マツダロードスターRS(ND)のエクステリア(外装)やデザインを全方位から徹底解説!!【プロ解説】

マツダ ロードスター RS 萩原文博

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現在、発売されているマツダのロードスターは、2015年から発売開始となった、第4世代モデルです。初代がNA型、2代目がNB型、3代目がNC型と呼ばれていたこともあって、この4代目モデルはND型が通称となっています。

そのエクステリアは、初代から3代目となる旧型モデルと、まったく異なったものとなりました。これは、現行のロードスターの開発における挑戦のキーワードである「守るために変えていく」が、そのまま形になった結果ではないでしょうか。単なる進化では、劣化コピーになってしまう可能性があります。

そこで、現行のロードスターの開発では、革新が不可欠であり、その挑戦を実現するために上記のキーワードが設定されました。そして、ロードスターのデザイナーは、その言葉通りの、これまでから変わった新しいエクステリア・デザインを生み出したのです。

文・鈴木ケンイチ/写真・萩原文博

鈴木 ケンイチ

モータージャーナリスト。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。レース経験あり。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)

鈴木 ケンイチ
Chapter
マツダロードスターRS(ND)の全体的なデザインを徹底解説
目指したものは「誰もが一瞬で心ときめくデザイン」
マツダロードスターRS(ND)はキャビンを後退させた美しいプロポーション(解説)
マツダロードスターRS(ND)には、ロードスターなのに屋根のあるRFという存在
マツダロードスターRS(ND)には魅力的なボディカラーが続々と登場
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マツダロードスターRS(ND)の全体的なデザインを徹底解説

目指したものは「誰もが一瞬で心ときめくデザイン」

全長3,915mm、全幅1,735mm、全高1,235mm、ホイールベース2,310mm
ロードスターのデザインを見ると個人的に、いつも感じるのは、躍動感と美しさ、そして無駄のなさです。まさにスポーツカーの理想像と言えるのではないでしょうか。

 デザイナーが目指したものは「誰もが一瞬で心ときめくデザイン」だったそうです。ちなみに、近年のマツダ車の統一したデザイン・コンセプトは「魂動(こどう)-SOUL of MOTION」です。生命感あふれるダイナミックさと、研ぎ澄ます日本の美意識をミックスさせたモノを目指すコンセプトです。そのコンセプトをベースにロードスターらしさを追求したのがロードスターのエクステリア・デザインです。
個人的に良かったと思うのは、他のマツダ車に共通して使われているグリル・デザインをロードスターが採用しなかったこと。やはり、スポーツカーは特別な存在として、デザインも固有なものが与えられたことが魅力になるからです。

マツダロードスターRS(ND)はキャビンを後退させた美しいプロポーション(解説)

ロードスターのエクステリアの美しさの理由は、そのプロポーションにあると言っていいでしょう。先代モデルと比べると、Aピラーから始まるキャビン全体が後ろに下がっています。具体的にはAピラーが57mm下げられています。その結果、ボンネットはより長く、リヤのトランク部は短く見えるようになりました。これは、古典的な“ロングノーズ・ショートデッキ”というスポーツカーの文法そのもののスタイルです。
また、ボンネットとリヤデッキは低くなっており、さらに前輪の前、後輪の後ろというオーバーハングが小さくされています。路面に張り付くような安定感と、俊敏さの両方を感じさせます。そして、ボディの表面は、どこもかしこも曲面となっており、機械というよりも、まるで生き物のような躍動感を感じさせてくれます。
 
精悍な眼差しを思わせる、フロントのヘッドライトのデザインもロードスターの魅力のひとつ。そして、たっぷりとしたボリュームのあるリヤフェンダーが生み出す力強さも特徴です。

マツダロードスターRS(ND)には、ロードスターなのに屋根のあるRFという存在

ロードスターのユニークな点は、ロードスターRFという派生モデルが存在することでしょう。これは先代で、RHT(パワーリトラクタブルハードトップ)という開閉可能なハードトップ・モデルを追加したところ、大人気になったという歴史から誕生したモデルです。

確かに、ソフトトップと比較するとハードトップは快適性が格段に上。ロードスターとはいえ、ほとんどのユーザーはソフトトップを閉めた状態で走ることが多いため、こうしたニーズがあるのは当然のことでしょう。
そうした先代からの流れもあり、現行モデルでは、2016年に電動で開閉するハードトップを備えたロードスターRFが追加されました。RFは「リトラクタブル・ファストバック」の略です。名前の通り、ロードスターRFは屋根を閉じた状態では、ファストバックと呼ばれるクーペのようなスタイルとなりました。また、ルーフを開けたときは、後ろのピラーが残ります。

先代のRHTはソフトトップを固い素材に変えたという佇まいでしたが、新しいロードスターRFは、どちらかといえば、まったく別のモデルに見えます。素のロードスターに対して、RFはクーペ。美しいという意味ではどちらも同じですが、テイストは異なります。この2つのテイストを選べるのもロードスターの魅力でしょう。

マツダロードスターRS(ND)には魅力的なボディカラーが続々と登場

ロードスターの魅力のひとつにボディカラーも挙げられます。イメージカラーとなるソウルレッドクリスタルメタリックは、明るく反射する部分の鮮やかさと暗い部分の深みの差がより際立った人気色です。また、ロードスターRFの登場と同時に追加されたマシーングレープレミアムメタリックも人気カラーのひとつ。

陰影のコントラストが強く、まるで鉄のインゴットから削り出したようなメタル感が特徴のカラーです。そして、2019年の商品改良では、ポリメタルグレーメタリックが追加されました。これは硬質さと艶やかさを融合させるユニークな質感が特徴です。

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