【プロ解説】BMW3シリーズの歴史を振り返る。E30、E36、E46など徹底解説!

BMW 3シリーズ E36

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2019年3月、新型となって登場したBMW3シリーズ。新型3シリーズにはBMW伝統のスポーティで精密なプレス・ラインや、象徴的なキドニー・グリルなど40 年以上の伝統を継承しつつ、AIを活用した新開発のインテリジェント・パーソナル・アシストを初採用するなどライバルのメルセデス・ベンツCクラスなどと互角以上に渡り合える実力を備えつつ登場しました。今回は、外装、内装、安全装備、グレード別の違い、人気カラー、座席や荷室(ラゲージスペース)、オプション装備にライバル比較など、あらゆる視点からBMW3シリーズをひも解いていきます。*記事に登場する白い試乗車は、BMW 320d xDrive M Sportです。

文・写真/萩原 文博

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として編集作業に本格的に携わる。中古車の流通、販売店に精通し、「中古車相場師」として活動。2006年からフリーランスの編集者となり、中古車だけでなく、現在は日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した、総合的に買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博
Chapter
BMW3シリーズの歴史はBMW1500からだった!
E30型BMW 3シリーズは、グループAレースで活躍し、東京でも六本木のカローラ?とブームになった
デザイン的に大変革を得た、E36型BMW3シリーズ
BMW3シリーズの中で最も売れた!E46型BMW3シリーズ
デザインに日本人が関わった、E90型BMW3シリーズ
プラグインハイブリッドモデルも導入された、F30型BMW3シリーズ
OK,BMW? AI音声アシスタントなど最新の技術が備わったG20型BMW3シリーズ
待望のディーゼル登場!BMW 3シリーズ!320d Mスポーツは楽しいクルマに仕上がっているのか?自動パーキングアシストも試してみました!
●歴史について BMWのセダンモデルの中で日本市場において最も人気があるのが3シリーズセダンです。日本の道路事情にあったボディサイズそしてFR(後輪駆動)による高い走行性能によって、非常に高い人気を誇ります。ここでは、BMW3シリーズの歴史を振り返ってみましょう。 

BMW3シリーズの歴史はBMW1500からだった!

BMW3シリーズのルーツは、ノイエ・クラッセ(新しいクラス)と呼ばれるBMW1500となっています。1961年に登場したBMW1500は1963年BMW1800、1966年にBMW2000と排気量が拡大され、1972年まで生産されました。そして、4ドアセダンだったBMW1500から発展した、2ドアセダンの02シリーズが1966年〜1977年まで生産されます。02シリーズで最も有名なのが、1968年に登場した2Lエンジンを搭載した2002です。中でも1973年に登場した2002ターボはサーキットでも大活躍し、現在でも高い人気を誇っています。 
BMW1500そして02シリーズを経て、1975年にミュンヘンのオリンピックスタジアムで、E21型と呼ばれる初代BMW3シリーズが発表されました。初代3シリーズには、逆スラントノーズをはじめ、ダブルキドニー・グリル、ボディに沿ったプレスライン、そしてツインヘッドライトなど後のBMWモデルに取り入れられスタンダードとなる様々な工夫が施されていました。また、Cピラーのホフマイスター・キンクと呼ばれる形状は、最新型の3シリーズでも受け継がれています。デビュー当初は直列4気筒エンジンのみでしたが、1977年には直列6気筒エンジンが追加されました。 

E30型BMW 3シリーズは、グループAレースで活躍し、東京でも六本木のカローラ?とブームになった

E30型 BMW 3シリーズ
E30型と呼ばれる2代目3シリーズの発表は1982年にモロッコで行われました。セダンを基本とする7種類のモデルがラインナップされ、コンバーチブルとレースで培ったテクノロジーを満載したM3が2年後に追加。さらに1987年にはBMW初のツーリングモデル、ステーションワゴンが追加されました。初代はグレードによってヘッドライトが2灯式と4灯式がありましたが、この2代目3シリーズは全車4灯式のヘッドライトとなりました。1985年には、BMW初のフルタイム4WDモデルを追加するなど、現在の3シリーズの礎となったモデルと言えるでしょう。

