【プロ解説】ホンダシビックタイプRをライバルとの違い等を徹底比較&解説!!ライバルはスバル WRX STI

ニュルブルクリンクでFF車最速タイムを競っているシビックタイプR。そのシビックタイプRに匹敵する高い走行性能をもつライバル車とは一体どのようなクルマなのでしょうか。駆動方式は異なりますが、ニュルブルクリンクのレースに参戦し、クルマを鍛え挙げていた国産車をピックアップしました。

文・写真/萩原 文博

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シビックタイプRとWRX STIは共通点が多い
ホンダシビックタイプRの方が良い点は?
スバルWRX STIの方が良い点は?

シビックタイプRとWRX STIは共通点が多い

ホンダシビックタイプRのライバルとして本来取り上げる車種は、ニュルブルクリンクでFF車最速を競っているルノーメガーヌかもしれません。しかし今回、シビックタイプRのライバルとしてピックアップしたのは、国内市場向けの生産がすでに終了しているスバルWRX STIとしました。駆動方式はシビックがFF、WRX STIは4WDと異なりますが、ボディサイズや搭載されているエンジン排気量そしてトランスミッションが6速MTという共通点が多いことからライバルとして選びました。

ボディサイズは、シビックタイプRが、全長4560mm×全幅1875mm×全高1435mm。一方WRX STIは全長4595mm×全幅1795mm×全高1475mmで、シビックタイプRのほうが、ワイド&ローのフォルムとなっています。車両重量はシビックタイプRが1390kg、WRX STIは1490kgと100kgシビックタイプRの方が軽くなっています。

搭載するパワートレインはシビックタイプRが最高出力320ps、最大トルク400Nmを発生する2L直列4気筒VTECターボ+6速MT。WRX STIが最高出力308ps、最大トルク422Nmを発生する2L水平対向4気筒ターボ+6速MTです。

サスペンションはシビックタイプRがアダプティブ・ダンパーシステムを搭載。瞬間ごとに最適なダンパー減衰力に制御することで、理想的なライントレースが可能となっています。WRX STIのタイプSにはビルシュタイン製ダンパーを採用し、サスペンションのわずかな動きに対しても減衰力を発生させ、その優れた応答性により操縦安定性と乗り心地に磨きを掛けています。ブレーキではシビックタイプRはマイナーチェンジでディスクローターの熱だれ抑制に効果のある2ピースブレーキディスクを採用。フロントにはブレンボ社製のアルミ対抗4ポッドキャリパーを採用しています。

一方のWRX STIもブレンボ社と共同開発したブレーキシステムを搭載。キャリパーは前後ともモノブロック構造で、フロントが対向6ポッド、リア対向2ポッドを搭載。ローターは放熱性と対フェード性を高めるドリルドローターを採用しています。装着するタイヤはシビックタイプRが245/30ZR20に対して、WRX STI はタイプSが245/35R19となっています。

さらにWRX STIにはマルチモードDCCDというモータースポーツから生まれたセンターデフ構造をもつAWDシステムを採用。前後輪への駆動力配分を前41:後59に設定。これに加えて、全域を電子制御する差動制限機構を採用し、俊敏な応答性とコーナー入り口でのスムーズな回頭性を実現し、4WD車によくあるアンダーステアを消しているのが特徴です。エンジン出力はほぼ互角ですが、駆動方式がFFのシビックタイプRのほうが車両重量も軽く、機動力は優れているように感じます。一方、4WD車で車両重量が重いWRX STIは贅沢なブレーキシステムを搭載。さらにマルチモードDCCD方式のAWDによって回頭性を向上させるなど運転する楽しさはどちらも味わえます。

ホンダシビックタイプRの方が良い点は?

シビックタイプRとWRX STIを比べて、シビックタイプRが優れている点は運転支援システムの充実度でしょう。2020年10月のマイナーチェンジで、シビックタイプRは運転支援システムのホンダセンシングを標準装備しました。アダプティブクルーズコントロールをはじめ、車線維持支援システムなど8つのサポート機能がパッケージングされています。一方のWRX STIはアイサイトを搭載されておらず、スバルリヤビークルディテクションなど3つの機能がパッケージ化されたアドバンスドセイフティパッケージがオプション設定されているだけです。走りに特化した両車ですが、安全性能では明確な差があります。

スバルWRX STIの方が良い点は?

シビックタイプRとWRX STIを比べてWRX STIの良い点は中古車の流通台数が豊富で手頃な価格で手に入れられることでしょう。すでに両モデルともに生産終了となっており新車で手に入れることはできません。そうなると中古車でしか手に入れられませんが、シビックタイプRは流通台数も少なく相場も高めです。一方WRX STIは流通台数も豊富ですし、シビックタイプRと比べると安い価格で手に入れることができます。スポーツカー好きな若者が手の届く価格帯というのは大きなメリットと言えるでしょう。

シビックタイプRそしてWRX STI。駆動方式は異なりますが、同じ2Lターボエンジンを搭載し、ニュルブルクリンクで走りに磨きを掛けてきたモデルです。両車ともすでに生産終了となっており、新車で手に入れることはできないですが、中古車となってもそのライバル関係は続いていくでしょう。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