パトカー仕様カスタムの合法性は?パトランプ・サイレン・ロゴ使用のルール
更新日:2025.08.12

※この記事には広告が含まれます
近年、緊急車両であるパトカーは子どもから大人まで人気があります。これを真似して、愛車をパトカー風にカスタムしたいという人も増えています。しかし、車両の改造には法律の制約があり、公道走行には注意が必要です。本記事では、パトカー風カスタムの内容と、合法・違法となる範囲を詳しく解説します。
パトカーの主な3種類
パトカーは任務や配備場所に応じていくつかのカテゴリに分けられます。代表的な3種類を押さえておくと、カスタムを検討する際の参考にもなるでしょう。
1. 無線警ら車(白黒パトカー)
最も一般的なパトカーで、白と黒のツートンカラーに赤色灯を載せた姿が特徴です。主に市街地の巡回や110番通報への初動対応を担当し、無線で指令を受けて現場へ急行します。車種はトヨタ・クラウンやスバル・レガシィなどのセダンが中心で、トランクに交通規制用のコーンやバリケード、救急救命キットなどを搭載しています。
2. 小型警ら車(ミニパト)
軽自動車ベースの小型パトカーで、狭い路地や住宅街の巡回、駐車違反取り締まりなどに活躍します。スズキ・アルトやダイハツ・ミラなど取り回しの良いモデルが採用されることが多く、交番や駐在所に配備されているケースが一般的です。小回り性能に優れ、都市部の細い生活道路でも機動的に動ける点がメリットとなっています。
3. 交通取締用四輪車(高速・覆面パトカー含む)
速度超過や危険運転を取り締まる高性能パトカーで、交通機動隊や高速道路交通警察隊に所属する警察官が乗務します。トヨタ・クラウンや日産・スカイラインのハイパワーグレード、スバル・WRX、日産・フェアレディZなどが採用例です。外観を一般車両に近づけた覆面パトカーもこのカテゴリーに含まれ、赤色灯を引き出して点灯させると一気に緊急車両へと早変わりします。
パトカー風カスタムとは?
パトカー風カスタムとは、一般車両をパトカーの外観に似せて改造することを指します。具体的には、白黒のツートンカラーに塗装またはラッピングする、車体に「◯◯県警」や「POLICE」などの文字・シンボルを入れる、ルーフに赤色灯(パトランプ)を装着する、サイレンや警報スピーカーを設置する、といった改造です。
例えば、軽自動車をパトカー風に仕立てた「ミニパト」スタイルのカスタムも見られます。こうした改造を施すことで、子どもに人気のパトカーの外観を楽しむことができますが、次項で述べるように法律上のルールには細心の注意が必要です。
例えば、軽自動車をパトカー風に仕立てた「ミニパト」スタイルのカスタムも見られます。こうした改造を施すことで、子どもに人気のパトカーの外観を楽しむことができますが、次項で述べるように法律上のルールには細心の注意が必要です。
パトカー風カスタムが違法になるケース
- 文字・ロゴの表示
- ボディカラー(白黒ツートン)
- 赤色灯(パトランプ)
- サイレン・警報装置
- 車体寸法の変更
以上のように、白黒塗装以外の改造(文字・ロゴ、赤色灯、サイレンなど)は法律で厳しく制限されています。
参考:道路運送車両の保安基準(2021年4月28日現在)
安全・防犯面のメリットと誤解リスク
パトカー風カスタムには「目立つ外観」を活かした防犯効果が期待できる半面、誤解を招くリスクも存在します。両面を理解したうえで活用しましょう。
メリット ― 抑止力としての効果
- 犯罪・迷惑行為の抑止
- 交通マナー向上
リスク ― 誤認・悪用・トラブルの可能性
- 公道での誤認・混乱
- 威圧・脅迫と受け取られるおそれ
- 子どもへの誤教育
- 法令違反と見なされる境界が曖昧
パトカー風カスタムは地域の安全や交通マナー向上に寄与し得る一方、使用環境や運転者の振る舞い次第で周囲に混乱や威圧を与える“諸刃の剣”です。私有地・イベントなど限定された場所で抑止力として活用し、公道では法令を厳守して「誤認させない配慮」を徹底することが、安全かつトラブルを防ぐ最善策と言えるでしょう。
合法的に楽しむポイント
- 私有地で楽しむ
- デザインの工夫
- ライト・サイレンの扱い
- グッズ利用
- 警察署への相談
取り締まり事例と警察の見解
実際にパトカー風カスタムが原因で摘発された事例があります。
2024年5月、福岡県で覆面パトカーもどきに改造した乗用車が赤信号を無視しタクシーと衝突、運転者2名が危険運転致傷容疑で逮捕されました。助手席の男性が車窓から赤色灯を手で設置し、「交差点に進入します」などと車内マイクで呼びかけていた悪質なケースです。
過去には2020年に札幌で赤色灯を付けた偽白黒パトカーを公道で走らせ、2人が書類送検された例も報告されています。
警察当局はこうした行為を厳しく禁止しています。
東京都の道路交通規則では「緊急自動車以外は緊急車両と紛らわしい灯火・サイレンを使用してはならない」と明記されており、違反時には罰則の対象となります。警察庁も「赤色灯の点灯やサイレンの吹鳴を許可なく模倣する行為は違法」と強く警告しています。
違反した場合、道路運送車両法や道路交通法など様々な法令違反となり、逮捕・処分される可能性があります。
2024年5月、福岡県で覆面パトカーもどきに改造した乗用車が赤信号を無視しタクシーと衝突、運転者2名が危険運転致傷容疑で逮捕されました。助手席の男性が車窓から赤色灯を手で設置し、「交差点に進入します」などと車内マイクで呼びかけていた悪質なケースです。
過去には2020年に札幌で赤色灯を付けた偽白黒パトカーを公道で走らせ、2人が書類送検された例も報告されています。
警察当局はこうした行為を厳しく禁止しています。
東京都の道路交通規則では「緊急自動車以外は緊急車両と紛らわしい灯火・サイレンを使用してはならない」と明記されており、違反時には罰則の対象となります。警察庁も「赤色灯の点灯やサイレンの吹鳴を許可なく模倣する行為は違法」と強く警告しています。
違反した場合、道路運送車両法や道路交通法など様々な法令違反となり、逮捕・処分される可能性があります。
まとめ
パトカー風カスタムはアイデア次第で楽しめますが、赤色灯やサイレン、警察組織を示す文字・マークの使用は法律で厳しく禁止されています。白黒カラーリングだけに留め、赤色灯は使用せず、警察を想起させるロゴを貼らなければ合法範囲内です。どうしてもリアル感を追求する場合でも、公道での使用は避け、あくまで私有地やイベントで節度を守って楽しみましょう。法令を遵守して、安全にパトカー仕様カスタムを満喫してください。