なぜ駐車場は「月極」という言葉を使うの?

駐車場

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なぜ、駐車場は「月極(つきぎめ)」という言葉を使うのでしょう。正しい読み方を知らず「げっきょく」と読んでしまい、恥ずかしい思いをしたことがある人もいるかもしれません。なぜ、1月単位で契約する駐車場を月決めではなく、月極と表現するのでしょうか。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
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言葉と漢字の意味に理由がある

言葉と漢字の意味に理由がある

月極が「げっきょく」ではなく「つきぎめ」と読まれるのは、「極」という漢字の意味に理由があります。

極という漢字は、訓読みでは「きわ」と読み、音読みでは「きょく」もしくは「ごく」となります。

文化庁による常用漢字表にも、「極」を「きめ」と読む用法は記載されていません。

しかし、古くは極が「きめ」と読まれていた時代もあり、そのように用いられていた例は江戸時代の文書にも見られるようです。

そして、「極(きめ)」は、「契約する」や「物事を決定する」という意味として使われていました。

夏目漱石が新聞の紙面で連載していた『それから』という作品にも、「仕様がない。覚悟を極めませう」というセリフがあり、明らかに「物事を決定する」という意味で「極める」が文中で用いられているのです。
以上のことから、1ヵ月単位で契約する(月で極る)駐車場であることを表現するために、月極駐車場という言葉が誕生したとされています。

このような用法で用いられる漢字は、本来漢字が中国語として持っている意味として使われない国訓と呼ばれるものです。

契約することを表現した「極」という漢字以外にも、本来はキノコを意味する「芝」、魚のふぐを意味する「鮭」といった国訓が存在しています。

月極という言葉が生まれた背景にあるのは、日本独自の文化であるということが分かるのではないでしょうか。
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