車の情報が丸ハダカに?!諸元表の見かた

更新日：2022.04.27

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主要諸元表とは、車のスペックをまとめて記載した性能表です。

英語では“spec ifications”や“technical data”とも呼ばれ、各自動車メーカーの車種ごとのページで閲覧できたり、モデルカタログの巻末などで見ることができます。細かな数値が載っている諸元表ですが、どのように見れば良いのでしょうか。

吉田恒道｜よしだつねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」（扶桑社）など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」（学習研究社）がある。

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Chapter: 主要諸元表では、車の細かい数値まで見ることができる

主要諸元表では、車の細かい数値まで見ることができる

主要諸元表の存在はもともと、車を販売するのに国土交通省の認可が必要なことに起因しています。

道路運送車両法の第75条第1項にて、「国土交通大臣は、自動車の安全性の増進及び自動車による公害の防止その他の環境の保全を図るため、申請により、自動車をその型式について指定する」としているのです。

そのため、認可を受けるためには国土交通省に届出を行い審査が必要となりますが、その際に提出する書類に、その車の仕様を記載した詳細な諸元表が含まれています。

この諸元表はメーカーなどが公開している主要諸元表と異なり、非常に専門的な仕様までを網羅しています。

しかし、余りに専門的な仕様は、車の購入を検討しているような消費者には必要ないものとなります。

そこで、特に主だった仕様を諸元表より抜き出してまとめたものが、主要諸元表となるのです。

主要諸元表に記載されている数値で、消費者の関心が最も高いとされるのが燃費消費率でしょう。

これは、いわゆる燃費と呼ばれるもので、メーカーによって異なりますが文字の色が変えられていたり、目立つように欄に色が付けられていたりするのが一般的です。

燃費とは、ガソリン1Lで車が何km走ることができるのかを数値で表したものであり、計測方法によってWLTCモード、もしくはJC08モードに分類することができます。

次に主要諸元表に記載されている代表的な数値が、外形寸法および車両重量です。これは、車のボディサイズを測ったもので、全長・全幅・全高に加え、最低地上高があります。

全長は、フロントバンパーからリアバンパーまでの長さを測った数値、全幅はドアミラーを含まないボディ自体の幅、全高は地面からルーフの最も高い部分まで高さ、最低地上高は地面がフラットであるとき、地上から車体の最も低い部分までの高さを示すものです。

一方、ボディサイズではなく、居住性に直結する車内の広さを計測した数値も記載されています。これは、室内寸法と呼ばれるもので、室内長・室内幅・室内高として表されます。

室内長は、車両の中央部で、インパネの最も突出した部分から後席部にあるシートバック後端までの長さ、室内幅は車内中央部でシート上面以上の高さにおける水平方向の室内両側壁間の長さ、室内高は車の中心部付近でフラットな床面から天井までの長さを示した数値です。

また、車両性能に関わるスペックも記載されています。

まず、ホイールベースとは左右フロントタイヤの中心軸と、左右リアタイヤの中心軸の距離でとなります。

そして、トレッドとは左右のタイヤが接地する面の中心距離を測った数値です。トレッドが広いほど乗り心地と直進安定性が向上しますが、小回りが利きません。

さらに、最小回転半径はハンドルを最大に切ったとき、カーブの外側になるフロントタイヤの接地面中心が描く半径で、この数値が小さければ小さいほど小回りが利く車となります。

主要諸元にはエンジンの主要諸元と性能についても記載されており、搭載しているエンジンの種類や仕様、エンジン性能(最高出力や最大トルクなど)も含みます。

ここに、適合する燃料の種類や燃料タンクの容量も記載されているため、ランニングコストが気になる人は、現在のガソリン価格とタンク容量で計算することで、満タンするために掛かる費用を割り出すことも可能です。

主要諸元表には、上記のような数値や性能の他、前輪駆動/後輪駆動を示す駆動方式やサスペンションやブレーキの構造も記載されています。

主要諸元表に載っている事項が理解できれば、車を購入するときに比較検討しやすくなります。これまで気にしなかった人も、しっかり読んでみることで違う発見があるかもしれません。