【プロ解説】ミニクロスオーバーを徹底評価|良い点や欠点などを試乗レビュー!

ミニクロスオーバージョンクーパーワークス

ミニ初の4枚ドアモデルとして登場した初代ミニクロスオーバー。

2017年に登場した2代目モデルはボディサイズをさらに拡大し、もはやミニとは言えないサイズとなりました。

ミニ特有のゴーカートライクな走りは現行型のミニクロスオーバーでも健在なのか、試乗してチェックしました。

文/写真・萩原 文博

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ミニクロスオーバーの良い点
ミニクロスオーバーの欠点

ミニクロスオーバーの良い点

今回試乗したのは、2019年10月に登場したホットモデルのミニクロスオーバージョン・クーパー・ワークス。

車両本体価格609万円だ。

レベルグリーンソリッドと呼ばれるボディカラーをはじめ、19インチアルミホイール・アダプティブサスペンション・ハーマンカードン製Hi-Fiラウドスピーカーシステムなど約83万円のオプション装備を搭載し、諸費用を含めた乗り出し価格は750万円に届きそうなプレミアムコンパクトSUVです。

搭載されている2L直列4気筒ガソリンターボエンジンは、強化クランクシャフトや専用ピストンそしてターボチャージャーなど新設計のエンジン。

1.6Lターボだった繊細から比べると最高出力が75psアップした306ps、最大トルクは100Nm向上し450Nmとなっています。

エンジンの高出力化に合わせて、フロントバンパー内の2つのラジエターや大型化したリザーバータンクを備えることで冷却効率を高めています。

その結果、最高速度は250km/hで、0-100km/h加速は5.1秒というSUVとは思えないハイパフォーマンスモデルとなっています。

組み合わされるトランスミッションは、エンジンの出力向上に伴い、新しい電子制御式8速ATを採用。

さらに、フロントアクセルに機械式のディフェレンシャルロックを採用。

トランスミッションは、最新のロックアップ機構を採用することで、直接的にエンジンから発生するトルクを伝達することが可能で、過酷なサーキットなどの環境下でもミニらしいゴーカートフィーイリングを実現しています。

また、機械式のディフェレンシャルロックとDSC(横滑り防止装置)の組み合わせにより、雨天時などのコーナリング時でも駆動力を最適化し、路面に伝達できるようになっています。

駆動方式は、ALL4と呼ばれる4WDシステムを採用しています。

エンジンの出力が向上したこことで、ブレーキ容量も向上。

フロントブレーキに360mmのディスクを採用するなどサーキット走行にも耐えられるポテンシャルを備えています。

安全装備はドライビングアシストをはじめ、フロント&リアPDC・アクティブクルーズコントロール(ストップ&ゴー機能付)・リアビューカメラなどが標準装備となっています。

高級な素材であるナッパレザーを使用したステアリングや、ダイナミカとクロスを使用したスポーツシートに座ると、クロスオーバージョン・クーパー・ワークスがほかのモデルとは全く違うことがヒシヒシと伝わってきます。

インテリアはスポーティな空間に仕上げられていて、アドレナリンが出てくるのがわかります。

現行型ミニクロスオーバージョン・クーパー・ワークスのボディサイズは全長4,315mm×全幅1,820mm×全高1,595mmとさらに大型化。

広い室内空間という利便性を得た反面、運動性能はミニ本来のゴーカートライクな走りが健在なのかというのが試乗のポイントです。

最高出力306psを発生する2L直列4気筒ガソリンターボエンジンはパワフルに加速します。

ハッチバックモデルに比べて、ドライバーのアイポジションは高くなっているので、地を這うようにとは感じませんが、パワフルなエンジンパワーをタイヤを通じて、伝えようとしているのはよく伝わってきます。

広い室内空間を確保しながらも、低重心を実現しているためミニクロスオーバーはSUVにありがちな重心の高さが起因となるボディの揺れがほとんど起きません

地を這うようにではありませんが、路面に吸い付いて走るゴーカート感覚は健在です。

エンジン出力の向上に合わせて、ブレーキシステムも強化されているため、ワインディング走行を行ってもダイレクトなブレーキの利きはまったく変わりません。

コンパクトSUVながら、サーキット走行を楽しめるように考えられたミニクロスオーバージョン・クーパー・ワークスはふつうのコンパクトSUVの走りとは一線を画したレベルとなっています。

これほど楽しい走りをするコンパクトSUVはほかに見当たりません。

ミニクロスオーバーの欠点

コンパクトSUVながら、本格的なスポーツ走行を楽しめるミニクロスオーバージョンクーパーワークス。

改善点と言えるのは、運転支援システムです。

同じクラスのSUVと比べても、搭載されている機能が物足りません。

様々なオプションを装着すると、700万円オーバーという高価格帯のクルマとしては、運転支援システムは同じグループのBMW X2と同じくらいの内容にしてもらいたいです。

ミニハッチバックのような地を這うような走りではないですが、路面にタイヤを刻み込むような走る感覚は味わうことができます。

この新しいゴーカート感覚の走りは、他のモデルでは味わうことができないミニファミリーならではの味付けです。

最上級モデルのジョン・クーパー・ワークスは最高出力306psを発生するハイパワーなユニットを搭載。

サーキット走行も視野に入れており、走る・曲がる・止まるというクルマの基本性能に磨きが掛けられています。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博