スポーツモードで乗り味が激変!?アバルト 595を街乗りからワインディングまで徹底試乗!

アバルト595 西川撮影

フィアット500をベースにアバルト独自のチューニングを施したホットモデルであるアバルト595。

1,110kgという軽量な車体に対して145PSというパワフルなエンジンを搭載するこのモデルはどんな乗り味なのでしょうか?

公道試乗で感じたことを素直にお伝えします。

文・写真/西川 昇吾

Chapter
街乗りでは低速トルクの薄さを感じる
スポーツモードで走りが激変!
ワインディングで本領発揮!
コンパクトボディながら抜群の高速安定性を見せる

街乗りでは低速トルクの薄さを感じる

街乗りの低速域では正直低回転域のトルクが薄いという印象を受けます。搭載されたエンジンは1.4L直列4気筒ターボエンジンですが、タービンが仕事を始めるのは2,000rpmより上からという具合。

スロットルレスポンスも鈍感で、街乗りにおいて2,000rpm前後でシフトアップをしていくというシチュエーションでは少しかったるく感じてしまうかもしれません。

乗り心地に関しては全くもって不満はありません。スポーツモデルであるため、ハードな足回りを予想していましたが、普段乗りで苦痛を感じるという印象は皆無でした。

スポーツモードで走りが激変!

街乗りでの試乗を始めて数分したところでスポーツモードのスイッチをONにすると印象が激変しました。一番印象的なのがスロットルレスポンスです。

先程まで鈍感だと感じていたものがシャープになりシフトダウン時のブリッピングも決まりやすくなり気持ちいいです。低回転では薄いと感じていたトルク感ですが、下から扱いやすいエンジンへと印象が変化。ステアリングも電動パワステの制御でノーマルモード時よりも重たくなり、ダイレクト感が向上しました。

ワインディングで本領発揮!

スポーツモードのままワインディングを走行するとアバルト595の本領を発揮します。スポーツモデルとしては高い着座位置から重心も高い印象を受けますが、そのような印象からは信じられないほど安定したコーナリングを見せるのが一番衝撃的でした。

荷重の移り変わりをドライバーにしっかりとインフォメーションとして与えつつも、ヒヤリとさせるような大きく不快なロールは発生しません。

重たくなったステアリングもいい仕事をしています。ダイレクト感あるステアリングフィーリングとなり、細かなステアリングインフォメーションを与え、僅かな切りこみもしっかりと意識して行うことが可能です。

スポーツモードならばON/OFFやパーシャル、そしてブリッピングなどスロットルコントロールが多いワインディングでも十分なスロットルレスポンスを見せます。なにより低回転からの扱いやすいトルクを確保しつつ、中回転域から上はターボらしいブーストのかかった味のある加速を見せます。

しかし、ドッカンターボという訳ではなくあくまでも誰もが楽しめるターボ感に仕上がっているのがグッドポイントです。

コンパクトボディながら抜群の高速安定性を見せる

そして一番驚いたのが高速道路での走行性能です。まず合流ではノーマルモード時でも3,500rpm以上回してあげれば、小さなボディからは想像もできない加速性能を見せます。身がすくむほど…という加速ではありませんが、痛快と表現するのには十分な加速感です。

高速道路で100km/h前後の巡行をすると、高速走行時の車体安定性に驚かされます。全長3,660mm×全幅1,625mm×全高1,505mm、ホイールベース2,300mmというコンパクトなボディサイズとショートホイールベースから試乗前は高速域の安定性などは正直期待していませんでした。

しかし、実際に高速域での巡行をすると、想像以上の直進時と高速旋回時の安定性を見せます。 これはサスペンションセッティングはもちろんですが、ディフューザー一体型のリアバンパーなど、車体の下面の空気の流れも考えられた外装パーツの影響も大きいものと思われます。

実際にまじまじと見るとアバルト595オリジナルの外装パーツが見かけ倒しではないことが分かりますが、実際に運転することによりそれを更に実感することができました。

今回はアバルト595を街乗り・ワインディング・高速道路とあらゆるシチュエーションで試乗してきました。このクルマで一番記憶に残るのはやはりスポーツモードの存在です。このボタンを押すだけでクルマのキャラクターは大きく変化します。

もしアバルト595の購入を具体的に考えている方が、実際に試乗する機会があるのであれば、試乗時には必ずこのスポーツモードボタンを押すべきです。決して飛ばさなくてもその違いは感じられます。

アバルト595はスポーツモードにして、アクセルを踏み込みたくなってしまう…そんな好奇心を掻き立てられる乗り味に仕上がっていました。

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西川 昇吾|にしかわ しょうご

1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。過去にはコミュニティFMのモータースポーツコーナーにてレギュラー出演経験あり。「書くこと、喋ることで自動車やモータースポーツの面白さを伝える」を目標とし、様々なジャンルのライティングや企画に挑戦中。

西川 昇吾