高速道路50km/h未満で走ると違反!? 法定最低速度の定義とルールを徹底解説

高速道路

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高速道路を走るとき「最低速度50km/h」の標識を意識したことはありますか? 

本記事では、道路交通法が定める最低速度の意味と罰則、車種・状況別の例外、学科試験で頻出のポイント、さらに自動運転や最高速度120km/h化など最新動向まで、ドライバーが知っておくべき情報を網羅的に解説します。

最低速度を正しく理解し、安全かつスムーズなドライブを実現しましょう。
Chapter
高速道路の最低速度の法的根拠と目的【道路交通法】
最低速度違反の罰則・反則金・違反点数を徹底解説
車種別・状況別の最低速度例外と走行可否まとめ
原付&125cc以下は高速道路通行NG
小型特殊自動車は高速道路進入禁止
普通車・中型車は50km/h以上で走行
大型トラック・トレーラーは80km/h以下&50km/h以上
故障車のロープ牽引は緊急ICまで限定
悪天候・渋滞時は50km/h未満でも違反にならない
学科試験に必須!最低速度の覚え方・標識ポイント
試験頻出:最低速度50km/hの暗記ポイント
反則金6,000円&違反点数1点のインパクト
『やむを得ない場合』とは?適用除外の判断基準
一般道路との違い:最低速度標識の有無
高速道路を走れる車両要件チェックリスト
最新法改正&自動運転時代の最低速度トレンド

高速道路の最低速度の法的根拠と目的【道路交通法】

高速道路(正式には「高速自動車国道」)では法定最低速度が定められています。

道路交通法第75条の4において「高速道路の本線車道では、道路標識により最低速度が指定されている区間はその速度に、指定のない区間は政令で定める最低速度未満で走行してはならない」と規定されています。

この「政令で定める最低速度」とは道路交通法施行令第27条の3により時速50kmと定められており、高速道路の本線では原則50km/h未満で走ってはいけないことになります。

つまり、高速道路では最高速度だけでなく最低速度50km/hも法律で決められているのです

なお、この規制には例外があり、他の法令で速度を落とす場合や、危険防止のためやむを得ない場合(例:事故回避の急減速や濃霧・豪雨など安全のため低速走行が必要な状況)は50km/hを下回っても違反とはなりません。

最低速度の目的は、極端に遅い車両が交通の円滑を妨げて追突などの危険を招かないようにすることにあります。言い換えれば、「安全のため適切な範囲内で速く走りすぎず、かつ遅すぎず」というバランスをとるためのルールなのです。

最低速度違反の罰則・反則金・違反点数を徹底解説

高速道路で50km/h未満のノロノロ運転を続けると、最低速度違反として取り締まりの対象になります。違反があった場合の罰則は、他の交通違反と同様に反則金と違反点数のペナルティがあります。

普通乗用車の場合、最低速度違反の反則金は6,000円違反点数は1点です。

車種によって反則金額は異なり、大型車は7,000円二輪車(オートバイ)は6,000円となっています。点数は車種を問わず1点が加算されます。

このように最低速度違反自体の反則金・点数は速度超過違反と比べれば小さいものの、「流れに乗らない極端な低速走行」は後続車のあおり運転を誘発したり予期せぬ追突事故につながるリスクがあるため注意が必要です。

実際、最高速度違反と同様に最低速度違反も道路交通法で禁じられており、どちらも安全運転義務違反の一種として扱われます。高速道路では最高速度オーバーも最低速度未満もどちらもNGであることをしっかり覚えておきましょう。

車種別・状況別の最低速度例外と走行可否まとめ

原付&125cc以下は高速道路通行NG

排気量125cc以下の二輪車(いわゆる原付および小型自動二輪車)は、最低速度以前に高速道路そのものが通行禁止です。

法律上、高速道路・自動車専用道路には歩行者や自転車はもちろん、原動機付自転車(50cc以下)や125cc以下の二輪車等は入ってはいけないと定められています。

小型特殊自動車は高速道路進入禁止

農耕用トラクターなどの小型特殊も原付同様に高速道路は通行禁止です。これらは法定最高速度が時速15km程度に制限されている車両で、構造上高速走行ができないためです。

普通車・中型車は50km/h以上で走行

一般的な乗用車や中型トラック・バスは高速道路を走行できます。

これらは法定最高速度が100km/h(一部区間は120km/h)に設定されています。最低速度は共通で50km/hが適用され、特別な理由がないのに50km/h未満で走行し続けると違反となります。

大型トラック・トレーラーは80km/h以下&50km/h以上

大型貨物車やトレーラーなども高速道路を走行可能ですが、最高速度は他車より低く80km/hに制限されています。

一方で最低速度はやはり50km/hで、これを下回る走行は違反となります。長い上り坂で大型トラックが減速してしまう場合には、後続との速度差を生まないよう登坂車線の活用が推奨されます。

