【プロ解説】スズキ ソリオ/ソリオバンディットを歴史とともに徹底解説!!

スズキ ソリオ ハイブリッド MZ

コンパクトハイトワゴンというカテゴリーの先駆者として登場したソリオ。

2020年11月に現行型となる4代目が登場しました。

ソリオはこれまでどのような進化を辿ってきたのか徹底解説します。

文・写真/萩原 文博

Chapter
初代はワゴンRの派生モデルとして「ワゴンRソリオ」の名称で登場
2代目ソリオは専用プラットフォームを与えられ広大な室内空間をもって登場
3代目ソリオは先代よりもさらに利便性と実用性を進化させて登場
4代目

初代はワゴンRの派生モデルとして「ワゴンRソリオ」の名称で登場

ソリオは、元々は軽自動車のワゴンRをベースに5人乗り小型車へとボディサイズを拡大して販売されていた、いわばワゴンRの派生系でした。

当初はワゴンR+(プラス)として販売されていたモデルが、2000年11月にネーミング変更を行い、ワゴンRソリオになりました。

エクステリアは、個性的な大型フロントグリルと大型4灯式のヘッドランプを採用した迫力のあるフロントマスクが特徴。

インテリアでもセミバケットタイプのシートや専用メーターでスポーティな空間を演出していました。

ワゴンRをベースとしていたため、現在のソリオとは異なり後席のドアはヒンジ式でした。

2代目ソリオは専用プラットフォームを与えられ広大な室内空間をもって登場

2代目のソリオが登場したのは2010年12月のことです。

国内市場において軽自動車からのステップアップを考えるユーザーや、コンパクトカー志向ユーザーにも応えるクルマとして、スイフトに続くスズキの小型乗用車第二の柱と考えられていました。

