新型「日産 スカイライン」が登場!旧型とどう変わった? プロパイロット2.0、デザイン、エンジン、などをチェックした

新型 日産 スカイライン 2019

商品改良された新しい「スカイライン」を見て、筆者はそんなことを感じた。もちろん日産には「フーガ」とか「シーマ」といったスカイラインよりも大きくて高価なセダンがあるけれど、新しいスカイラインの内容をみると「スカイラインをセダンの象徴にしていこう。日産を代表するセダンにしよう」という日産の決意が伝わってきたからだ。

文・工藤貴宏

Chapter
新型と言えど、フルモデルチェンジではなくマイナーチェンジ
頂点に立つグレードは405馬力を誇る400R。過去最高のパワーを達成
インテリアの見所は、2つのタッチパネルディスプレイを組み合わせたインターフェイスから見える先進性
ついに2.0へと進化した、プロパイロット。どう進化した?
400Rがベース?日産スカイライン400R スプリントコンセプトとは?また、トヨタの伊藤大輔さんも2020年の意気込みを語る!

写真:栗原祥光

新型と言えど、フルモデルチェンジではなくマイナーチェンジ

スカイラインに施された今回の変更は、フルモデルチェンジではなくマイナーチェンジだ。ボディ構造自体や基本的なデザインは従来モデルから継続。しかしながら、そのメニューは多岐に及んでいる。

写真:新型

写真:旧型

まずはスタイル。ひとめで新型だとわかるポイントは、フロントグリルだ。これは……GT-R風じゃないか。なにより注目すべきはインフィニティ顔を捨て去り、「日産顔」になったことだろう。従来のスカイラインは、北米などで展開されている日産のプレミアムブランド(「トヨタ」でいう「レクサス」のような存在)である「インフィニティ」の共通デザインを用いていた。日本でも「INFINITY」のバッジをつけて売られるなど、インフィニティ色が濃かったのだ。日本以外ではインフィニティのラインナップとして販売されているし、インフィニティをメインに開発されたのだから当然ではあるが。

ところが新型は、日本においてはインフィニティと決別した。これは大きな事件だ。バッジも「NISSAN」となり、正式に日産の仲間入りを果たしたから、日産のイメージリーダーであるGT-Rと同じテイストなのだ。さらにはテールランプもスカイラインの伝統である“丸目4灯”のテールランプが戻ってきた。これも大きなメッセージと考えてよさそうだ。

「インフィニティ・スカイライン」から「日産スカイライン」へ。エクステリアの変更はそれを強く感じるし、かなり意味深な方向転換と言わざるを得ない。

頂点に立つグレードは405馬力を誇る400R。過去最高のパワーを達成

日産は「インフィニティは2020年をもって西ヨーロッパから撤退する」と明らかにしている。もしかすると日本以外でもそういった地域において今後はインフィニティではなく、NISSANブランドで販売することを前提として今回のフェイスリフトがおこなわれたのかもしれない。

もちろん、デザインだけを変えてお茶を濁すはずがない。メカニズムもトピックがいくつかり、まずはパワートレイン。「半分」が変更されたのだ。

これまでスカイラインには、V6エンジン+モーターのハイブリッドシステムと、メルセデス・ベンツ製の直列4気筒ターボエンジンが搭載されていた。新型ではハイブリッドをそのまま継続するいっぽう、純粋なエンジン車は日産製の3.0L V6ツインターボである「VR30DDTT」へと入れ替えたのだ(海外の一部市場では直4ターボも継続)。ひさしぶりにハイパワーガソリンエンジンが復活したのは、今回のマイナーチェンジにおける最大のホットトピックである。

最高出力は304PS。最大トルクは400Nm。驚くのはスペシャルモデルとして「400R」という頂点に立つグレードが用意され、たことだ。これがなんと、405PS/475Nmというハイスペックなのだからすごすぎる。かつての「スカイラインGT-R」すら凌ぐ、いうまでもなくスカイライン史上最強のパフォーマンスだ。もう、4気筒ターボのあの「事務的なフィーリング」を味わう必要はないのである。

さらに価格面もまさかのサプライズで、価格上昇は従来の4気筒モデルに対してわずかに10万円ほどと信じられないプライスタグ。しかも、従来はオプション設定だったダイレクトアクティブステアリング(後述)が新型では標準装備化されていることを考えれば、実質約20万円の値下げなのだから驚かずにはいられない(もしかしてベンツ製のエンジンがよほど高価だったのだろうか?)。

いずれにしろ動力性能は全体的に底上げされ、こうしたエンジンラインナップの変更からも、スカイラインが次のステージへと昇ったことを感じさせる。

メカニズムの話をすると、ハンドルとタイヤが機械的にはつながっておらず電気信号のみで繋がれている「アイレクトアクティブステアリング」(これは日産の呼び名で一般的には「ステア・バイ・ワイヤ」と呼ばれる)も進化。ステアリングの切りはじめのレスポンスを向上させ、過敏さを軽減しながら応答性を向上するなどバージョンアップされたうえで、従来の「一部仕様にオプション」から全車に標準装備化へと格上げされている。

さらには、一部仕様には「インテリジェントダイナミックサスペンション」と呼ぶ電子制御式のサスペンションも新たに設定された。ステアリング系もサスペンション系も、かなり手が入っているといっていい。

<次のページに続く>
次ページ
インテリアの見所は、2つのタッチパネルディスプレイを組み合わせたインターフェイスから見える先進性

工藤 貴宏|くどう たかひろ

1976年生まれの自動車ライター。クルマ好きが高じて大学在学中から自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。卒業後に自動車専門誌編集部や編集プロダクションを経て、フリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジン搭載のマツダCX-5。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

工藤 貴宏