なお登坂車線は高速道路の本線車道ではないため、法定最低速度の適用はありません。ただし、最高速度は本線車道と同じ(大型貨物車なら80km/h)ですので、速度の出し過ぎには注意が必要です。

故障車のロープ牽引は緊急ICまで限定

走行中に車が故障し自走不能になった際、他の車にロープで引っ張ってもらって高速道路を移動することは原則禁止です。

ロープ牽引だと安全に出せる速度はせいぜい20〜30km/h程度で、最低速度50km/hを大幅に下回るからです。

ただし緊急避難的な例外として、やむを得ずロープ牽引する場合は次のインターチェンジまで走行することが可能です。東日本高速道路(NEXCO東日本)も公式サイトで「本来通行できないが、道路交通法第75条の4『危険防止のためやむを得ない場合』にあたるため次のICまで通行できる」という旨を案内しています。

悪天候・渋滞時は50km/h未満でも違反にならない

大雨・大雪・濃霧といった悪天候時や、事故・工事による渋滞発生時など、ドライバーの意思に関わらず低速走行を強いられる状況では最低速度を下回っていても違反には問われません。

道路交通法の規定どおり「危険を防止するためやむを得ない場合」に該当するためです。

学科試験に必須!最低速度の覚え方・標識ポイント

試験頻出:最低速度50km/hの暗記ポイント

高速道路の法定最低速度は50km/hです。標識等で別途「最低◯◯km」の指定がなければ、必ず時速50キロ以上で走行しなければなりません。

反則金6,000円&違反点数1点のインパクト

最低速度違反の罰則は普通車で反則金6,000円・違反点数1点です(大型車7,000円、二輪車6,000円等)。「速度超過違反(スピード違反)」だけでなく「速度不足」も処罰の対象になる点に注意しましょう。

『やむを得ない場合』とは?適用除外の判断基準

渋滞中や危険回避のための一時的な低速走行は違反にならないことも理解しておきましょう。法律上「やむを得ない場合」は最低速度規制の適用除外となるため、例えば事故現場の徐行や大雨・大雪で50km/hが出せない状況は違反には問われません。

ただし、そのような場合でもハザードランプを点けるなどして後続車に注意喚起することが求められます。

一般道路との違い:最低速度標識の有無

一般道路には法定最低速度の規定は存在しません。最低速度が規制されるのは高速道路の本線車道だけで、一般道では標識によって個別に指定された場合のみ「最低○○km」の規制がありえます(実際には一般道で最低速度標識が設置される例は多くありません)。

なお一般道で標識の最低速度に違反した場合、法律上罰則規定(反則金)が設けられていない点も高速道路との違いです。

高速道路を走れる車両要件チェックリスト

高速道路を走行できる車両の条件も重要です。

125cc以下の二輪車(原付一種・二種)やミニカー、小型特殊自動車などは高速道路を走れません。学科試験では「原付バイクは自動車専用道路を通行できない」「小型二輪(125cc以下)は高速道路通行不可」といった内容が出題されることがあります。

高速道路に入る入口には必ず「自動車専用」の青い標識が立っており、これはこの先は自動車(一定以上の車両)しか走れない道路ですよという意味です。標識の意味を正しく覚え、安全運転に活かしましょう。

最新法改正&自動運転時代の最低速度トレンド

最後に、高速道路の速度規制に関する最近の動きやトピックについて触れておきます。

高速道路の一部区間では、最高速度が100km/hから120km/hへと正式に引き上げられています。
新東名高速道路東北自動車道などの一部区間が対象で、2020年12月から本格運用が開始されました。

このように最高速度の見直しはありましたが、最低速度50km/hについては現在のところ変更は行われていません。最高速度が上がった区間でも最低速度は原則50km/hのままで、走行車両間の速度差が広がるため、引き続き注意が必要です。

また、近年話題となっている自動運転(レベル3以上)に関する動向も見逃せません。日本では2020年11月にホンダの「レジェンド」が世界で初めてレベル3自動運転システムの型式指定を受け(車両発売は2021年3月)、高速道路の渋滞時(約50km/h以下)に限りシステムが主体となって運転できるようになりました。

自動運転車は法定速度や標識を厳密に守るようプログラムされていますが、現実の交通では周囲の車両が制限速度以上で流れているケースもあり、その場合に生じる速度差が新たな安全課題となります。「制限速度を厳守する自動運転車がかえって交通全体の安全性を損なう可能性がある」という指摘もあり、警察庁の委員会では高速道路合流時の加速ややむを得ない速度超過の容認について議論が始まっています。

このように道路交通を取り巻く環境や技術は日々進化していますが、どんな時代になっても安全運転の基本はドライバー一人ひとりがルールを正しく理解し守ることに変わりありません。高速道路の最低速度という一見地味なルールも、安全でスムーズな交通のために重要な意味を持っています。

改めてルールを再確認し、余裕をもった安全運転で快適なドライブを楽しみましょう。
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