【プロ解説】三菱 デリカD:5を徹底評価…良い点や欠点などを試乗レビュー!

国産ミニバンの中で唯一ディーゼルエンジンを搭載しているデリカD:5。燃料代とトルクに優れたディーゼルエンジンの特性を活かした走行性能は、一体どれほどの実力があるのでしょうか。

文/写真・萩原文博

Chapter
試乗車は最上級グレード「P」
ガソリンエンジンのようにスムーズ
利便性の高さが魅力的な装備類
三菱 デリカD:5に期待する改善点

試乗車は最上級グレード「P」

デリカD:5の新車価格帯はD:5 M車の391万3800円〜アーバンギア Pエディションの448万9100円となっています。この価格帯はホンダのフラッグシップミニバンである、オデッセイとほぼ同じ価格帯となっており、デリカD:5の価格レンジは国産フラッグシップミニバンと同等となります。そんなデリカD:5ですが、今回試乗したのはデリカD:5の標準車の最上級グレードであるPで車両本体価格は438万7900円となっています。

ガソリンエンジンのようにスムーズ

まずは、走行性能からチェックしてみましょう。搭載している2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンは2019年2月のビッグマイナーチェンジを行った際に、大幅に手が加えられフリクションの大幅低減や燃焼室の変更そして、次世代燃料インジェクターの搭載などにより最大トルクを20Nmアップしています。さらに組み合わされるミッションは従来の6速ATから8速ATとなり、ワイドかつクロスレシオ化のギアを採用したことで、燃費性能と動力性能を向上。トルクコンバーターを低容量、高トルク比化したことで、エンジン回転の素早い立ち上がりと動力性能向上を可能としました。

マイナーチェンジ前のディーゼルターボ+6速ATはアクセルを踏んでからのパワーの立ち上がりが鈍く、昔ながらのディーゼルエンジのように動きが重たい感じがしていました。しかしマイナーチェンジ後はアクセルを踏んでからのエンジン回転の上がり方はまるで「ガソリンエンジンか!?」と思うほどスムーズで反応も素早くなっているのが特徴です。さらにボディ剛性の向上や吸音材といったパーツを追加することにより、走行中の無駄な揺れとエンジンが発生する騒音が大幅に減少し、会話明瞭度の高い室内空間が実現しています。加速のスムーズさは発進時だけでなく、高速道路の追い越しでも体感できます。多段化した8速ATが常に最適なギアを選んでくれるので、加速が鈍いというストレスを感じることは皆無です。

利便性の高さが魅力的な装備類

装備面では、寒い時期に役立つステアリングヒーターや運転席・助手席シートヒーターの標準装備をはじめ、運転席パワーシートも装備しています。また、両側ワンタッチ電動スライドドア、エレクトリックテールゲートに加えて、乗り折の際に重宝する電動サイドステップも標準装備するなど利便性の高さは魅力です。e-アシストと呼ばれる運転支援システムに加えて、駐車の際に役立つマルチアラウンドモニターを標準装備するなど前方だけでなく、車両の全周の危険を監視してくれます。

三菱 デリカD:5に期待する改善点

CX-8とのライバル比較でも書きましたが、デリカD:5の運転支援システムは物足りないです。衝突被害軽減ブレーキ、踏み間違い発進抑制装置(前方のみ)、レーダークルーズコントロール、車線膣脱警報システムそして後側方車両検知警報システムと機能も少ないですし、多くのグレードでオプションとなっているのは物足りません。また、コネクティッド機能にも遅れを感じます。登場は2007年というロングセラーモデルですが、上記の2点を進化させればまだまだ魅力は色あせません。

SUVに匹敵する悪路走破性を備えたミニバン。これがデリカD:5の最大の魅力でしょう。国産ミニバンでは唯一ディーゼルエンジンを搭載したモデルで、低回転域からビッグトルクが発生するので、フル乗車でもスムーズな加速性能を発揮するのが特徴です。このポイントがデリカD:5がロングセラーモデルとして多くのユーザーに支持を受けているのでしょう。

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萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