デザイン的に大変革を得た、E36型BMW3シリーズ

E36と呼ばれる3代目3シリーズは1990年に登場しました。このモデルはこれまでの歴史において最も大きなデザイン的に飛躍を遂げたモデルです。AピラーとCピラーを大きく傾斜させることで、クーペ志向のデザインとなりました。また、この3代目3シリーズは多彩なボディタイプを設定し、中でもコンパクトと呼ばれたモデルはこれまでの3シリーズになかった新しいデザインで好評を博して、売上に大きく貢献しました。サスペンションは、フロントはストラット式だが、リアは従来のセミトレーリングアーム式から、マルチリンク式へと変更されたのが特徴です。また、搭載されている直6エンジンはすべてDOHC化されるなど大幅にモダン化が進んだモデルです。

BMW3シリーズの中で最も売れた!E46型BMW3シリーズ

E46型BMW3シリーズ
E46型BMW3シリーズ M3
1998年にE46型と呼ばれる4代目3シリーズが登場します。クリス・バングルが外観デザインを担当し、これまでのBMWセダンを新しい視点から見直しました。空力性能の向上と車両の積極的な姿勢向上に重点を置いたデザインを採用したことで、この4代目3シリーズは歴代モデルで最も売れたモデルとなりました。ボディ剛性が先代より高まったことで、サスペンションのバネ下重量を減少させるために、部品にアルミニウムを採用しています。また、エンジンにはバブルトロニックと呼ばれる可変バルブリフトという機構を搭載し、高出力と低燃費を両立させています。また、スポーティモデルのM3にはSMG-IIと呼ばれる6速シーケンシャルマニュアルも設定されていました。

デザインに日本人が関わった、E90型BMW3シリーズ

E90と呼ばれる5代目3シリーズは2004年3月のジュネーブ・モーターショーで発表されました。日本人デザイナーが携わった外観デザインはクーペデザインをベースとするフロントとセダン由来のリア部の融合というかつてないデザインとなっています。ボディサイズはさらに拡大され、後席の居住性が大幅に改善されました。日本には直列4気筒、直列6気筒のガソリンエンジンのみが導入され、全車にパンクしても一定距離走行できるランフラットタイヤが標準装備となりました。デビュー当初、全幅が1815mmに拡大され、駐車場に入らないというユーザーが続出。その結果、マイナーチェンジでアウターハンドルを専用設計とすることで全幅1800mmへとサイズダウンし、マンションなどに多い機械式立体駐車場に対応する措置を取りました。 

プラグインハイブリッドモデルも導入された、F30型BMW3シリーズ

2012年に登場したF30と呼ばれる6代目セダンは、さらにボディサイズは拡大されましたが、日本導入モデルは全幅1800mmとして先代モデル同様に機械式立体駐車場に対応しています。搭載するエンジンによるグレードとは別に「スタンダード」、「スポーツ」、「モダン」、「ラグジュアリー」、「M Sport」というデザインラインを設定し、ラインナップを充実させました。また、コンベンショナルなガソリンエンジンに加えて、ハイブリッドモデルのアクティブハイブリッド3、そして、2012年に2L直列4気筒ディーゼルターボを追加。さらに、2016年にはプラグインハイブリッドモデルを追加するなど多彩なパワートレインとなりました。ボディタイプは4ドアセダン、ステーションワゴンに加えて、5ドアハッチバックのグランツーリスモが追加。このグランツーリスモは全幅が1830mmとなっています。

OK,BMW? AI音声アシスタントなど最新の技術が備わったG20型BMW3シリーズ

そして、2019年1月、G20型と呼ばれる現行型3シリーズセダンが導入されました。当初は2L直列4気筒ターボエンジンだけでしたが、現在は2L直列4気筒ディーゼルターボ、2Lガソリンプラグインハイブリッドそして3L直列6気筒ターボとラインナップが強化されています。最新の運転支援システムそしてインフォテイメントシステムを搭載したインテリジェントセダンとなっています。

待望のディーゼル登場!BMW 3シリーズ!320d Mスポーツは楽しいクルマに仕上がっているのか?自動パーキングアシストも試してみました!

2019年、7代目へと進化したG20型BMW 3シリーズ。日本ではガソリンエンジン車を先行で導入した後、ディーゼルエンジン車を導入しました。また、渋滞時ではとても便利なハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援システムや自動パーキングアシストなど先進の運転支援システムを搭載。一体、どんなクルマに仕上がっているのか?河西啓介がチェックします。

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