多段化する「オートマチックトランスミッション」にはメリットがあるのか?

レクサス LC500

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ひと昔前は4速や5速が主流となっていたオートマチックトランスミッション(AT)ですが、近年では8速や9速というものも増えています。

ほぼ倍にまで多段化しているトランスミッションですが、多段化することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
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いまでは10速ATも登場!

いまでは10速ATも登場!

ATが登場したのは、1930年代後半のアメリカと言われています。日本では、1955年に発売された初代クラウンに搭載された「トヨグライド」と呼ばれるものがATの起源とされています。

当時は2速からはじまったATですが、その後多段化が進みます。1981年にはトヨタがクラウンに電子制御式の4速ATを搭載し、1989年には日産がセドリックとグロリアに5速ATを採用します。
2000年代に入ると、BMWが6速ATを、その直後にメルセデス・ベンツが7速ATを搭載したモデルを発表します。

8速ATは2006年にレクサスが、9速ATは2014年にランドローバーが世界で初めて採用し、2017年にはレクサスがLC500に10速ATを搭載します。

2022年現在、11速以上のATを搭載した市販車は発売されていませんが、時代を追うごとに多段化していることがわかります。
ATを多段化することのメリットは多くあります。

ギアが多ければ多いほどエンジンの回転数の中でも高効率な回転域を使うことができ、それにより静粛性やなめらかな加速が得られます。

さらに、エンジンの回転数の中でも燃費の良い回転域を常用することで、燃費性能の向上にも貢献します。


その反面、多段化すると構造が複雑になってしまいコストもかかります。そのため、多段化ATは高級車に適していると言えます。

一方、近年では多段化のトレンドは落ち着いています。その背景には、ATを必要としない電気自動車(EV)などへ世の中がシフトしているという事情があるようです。
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