救急車は交通規則をどこまで破れるのか?

救急車

※この記事には広告が含まれます

救急車は、消防署に配備されているけが人や病気の人を救助し、病院に運ぶための車です。

法律によって緊急車両に分類されている救急車ですが、交通規則をどこまで破ることができるのでしょうか。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
Chapter
法律によってさまざまな特例が定められている

法律によってさまざまな特例が定められている

そもそも救急車は、道路交通法施行令の第13条によって公共の緊急自動車と規定されています。

緊急自動車には警察が用いるパトカーや消防車、高速道路のパトロール車両といった車が該当し、人命の救助や火災・事故現場への対応および処理といった業務を行います。

これらは、道路交通法の第39条によって定義づけられたものであり、民間の緊急車両としてガス・電力・水道会社、JAFのレッカー車なども緊急車両に分類されます。

そして、緊急車両には法律によってさまざまな特例が規定されています。

まず、車道の右側通行が認められます。日本国内において、一般車両は左側通行が義務付けられていますが、緊急車両はやむを得ない場合に道路の右側に出て走行することが可能です。

さらに、一般車両は停止が求められる赤信号や一旦停止の標識がある場合でも、停止義務が免除されます。

これらは、徐行義務や安全運転義務が守られる前提ですが、対面の信号が赤であるにも関わらず直進して、交差点に侵入する緊急車両を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
また、緊急車両は最高速度の制限も引き上げられます。

道路交通法施行令の第10条および第27条によって、標識や標示のない場合の制限速度は一般道で時速60キロ、高速道路は時速100キロと定められています。

一方、緊急車両は高速道路では100キロと一般車両と同様ながら、一般道では制限速度が時速80キロとなります。

以上のほか、横断歩道への接近時の減速義務やシートベルトの着用義務、歩行者が近くにいるときの間隔保持および徐行義務などが免除されます。

以上のことは、全て車体上部に設置されている赤色灯を作動させ、サイレンを鳴らして走る緊急走行中でのみ認められているものです。緊急車両は人の命や生活を守るため、さまざまな特例が用意されていることが分かるのではないでしょうか。
【お得情報あり】CarMe & CARPRIMEのLINEに登録する

商品詳細