「乗って楽しく、使って便利、燃費も優れたコンパクトハイトワゴン」がコンセプト。


新開発のプラットフォームにより、ワゴンRの延長だった先代モデルより格段に広い室内空間を備えています。

室内長は2,130mm、室内高は1,345mmを実現し、当時クラストップレベルの広さを実現しました。

さらに、多彩なシートアレンジができるよう後席はワンタッチで折りたたむことができました。

使い勝手の良い後席両側スライドドアは開口幅580mm・開口高1,230mmという大きさを実現しています。

リアステップの高さを365mと低く抑えていることで誰でも乗り降りしやすい設計となっています。


搭載するエンジンは、全グレード1.2L直列4気筒エンジンで、ミッションはロー/ハイ2段を持つ副変速機付CVTを採用。

発進から高速走行までエンジン効率の良い回転域で走行でき、キビキビした走りと優れた燃費性能を両立させています。

2012年6月には、ソリオ バンディットを追加しました。

ソリオ バンディットは、若者の多様な趣向に応えるべく、斬新で圧倒的な存在感を持つ専用のデザインを採用したモデルです。

LEDポジションランプを内蔵したヘッドランプに加え、フロントのアッパー及びロアグリルにピアノブラック塗装を施すことで存在感のあるフロントマスクを表現。

さらに、立体感あふれる造形のフロント及びリアバンパーや専用デザインの15インチアルミホイールなどを採用し、精悍で力強い外観デザインが特徴です。


インテリアは、ストライプ柄の専用シート表皮を採用したほか、インパネやドアトリムをブラック基調にまとめるなど、引き締まった印象に仕立てられています。

3代目ソリオは先代よりもさらに利便性と実用性を進化させて登場

2015年8月にソリオはフルモデルチェンジを行い、3代目モデルへと進化しました。

軽量で高剛性の新開発プラットフォームを採用し、コンパクトなボディサイズはそのままに室内空間を大幅に拡大したのが特徴です。

また、徹底した軽量化の取り組みにより100kgの軽量化を達成しています。

新開発された1.2L直列4気筒エンジンとマイルドハイブリッドシステムにより、クラストップレベルの燃費性能と走行性能を両立しています。

新開発されたプラットフォームに合わせて、サスペンションも新設計となりました。

サスペンションフレームをフラットな構造とし、車体骨格の一部とすることで軽量化と高い剛性を両立

さらに、フロントおよびリアのサスペンションストロークを拡大し、乗り心地を向上させています。

ユーティリティでは、後席ドア開口幅を60mm広げ、さらにステップ高を低くすることで乗り降りをさらにスムーズにしました。

さらに、スイッチを一度押すだけで解錠と自動開閉が可能なワンアクションパワースライドドアを採用。

パワースライドドア作動中に開閉操作をすると、任意の位置で扉を止めることができる一時停止機能をあわせて採用しています。

バックドア開口地上高を下げることで荷物の積み下ろしを容易にするとともに、荷室高と荷室幅を広げて荷室スペースを拡大。

加えて、2WD車は容量100L、4WD車は容量26Lの大容量のサブトランクを設置し、濡れた物などをいれるのに重宝します。

2016年11月には新開発したハイブリッドシステムを搭載したソリオ/ソリオバンディットを追加。

このハイブリッドシステムは、瞬間的に大きな力を発揮する駆動用モーター(MGU)と、軽量コンパクトで伝達効率がよいトランスミッションであるオートギヤシフト(AGS)を組み合わせたスズキ独自のパラレル方式ハイブリッドシステムです。

駆動力が途切れる変速時にMGUの駆動力で補うことで、スムーズな加速を実現しています。

4代目

2020年11月にフルモデルチェンジを行い、4代目となる現行モデルが登場しました。

3代目に比べて全長を80mm(ソリオ バンディットは70mm)延長し、荷室床面長を100mm拡大し、大きな荷室と広く使える室内空間の両立を実現しました。

新開発された軽量・高剛性プラットフォーム「ハーテクト」の採用に加えて、ボディの骨格部分であるルーフパネルとルーフメンバーの接合部に高減衰マスチックシーラーを採用し、こもり音や雨音を低減しています。

搭載するパワートレインは1.2 L直列4気筒エンジンと、このエンジンにISG(モーター機能付発電機)を組み合わせた独自のマイルドハイブリッドシステムの2種類。

ユーティリティ面では内装部品の形状見直しにより、後席左右乗員の肩回りスペースを広げたことで、後席3人乗車時の快適性を向上させました。

パワースライドドアには予約ロック機能を追加し、ドアが閉まるのを待たずに携帯リモコンでドアロックの操作を可能としています。

車内の空気を循環し、エアコン使用時の前席と後席の温度差を少なくするスリムサーキュレーターをスズキ小型車で初採用

薄型のデザインとすることで、車内の広さや後席からの眺めの良さも確保しました。

安全装備では、夜間の歩行者も検知するステレオカメラ方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」を装備。

さらに、誤発進抑制機能・車線逸脱警報機能・ふらつき警報機能・先行車発進お知らせ機能・ヘッドランプのハイビーム/ロービームを自動で切り替えるハイビームアシストを搭載。

アダプティブクルーズコントロールACC)には全車速追従機能を追加し、長距離移動などでの運転操作の負担を軽減しています。

運転席前方のダッシュボード上には、運転に必要な情報を見やすく表示するカラーヘッドアップディスプレイをスズキ小型車で初採用しています。

走行中には、ステレオカメラが認識した道路標識をメーター内のマルチインフォメーションディスプレイやカラーヘッドアップディスプレイに表示する標識認識機能を搭載するなど、運転支援機能も充実しています。

従来のモデルと同じく、より精悍なエクステリアをもったソリオ バンディットをラインアップし、2種類のモデル体系となっています。

コンパクトハイトワゴンというカテゴリーのパイオニアであるスズキソリオ。

中でも2010年に登場した両側スライドドアを備えた2代目モデルは、現行型まで受け継がれることとなったコンセプトのルーツと言えます。

走行性能だけでなく、安全性能・快適性もアップデートしたソリオ/ソリオバンディットからは、コンパクトハイトワゴンの先駆者というプライドを感じます。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