「障がい者用駐車枠」に一般車が駐車すると違反?

車椅子使用者用駐車施設

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公共の施設や商業施設の駐車場に設置されている「障がい者用駐車枠」を見たことがある方も多いでしょう。

この駐車スペースは本来、身体が不自由な人や高齢者といった人たちのために設置されています。障がい者用駐車枠に健常者のみが乗っている車を駐車すると、違反になってしまうのでしょうか。

吉田 恒道|よしだ つねみち

1980年代、大学卒業後ファッション・モード専門誌「WWD Japan」編集部勤務を皮切りに編集者としてのキャリアを積む。その後、90年〜2000年代、中堅出版社ダイヤモンド社の自動車専門誌・副編集長に就く。以降、男性ライフスタイル誌「Straight’」(扶桑社)など複数の男性誌編集長を歴任し独立、フリーランスのエディターに、現職。著書に「シングルモルトの愉しみ方」(学習研究社)がある。

吉田 恒道
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法律上の規定はないが、ドライバーの駐車マナーとしてはNG

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障がい者用駐車枠という駐車スペースですが、本来は車椅子使用者用駐車施設と呼ばれるものです。

この駐車施設は、高齢者、障害者、妊婦、けが人などの移動や施設利用の利便性や安全性の向上を促進するため、公共交通機関、建築物、公共施設等のバリアフリー化を推進するために設置されています。

車椅子使用者用駐車施設は、政令第379号が定める移動等円滑化基準によって一部の施設に設置が義務付けられているものですが、現在のところ、健常者のみが搭乗している車が駐車しても、日本にはそれを違反として取り締まる法律は存在していません。
世界に目を向けてみると、イギリスでは重度の歩行困難のある者に対し、駐車カード(ブルーバッジ)を交付し、駐車料金の免除や駐車時間の延長などの特権を付与する制度が導入されています。

カードを表示していない車が障害者用駐車スペースに駐車すると、レッカー移動や車止めといった措置が取られます。さらに、カードの不正利用は最高で1,000ポンドの罰金が課せられます。

さらに、アメリカでは州によって異なるものの、障害者用のカードを交付しています。カードを表示していない車が障害者用駐車スペースに駐車すると、イギリス同様に罰金が課されるのです。

総務省の資料によれば、車椅子使用者用駐車施設で困った経験の内容として実に95%の人が、一般車の駐車で困ったと回答しています。

車椅子使用者用駐車施設は、本当に必要としている人のための施設です。施設の入口に近い、空いているスペースを探すのが面倒といった身勝手な理由で、利用するのはやめた方が良いと言えるでしょう。
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