪路ではソルテラが最も信頼できるというのが、3モデルを試乗した感想となります。
ミッドサイズのSUVであるアリアとbZ4X、そしてソルテラ。同じようなサイズのEVでありながら、価格や性能などの中身は意外と違うものでした。

走り味も異なりますので、好みによって選ぶとよいのではないでしょうか。
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