シートアレンジに優れるルーミーか、荷室を10cm拡大したソリオか?両車をジャーナリストが徹底比較

スズキ ソリオとトヨタ ルーミーは背の高いパッケージングの小型車として、ガチンコのライバル関係にあるモデル。
前者はスズキでもっとも多く売れている登録車(いわゆる普通車)、後者は兄弟車のトヨタ タンク 、ダイハツ トール、そしてスバル ジャスティとあわせて同一のボディとしてカウントすれば、2020年に日本で2番目に売れた乗用車となるなど、きわめて人気の高い車種です。
そんな2台の違いはどこにあるのか。今回は、マニアックな視点から両車を比べて見ましょう。
ソリオの方がリアドアの開口部が大きいものの、気の利いた装備はルーミーの方が多い
▲ルーミーのリアドア
まずは後席に乗り降りするリアドア。いずれもスライド式で、電動開閉機能も用意しています。どちらも高い天井と低い床(地面に対するステップの高さはソリオが365mmでルーミーは366mm)の組み合わせで乗り下ろしやすいものですが、比べてみると若干の違いが。
ソリオの開口部は天地1220mm×幅640mmなのに対し、ルーミーは1216mm×597mmとわずかの差とは言えソリオのほうが広く確保されています。
▲ソリオのリアドア
いっぽうで、ルーミーはBピラーに備わるグリップが天地に長いから背の高さを問わず大人も子供も掴みやすいこと、ドアを開くとドアの断面に備わるライトが点灯して足元を照らし夜の乗り降りをサポートしてくれる、など気の利いた装備でリード。
▲ルーミーの乗降用大型アシストグリップ
そのうえ、電動スライドドアの便利機能として、あらかじめ降車時にスイッチを押すことで、クルマに戻った際には近づくだけで自動的にスライドドアが開く「ウェルカムパワースライドドア」も備わっているのは、ソリオに対するアドバンテージです。
またルーミーのほうが電動スライド機能を標準装備するグレードが多いことも含め、スライドドア周辺に関しては「広さでソリオ、機能の充実でルーミー」と判断できます。
後席のシートアレンジの実用性ではルーミー、快適性ではソリオに軍配が上がる
▲ソリオの後席
後席に乗り込むと、どちらもゆったりと足を組める、あきれるほど広い空間が自慢。これは他のコンパクトカーを圧倒する、甲乙つけがたい実力です。
いっぽう、シートには若干の違いが。どちらもスライドやリクライニングを備えますが、ソリオが左右50:50分割なのに対して、ルーミーは60:40分割なのです。
▲ルーミーの後席
それが使い勝手としてどう違ってくるかというと、ソリオは片側を倒すと後席には1人しか座れなくなってしまいます。
いっぽうでルーミーは、狭い側(助手席側)だけを倒せば、残された運転席側に(実際にはかなり横幅が狭いが法律上は)2人掛けが可能。
そこがリアシートの大きな違いです。
▲ソリオの後席センターアームレスト
いっぽうで、ソリオにはルーミーにはない後席センターアームレストを採用。
シートアレンジの実用性ではルーミー、快適性ではソリオが優勢といっていいでしょう。
ちなみにどちらも、かなり大きくリクライニングするので大人2人がゆったり車中泊できますね。