三菱 デリカD:5の歴史を解説!モデルチェンジを追う

三菱 デリカD:5 2007年1月

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登場から約13年が経過したロングセラーモデルのデリカD:5。13年という時間の間には一体どのような進化をしてきたのか?今回はデリカD:5の歴史を紹介していきます。

文/写真・萩原文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
Chapter
デリカD:5の歴史:「ミニバンの優しさ」と「SUV の力強さ」が融合したモデル
デリカD:5の歴史:過去にはリーズナブルな2WDモデルも存在
デリカD:5の歴史:2011年12月以降はエンジンバリエーションを充実
デリカD:5の歴史:2019年2月、三菱デリカD:5ビックマイナーチェンジ

デリカD:5の歴史:「ミニバンの優しさ」と「SUV の力強さ」が融合したモデル

三菱の1BOXタイプミニバン、デリカシリーズの第5代目モデルとして、デリカ:D:5は2007年1月に登場しました。デリカD:5は、「さまざまな走行環境下で、多くの乗員を安全に目的地まで運ぶ」という“デリカブランド”の特長を発展させ、「ミニバンの優しさ」と「SUV の力強さ」の融合をコンセプトに、走行性能、ボディ構造、室内環境に至る全てを新設計したミニバンです。まずボディ構造には、乗員をしっかり守る環状骨格構造の「リブボーンフレーム」を採用。歴代「デリカ」伝統の十分なグランドクリアランスを持つ、スクエアなボディを大径タイヤで支える独創のフォルムを採用しています。また、直線基調のデザインにより機能美ある、飽きの来ない端正なデザインとなっています。
室内は“クリーン”“ストレスフリー”“安心・安全”をテーマとした「ここちインテリア」を追求。全方位の窓で紫外線・赤外線の室内への侵入を低減する「UV&ヒートプロテクトガラス」や、生活臭やタバコ臭、VOC(揮発性有機化合物)を低減・抑制し、クリーンで居心地の良い室内空間を実現する「脱臭機能付クリーンエアフィルター」「消臭天井」を標準装備するなど、くつろぎの空間を実現しています。
搭載するエンジンは小型、軽量な2.4L直列4気筒MIVEエンジンを搭載、組み合わされるミッションはエンジン回転数と変速比を常に最適な領域で制御し、低燃費と俊敏で滑らかな加速が得られるINVECS-Ⅲと呼ばれる CVT を採用しています。駆動方式は、走行状況に応じて、前後輪へのトルク配分を適正にコントロールする電子制御4WDを全車に採用。インパネ中央にあるダイヤル式のドライブモードセレクター)により、3 つの走行モード(2WD、4WD オート、4WD ロック)の切り換えを可能が可能です。さらに、アプローチアングルは24°、ランプブレークオーバーアングルは18°、デパーチャーアングルは21.5°を確保。さらに、最低地上高も210mm 確保するなど、本格クロスオーバーSUV に匹敵する十分な対地障害角を確保し、高い悪路走破性を実現しているのが特徴です。

デリカD:5の歴史:過去にはリーズナブルな2WDモデルも存在

2007年5月にデリカD5はリーズナブルな2WDモデルを追加しました。標準車のC2に加えて、エアロパーツを装着し、専用のフロントグリルでスポーティさを強調した「ローデスト」を設定しました。そして2007年10月にはエアロパーツを装着したスタイリッシュミニバンのローデストに4WD車を設定し、バリエーションの充実を図っています。2008年5月の一部改良では従来の8人乗りに加えて、2列目シートにキャプテンシートを採用した7人乗り仕様を「G-パワーパッケージ」以上に設定。またエアロモデルのローデストにはRAYS製18インチアルミホイールを一部グレードに設定したほか、上級グレードにスタイリッシュな室内空間を演出するブルーの間接照明を採用しています。2008年12月にも一部改良を行い、グレード展開の変更をはじめ、夜間や霧中の視認性を高めて安全なドライビングをサポートするフォグランプをはじめ、運転席パワーシートと1列目のシートヒーターの装備。そして全車の3列目のシートバックに、荷物の固定に便利なバンジーコードを標準装備するなど装備の変更が行われています。
2009年11月の一部改良では、4WD車のエンジンやCVTの制御を見直し、燃費性能を向上させています。また新デザインのハイコントラストメーター&カラー駅長マルチインフォメーションディスプレイを採用しています。翌月には2WD車のマイナーチェンジを行いました。4WD車にも2WD車の外観を採用したほか、従来搭載されていた2.4Lエンジンから2L直4エンジンに変更し、燃費性能を大幅に向上させています。また、坂道でのスムーズな車両発進を実現するヒルスタートアシストや旧減速時、またはABS作動時にハザードランプを通常の2倍の周期で点滅させることで後続車に危険を促す、エマージェンシーストップシグナルシステムを採用しています。

