正しいドライビングポジション(シートポジション)の合わせ方は?

メルセデス シート

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これは別コラム”運転が上手い人と下手な人の違いは?”に関連した、筆者としては運転の基本中の基本と考えていることのお話です。そのコラムでは、サンプル数は少ないものの、インタビュー結果と自身の経験と照らし合わせて運転が上手い人は次のような人だという結論を導き出しました。

文・大田中 秀一
Chapter
正しいドライビングポジション

正しいドライビングポジション

① 急な操作をしない

② 操作がスムーズ

③ 先のこと、路上他者や同乗者のことを考えている

この3つを実現するためには、やはり正しいドライビングポジション(シートポジション)で運転することが必要です。その方法と考え方について順を追ってご説明いたしましょう。

1.シートには正しく座る

お尻と腰をちゃんと座面とシートバックにぐっと押しつけて背筋を伸ばします。いわゆる、”深く座る”座り方。

ここがいい加減だと走行中にお尻や姿勢がずれるなど、繊細な操作に支障をきたします。緊急時の対処にも遅れが出てしまうことにもなります。急ブレーキを踏んだときに踏力が弱くなり、避けられたはずの追突事故を起こしてしまうケースも多いと聞きます。

また、腰の位置で締める必要があるシートベルトも、ずれた位置に締めることになり、衝突事故の際に内臓損傷のリスクを増すことにもつながってしまいます。

2.膝がやや折れた(伸びきらない)状態でペダル操作ができる位置にシートの前後調整

かかとを床につけ、かかとを支点に足首の動きだけでアクセルペダルとブレーキペダルを踏める位置と言い換えることもできます。

かかとを床につけず膝の曲げ伸ばしでペダルを踏むのは御法度です。ペダル操作がラフになることと、別コラムで書いたように、ペダル踏み間違いのリスクも高くなってしまいます。また、1で書いたように急ブレーキを踏んだときに踏力が弱くなり、避けられたはずの追突事故を起こしてしまうリスクも増します。

更に、何かのことでパニックになったとき、体が突っ張ってしまい、足を戻したくても戻らないという事態に陥るリスクもあります。

3.太腿が座面から離れすぎずつきすぎずの位置にシートの上下調整

太腿が座面につきすぎていたり、離れすぎていたりすると正確なペダル操作に支障をきたしますし、運転中の余分な疲労の蓄積にもつながってしまいます。

4. ハンドルの9時15分の位置に両手を添えた状態で肘が曲がっていて、ハンドルを回したとき、12時の位置で肩がシートバックから離れない位置にシートバックの角度調整

ハンドルを回したときに肩が離れるようだと遠すぎで、繊細な操作ができず、運転姿勢も安定しなくなってしまいます。

5.ヘッドレストの中心が耳の位置になるように高さを調整

前後調整もできるヘッドレストなら、後頭部に触れる位置に調整します。

6.3つのリアビューミラーをちゃんと後ろが見える位置に調整

ルームミラーは、リアウインドウの真ん中とミラーの真ん中が合うように、サイドミラーはボディが少し映り、路面が半分くらい映るように調整する。

下向きすぎ、上向きすぎ、内向き過ぎ、外向き過ぎにしていると、見えるはずのものが見えず危険です。

7.シートベルトを腰(骨盤)の位置、首にベルトがかからない位置に上下を調整

シートベルトの装着が正しくないと事故の際に守ってくれないどころか、怪我のリスクが増します。
広く、誰もいない場所で一度じっくりこの方法を試してみてください。やってみるとお解りになると思いますが、いつものポジションより窮屈に感じる人も多いはず。

レーシングスクールに参加してまで運転が上手くなりたいと思っている人たちでもドライビングポジション(シートポジション)もペダルの踏み方も理想的でない人がかなりいますので、一般ドライバーなら尚更でしょう。

しかし、繊細な運転にはこのポジションが必要だし、慣れてみれば疲労も少なく結果的に楽だと感じてもらえるはずです。

クルマを買う時には試乗してぜひこの点を確認してみてください。

人の体型は様々だし、残念ながら設計がいい加減なクルマも存在しますので、どうしても合わないということもあり得ます。その場合は残念ながらご自身の体に合わないということなので、そのクルマは諦めて合うクルマを探すことをおすすめいたします。長く乗るクルマなので安全快適に走れることを第一に考えてください。
ところで、路上で後ろから走ってきたクルマをミラー越しに見ると、頭がシートの真ん中ではなくクルマの真ん中寄りに見え、ハンドルの上に片手が乗っているドライバーの姿を見ることがけっこうあります。

近寄って見ると、左肘をアームレストに乗せてよっかかり、肘をほぼ延ばした状態で右手一本でハンドルをくるくる回しているようです。当然膝も伸びているでしょう。

なんでこんな姿勢になるのか理解できません。それがカッコいい運転姿勢に見えるからやっているという説もありますが、本人に訊いたことがないので真相は不明です。

繊細な操作ができないとか、運転のガラが悪いとか、様々なリスクがあるからダメと言うのは簡単ですが、”結果には必ず原因や理由がある”という持論を唱える自分としては、この点についても考えてみました。

それでふと思い出しました、数々試乗してきたクルマの中で、自分に合うポジションが取れない、あるいはなんとなくの理由でそのような運転姿勢になってしまうクルマが少なからずあったことを。

もしかしたらそのあたりのことが原因であんな運転姿勢になっているのかもしれないとは思いましたが、心理学や人間工学的見地で分析してみないことには正確なことは言えません。

とにかく、そのようなことになるクルマもいいクルマとは言えないので、避けることが賢明でしょう。
いかがですか。

皆さんが実行するのかしないのかはともかく、まずは一度試してみることが大事だと思うので、もし少しでも心に引っかかることがあればご自身で体感してみてください。
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