なぜ車好きに好かれる車は生産終了してしまうのか?理由は?

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マニュアル車や後輪駆動モデル、コンパクトスポーツなどといったいわゆる「クルマ好き」に好まれる車種たち。このような車種たちがなぜどんどんとラインナップから減っていってしまうのか?「昔のクルマはよかった…」なんて声も聞かれますが、今一度この疑問について考え直してみましょう。

文・西川 昇吾

西川 昇吾|にしかわ しょうご

1997年生まれ。富士スピードウェイ近隣で生まれ育ち、大学で自動車に関する学習をする傍ら、自動車ライターとしての活動を始める。過去にはコミュニティFMのモータースポーツコーナーにてレギュラー出演経験あり。「書くこと、喋ることで自動車やモータースポーツの面白さを伝える」を目標とし、様々なジャンルのライティングや企画に挑戦中。

西川 昇吾
Chapter
車好きな車が生産終了してしまう理由|そもそも車好きに好かれる車とは?
車好きな車が生産終了してしまう理由|マニュアル車
車好きな車が生産終了してしまう理由|後輪駆動モデル
車好きな車が生産終了してしまう理由|ホットなエンジンを搭載する小型セダンやワゴン
車好きな車が生産終了してしまう理由|探せば「通」好みのラインナップは存在する!

車好きな車が生産終了してしまう理由|そもそも車好きに好かれる車とは?

まずこのテーマを考えるにあたり、今一度見直したいのが「クルマ好きに好かれるクルマ」というポイント。一体どんなクルマを指しているのでしょうか?

一言に「クルマ好き」と言ってもその種類は様々ですが、今回のテーマの場合「運転が好きな人」に好かれるクルマが生産終了となってしまう場合を思いつかれる方も多いのではないでしょうか?

そこで運転が好きな人、走りが好きな人に愛されるクルマたちの特徴を今一度考え直し、それぞれの特徴が市場から消えていった理由を探ってみました。

車好きな車が生産終了してしまう理由|マニュアル車

まず多く声が上がると考えられるのが「マニュアル車」のラインナップ。かつてスポーツモデルはもちろん、ファミリーカーでもマニュアル車がラインナップされていました。しかし現在ラインナップのほとんどは2ペダル車です。

これには様々な理由が挙げられますが、まず考えられるのが、「オートマチック限定免許」の登場でしょう。マニュアル車よりも操作が簡単なオートマチック車が登場すれば、自動車を単なる「移動手段」と考える人は当然そちらを選びます。

さらにオートマチック車が普及し、免許取得が安く済むオートマチック限定免許が新設されればそちらを選ぶ人が増えます。結果としてマニュアル車を選ぶ理由がなくなってしまうのです。

車好きな車が生産終了してしまう理由|後輪駆動モデル

次に考えたのは「後輪駆動車」について。前輪は操舵のみに使用し後輪は駆動のみに使用するという後輪駆動車は、現行モデルの多くが採用している前輪駆動に比べてハンドリングの素直さや、タイヤの摩耗面などで優れています。

しかし前輪駆動は走行に必要なコンポーネントをコンパクトにまとめることができるため、車内にゆとりを持つことができます。さらに部品点数を削減できるため、コスト面でも有利となります。

結果として前輪駆動は普及していき、さらに前輪駆動車の主要パーツをメーカー内で共有していったためその数を増やしてきました。そのため後輪駆動車はどんどん数を減らしていってしまったのです。

車好きな車が生産終了してしまう理由|ホットなエンジンを搭載する小型セダンやワゴン

また「昔のクルマは良かった…」でよく挙げられる例が、スポーツモデルと同じエンジンを搭載する小型セダンやワゴンです。実用性を犠牲にしないパッケージながらスポーティーな走りが楽しめるという欲張りなこの組み合わせは現代では見かけることが少なくなってしまいました。

昔はボディー形状と言えばセダンやクーペ、ワゴンやハッチバックといった形でしたが、現代はさらにミニバンやSUVといったボディー形状も登場し、それらにファミリーカーの中心がセダンやワゴンから置き換わったのが大きな原因でしょう。

そのため低価格で小型のセダンやワゴンはラインナップから徐々に姿を消してしまい、セダンやワゴンは高級路線へシフト。結果として軽量でホットなエンジンを搭載するセダンやワゴンは少なくなってしまいました。

車好きな車が生産終了してしまう理由|探せば「通」好みのラインナップは存在する!

しかし現行モデルをしっかりとチェックせずに「通」好みのラインナップを見逃してしまうのももったいない!確かに後輪駆動車の現行ラインナップは少ないですが、マニュアル車などは探してみると意外と新車で買えたりします。

それもスポーツモデルはもちろんセダンやハッチバックでも見かけることができます。また最近はメーカー系チューニングが施されたコンプリートモデルもカタログモデルとして存在します。自動車メーカーも様々な制約の中で「走り好き」へ向けた最大の回答を示して下さっているということでしょう。

「昔のクルマはよかった…」で終わらず、最近のクルマも探せば面白い車種がきっと見つかるはず!機会があれば試乗などしてみて、その楽しさを実感してみては?
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