2010年6月の一部改良では、Mグレードに助手席側電動スライドドア、そしてG-パワーパッケージグレードに運転席側電動スライドドアを標準装備しました。さらに7 インチワイドディスプレイHDDナビゲーション[MMCS]に地上デジタルTV チューナー(フルセグ)を搭載するなど、機能や装備の向上を図りました。2010年10月の一部改良では、従来から全車に採用している「減速エネルギー回生システム」の制御を変更し最適化を図りました。さらに2WD車ではエンジン内部のフリクションの低減やCVTの制御の見直しを行い、燃費性能を向上させています。また走行中にアクセルペダルとブレーキペダツを同時に踏んだ場合に、ブレーキを優先する「ブレーキオーバーライド制御」を全車に採用しました。

デリカD:5の歴史:2011年12月以降はエンジンバリエーションを充実

2011年12月に行った一部改良では2WD車にアイドリングストップ機構の「オートストップ&ゴー(AS&G)を採用した新型2L直4MIVECエンジンに変更しました。2012年7月の一部改良では4WD車の減速エネルギー回生システムを改良し燃費性能を向上させました。また、内装色を変更して質感を高めたほか、カーナビゲーション(MMCS)の次世代化やロックフォードフォズゲートプレミアムサウンドシステムに新機能を採用するなど機能や装備の向上を図っています。
2012年12月の一部改良では従来の2L、2.4Lガソリンエンジンに加えて、最高出力148ps、最大トルク360Nmを発生する2.2L直列4気筒ディーゼルターボエンジンを新たに追加しました。タービン容量を可変制御するVG ターボチャージャーを採用したことにより、低回転域では力強いトルクを発生し、高回転域まで滑らかな加速を実現。

さらにコモンレール式燃料噴射システムにより燃焼を高精度に制御し、ミニバンとして燃費性能・排出ガス性能・動力性能を高次元でバランスさせた結果、ディーゼルエンジンでトップレベルの低圧縮比14.9を実現しました。これにより、アルミシリンダーブロックなどの軽量素材の採用が可能となり、エンジン自体を軽量化することで低燃費化にも寄与しています。組み合わされるミッションは6速ATで、シフトパターンなどの最適化が図られています。さらに、フロント・リアともにショックアブソーバーの減衰力を最適化し、操縦安定性と乗り心地を高次元でバランスさせています。

2014年8月の一部改良では、2.2L クリーンディーゼルエンジンの動力性能を改良し、発進加速性能やアクセルレスポンスを向上させています。またセンターパネルの色をピアノブラックに変更し、インテリアの上質感を高めました。2015年11月の一部改良では、エアロモデルのローデストにクリーンディーゼルエンジンを搭載しました。
2017年4月の一部改良では、携帯電話の充電や小型デジタル機器などの電源に便利な「AC パワーサプライ(AC100V)を、Mを除く全グレードに標準装備し、利便性を向上させています。2018年4月の一部改良ではフロントバンパープロテクター(アンダーカバー一体型)を採用することで、一層力強くアクティブなイメージのフロントマスクとしています。

デリカD:5の歴史:2019年2月、三菱デリカD:5ビックマイナーチェンジ

2019年2月にデリカD:5はビッグマイナーチェンジを行いました。外観デザインは三菱のフロントデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」を採用。縦型のマルチヘッドライトなどにより、ひと目でデリカD:5とわかる個性的なデザインへと変更。インテリアはデザインを一新した水平基調のインパネは機能性と開放感を兼ね備えると同時に質感の高さが特徴です。搭載するエンジンは大幅に改良が加えられた2.2L直4ディーゼルターボエンジンで、組み合わされるミッションは新開発の8速ATを採用しています。

また駆動方式は4WDのみとシンプルな構成となりました。新型デリカD:5は標準車に加えて、アーバンギアというエアロパーツを装着したグレードの2種類を用意。なお、ガソリンエンジン車は従来と同じ外観でグレードと装備内容を見直して販売されています。そして安全装備は、予防安全技術「eアシスト」を採用。衝突被害軽減 ブレーキシステム[FCM]や車線逸脱警報システム[LDW]、レーダークルーズコントロールシステム[ACC]などの運転支援システムにより、ドライバーのサポートそして負担を軽減します。
2019年11月の一部改良では、予防安全技術「e-アシスト」に誤発進抑制機能(前進時)を追加し、全グレードがサポカーSワイドに該当しました。また、GとMを除くグレードに、 助手席ドア/助手席側スライドドアと連動し自動で展開・収納する電動サイドステップ(LEDステップ照明付)を新たに標準装備し、乗降性を向上させています。
そしてエアロパーツを装着したアーバンギアの最上級グレードのPエディションを追加しました。そして2020年12月に行った一部改良では、雨量に合わせてワイパーの動作速度を自動で切り替える雨滴感応オートワイパーを採用したほか、寒冷時にステアリングホイールを温めて快適なドライブをサポートするステアリングヒーターを採用するなど利便性を向上させています。また、オートライトコントロール機能は、従来よりも早いタイミングでヘッドライトを自動点灯させ、夜間走行中のヘッドライトの点灯忘れ防止に効果を発揮します。
登場から約13年が経過したロングセラーモデルのデリカD:5。その間に一部改良やマイナーチェンジを重ねて進化してきました。特に2019年2月はフルモデルチェンジに匹敵する変更内容となっています。ディーゼルエンジンを搭載したミニバンは国産車ではデリカD:5だけなので、今後も寒冷地を中心に高い人気を誇るでしょう。

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