【プロ解説】ホンダ シビック タイプRのインテリア(内装)と荷室を徹底解説!!

シビックタイプRの外観デザインは高い空力性能や冷却性能といった機能性が現れたデザインとなっていました。それではインテリアはどのような意図をもってデザインされているのかを紹介しましょう。

文・写真/萩原 文博

Chapter
シビックタイプRのインパネ
シビックタイプRのフロントシート
シビックタイプRの後部座席
シビックタイプRの荷室(ラゲッジルーム)

シビックタイプRのインパネ

シビックタイプRのインテリアは黒を基調としたシックな空間にエモーショナルな赤をアクセントカラーに使用していて、エキサイティングな印象を受けます。インストルメントパネルは、カーボン調パネルと、従来よりも彩度を低く抑えたアルマイト調の赤ストライプの組み合わせにより、質感の高い仕上がりです。また、アルミ製シフトノブ、ステンレス製スポーツペダル、シリアルナンバー入りアルミ製エンブレム等のタイプR専用アイテムを装備することで、スペシャルなモデルであることを強調しています。

シビックタイプRのフロントシート

シビックタイプRは運転席のヒップポイントを低く設定。かつヒールポイントとの高低差を少なくすることによってシートに腰がしっかりとホールドされ、ステアリングやペダル操作がしやすく、車両の挙動も感じ取りやすい乗車姿勢をしています。その一方で、ボンネットを低くし、ワイパーを小型化。さらにフロントピラーも細くすることで、運転しやすい爽快な視界を両立しています。

メーターパネルは中央に大画面の液晶を、左右にアナログの水温計と燃料計を配置。さらに、タイプR専用にシフトアップのタイミングを知らせるシフトアップバックライトを採用。また、自由に表示を切り替えられる液晶画面の特徴を活かし、ドライビングモードの切り替えにより、3モードで異なるメーターデザインを用意しています。基本となるSPORTモードではメタリックなメーター外周に赤いライトが映り込んでいるようなスポーティーなデザインとし、+Rモードではサーキットの全開走行時にも視認しやすいよう、目盛りと指針の位置関係がわかりやすい色使いとした上でストイックな世界観も表現。新たに加わったCOMFORTモードでは、タイプRのテーマカラーであるレッドを敢えて控えめに用いることで、落ち着きのあるデザインとしました。加えて、ブースト圧計やGメーター、ストップウォッチなどのタイプR専用コンテンツを用意し、走りを楽しめるようにしました。

ステアリングは、下端を水平にカットした「Dカット」と呼ばれるレーシーな形状を採用。外形線をなめらかな曲線で構成することにより、優れた操作性と両立させました。表皮には、手のひらにしっくりと馴染むアルカンターラを採用しています。

フロントに採用されているスポーツシートは、乗員の体との接触面積を拡げ、低G領域から高G領域までしっかり支える先代モデルのシートのコンセプトを継承。さらにシート骨格の刷新とシート前後の調整幅も先代モデル対比で拡大することにより、体格を問わず最適なドライビングポジションを取れるようにしました。

シビックタイプRの後部座席

ホンダのメカのスペースは最小に、人のための空間は最大にというM・M思想に基づき、メカスペースを縮小。その一方で伸びやかな室内長を実現しました。そのスペースを活かし、後席は膝前を十分にとり、前席の下に足先が入る設計も施すことで、ゆとりある乗車感を実現しています。

シビックタイプRの荷室(ラゲッジルーム)

シビックタイプRのラゲージスペースは、ゴルフバッグが3個を積める420Lの容量を確保し、実用性の高さを実現。さらに、6:4分割可倒式リアシートを倒せば、ラゲッジスペースを拡大可能です。また、取り外し可能なカーゴエリアカバーを装備。使い方に合わせて左右どちらにも取り付けることができます。収納式のため、リアシートを倒した際、空間をさえぎられることなくラゲッジスペースを利用可能です。

シビックタイプRのインテリアは、ドライビングを積極的に楽しむ場としてのデザインを追求したシビックシリーズのインテリア骨格を最大限に活用し、日常からサーキットまで、幅広いシーンで走りに没頭できる空間としました。徹底的に「走り」のために機能を磨きつつ、ディテールには歴代モデルで用いられてきた、高揚感を高めるモチーフをところどころに採り入れ、「タイプRならでは」の世界観をつくりあげています。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