燃費がいい運転って?

信号待ち

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これは別コラム、”運転が上手い人と下手な人の違いは?”のためにインタビューした時、ある人のコメントにあった「燃費がいい運転をする人は上手い人」がヒントになりました。それはいったいどういうことなのか?そんな運転をするとなぜうまいと言えるのか?ということを考えてみようと思います。

また、クルマのカタログに記載されているJC08モード燃費と実際の燃費に乖離があるのはわかってはいるものの、あまりにも差が大きいとの悩みをお持ちの方へのヒントにもなるお話かと思います。

文・大田中 秀一
Chapter
燃費がいい運転1.アクセルを踏んでいる時間をできるだけ短くする
燃費がいい運転2.走行中に無意味にアクセルを踏んだり戻したりしない
燃費がいい運転3.発進時に一気にドカンとアクセルを踏まない
ポイントは、アクセルをドカンと踏まない、必要以上に踏まないことです
アクセルを踏んでいる、特にどかんと踏んでいる時には気持ちは前に行っているし、無意識に攻撃的になっている。このため、前に遅いクルマがいたり、急に車線変更されたりするとイラッとする。アクセルを踏んでいないときは余裕を持っていられる。
今回の例では見る方は前方だけですが、実際は常に360°確認しながら走らなければなりません。その癖をつけることによって、急に車線変更をして後ろのクルマを怒らせた上に「なんで?」となることも防げますし、どこにどんなキャラクターのクルマがどんな風にクルマを走らせているのかも見えるので、危険から離れることもできる。
単純に考えると以下の3点に気をつければ燃費は良くなるでしょう。

燃費がいい運転1.アクセルを踏んでいる時間をできるだけ短くする

これは単純なことで、アクセルを踏んでいる間は燃料を消費しているわけですから、時間が短ければ短いほど消費量が少なくなるのは当然です。

ハイブリッド車、EVならアクセルオフで回生充電を始めるので、その分多くバッテリーに充電されるので走行用電力がより多く貯まり、燃費あるいは電費が多少なりとも良くなります。回生充電を行う車であればオルタネーターの停止時間が長くなるので燃費に貢献します。

燃費がいい運転2.走行中に無意味にアクセルを踏んだり戻したりしない

踏んだアクセルは一定で踏んでいる方が効率はいいです。踏んだり戻したりを頻繁に繰り返すとロスが大きくなります。

レースで言うところのローリングスタートをしたいのか?と思うくらい前車と距離をできるだけ短く保つためにアクセルを「ぶーん、ぶーん」と踏んだり戻したりする人がいますが、それでは確実に燃費が悪化します。これ、けっこうインパクトあります。

燃費がいい運転3.発進時に一気にドカンとアクセルを踏まない

“ふんわりアクセルeスタート”というフレーズをご記憶の方もいらっしゃるかとは思いますが、あの手法が燃費向上には有効とのデータが出ています。じわじわとアクセルを踏んで発進する方法なのですが、具体的には発進から最初の5秒間で時速20キロに達するくらいがいいとされています。

ドカンと踏んだ場合、踏んだ瞬間からクルマが動き出すまでの分の燃料が無駄になるし、加速しすぎてすぐブレーキを踏まなければならない状況であれば、その分を捨てたに等しいからです。これも発進停止が多い街中ではかなりインパクトがあります。
具体的に仮の事例を作ってみました。情景を思い浮かべながら読んでみてください。

① 場所は一般道、ポールポジションで信号待ちをしている。

② 信号が青に変わった。ブレーキペダルから足を離し、アクセルペダルに足を乗せる、けどまだ踏まない。クリープでタイヤが一回転するくらいの間をとり、5秒で時速20キロに到達するくらいにアクセルをじんわり踏み込む。

③ 比較的空いているので、できるだけアクセル一定で走行。

④ 前方に左折しようとするクルマが見える。どうもこのまま進行すると停止を強いられそうだ、と感じたのでぱっとアクセルを戻し、ブレーキペダルに足を乗せ(乗せるだけ、必要があるまで踏まない)惰性で走行。

⑤ 左折車の後ろにつくころに左折車はいなくなった。アクセルペダルに足を乗せ、じんわりと踏みこむ。

⑥ 数台前のクルマのブレーキランプが点灯した(あるいは信号が赤に変わった)のでぱっとアクセルを戻し、ブレーキペダルに足を乗せ(乗せるだけ、必要があるまで踏まない)惰性で走行。

⑦ 急ブレーキにならないタイミングでブレーキペダルを踏み込む。そして停止。

⑧ ①に戻る。

ポイントは、アクセルをドカンと踏まない、必要以上に踏まないことです

赤信号で、先は止まっているのにアクセルを踏みっぱなしでぎりぎりまで走り、どんとブレーキを踏んでいる人、前車との短い車間距離を保つためにアクセルを「ぶーん、ぶーん」と踏んだり戻したりしている人をよく見かけますが、それは燃料を無駄に捨てているのに等しいと言えるのではないでしょうか。

上に紹介したような運転を実現するためには、広く遠い視野がなければなりません。直前を見ていては難しいので遠く広く見るようにしましょう。遠くをなんとなく見ていれば、乗用車なら自然と手前も見えるとは思いますが、どうしても不安だという人もいると思います。その場合、意識してちらちらと遠くと近くを交互に見るようにすれば良いと思います。

凝視ではなく安全確認のための”チラ見”です。これは大型二種免許取得の際に教習所で教えられた方法です。大型車はどうしても直前への目配りが疎かになりがちなので、意識して遠くと近くを交互に見るようにしているとのことでした。

ところが、実際やってみるとわかりますが、ふんわりアクセルは、どかんと踏む人が多い他車とのペースが合わないし、惰性走行も他車から見れば「何をもたもた運転してるんだ」とイライラされるでしょうから、実践するのはかなり難しいと思います。

でも、まずはこのことを多くの人が意識するだけでも長期的には効果があると信じています。どうせできないよと思って何も考えないことと、高い理想を持ちつつまずは目の前の現実を受け入れることは違うと思っていますから。
ここから先は筆者の想像です。ですが、意外と当たっているような気がします。

アクセルを踏んでいる、特にどかんと踏んでいる時には気持ちは前に行っているし、無意識に攻撃的になっている。このため、前に遅いクルマがいたり、急に車線変更されたりするとイラッとする。アクセルを踏んでいないときは余裕を持っていられる。

今回の例では見る方は前方だけですが、実際は常に360°確認しながら走らなければなりません。その癖をつけることによって、急に車線変更をして後ろのクルマを怒らせた上に「なんで?」となることも防げますし、どこにどんなキャラクターのクルマがどんな風にクルマを走らせているのかも見えるので、危険から離れることもできる。

省燃費な運転を心がけると、副産物として路上がより安全で平和になる。そう思います。ここまで読んでいただいた皆さんはきっと運転に対する意識が高いので、こんなことは釈迦に説法だと思われるでしょう。

問題は、”このシリーズコラムを本当に読んで欲しいけど、読む機会がない人にどうやってこのメッセージを届けるか?”です。どうしたら届くと思いますか?
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