ながらスマホもOKに!?自動運転へ法改正…居眠りOKはまだまだ先

いま自動車業界でホットな話題といえば自動運転だろう。市販テクノロジーとしては自動運転レベル2(高度運転支援システム)にとどまっているが、技術革新は進み、限られた状況ながらドライバーは何もせずにすむ「レベル3の自動運転」の国内市販も近づいている。そうした背景に合わせて、道路運送車両法や道路交通法も改正の動きがある。近ごろ、レベル3の自動運転中に限って「ながらスマホ」などが許可されるという報道もあった。はたして、そこにはどのような意味があるのだろうか。

文・山本晋也

Chapter
レベル3の限定的な自動運転を考慮した道交法改正
自動運転中の「スマホ利用」、「テレビ視聴」が可能に
いつでも運転を変われるよう起きている必要がある

レベル3の限定的な自動運転を考慮した道交法改正

スマホ ながら運転

あらためてレベル3の自動運転とは、ドライバーをすべての操作から解放するレベルである。

具体的には、高速道路の渋滞時などにドライバーがなにもしなくても、先行車との距離を保ち、車線に合わせて操舵することができるようになるとレベル3だ。技術的には市販車に搭載されているように思えるが、現時点ではドライバーは少なくともステアリングは握っている必要がある。

一方、レベル3になるとドライバーはステアリングを握らなくてよくなり、ペダルからも足を離すことができる。つまり、限定的なシチュエーションではあるが、すべての運転動作をクルマにゆだねることができるのだ。

自動運転中の「スマホ利用」、「テレビ視聴」が可能に

高速道路 軽自動車

そうした状況において「ながらスマホ」や「テレビ視聴」を禁止した道路交通法はそぐわない。

そこでレベル3の自動運転中に限って、スマートフォンの使用などを禁止しないという法改正に向けて、関係省庁などが動いている。自動運転中にはドライバーはやることがないわけだから、ただ前を向いて座っているのは逆に苦痛であろう。ほかにも読書なども認められる可能性が高い。しかし、こうして自動運転中に何かを楽しめるようにするのには意味がある。

というのも、レベル3の自動運転でカバーできる範囲というのはそれほど広いわけではなく、いつでもドライバーに運転をバトンタッチする必要がある。つまり、自動運転中にドライバーが寝てしまうという事態は避けなくてはならない。

ハードウェアとしてはドライバーの顔を認識して居眠り(目をつぶっている状態が一定時間続くこと)を検知したら何らかの目覚まし行為を行なうようにすることだろう。

いつでも運転を変われるよう起きている必要がある

それでも、従来通りの道路交通法をもとに、スマートフォンもダメ、テレビ視聴もダメとなれば、人間は居眠りをしてしまうだろう。なんらかのエンターテインメントを楽しめるようにしておくことは、ドライバーがいつでも運転を担えるように起きている状態をキープするためには合理的な判断なのだ。

逆にいうと、レベル3の自動運転くらいでは、まだまだ「寝て、起きたら目的地」という利用法はできない。自動運転に「寝ていれば着く」と期待しているユーザーは多いだろうが、それが可能になるのは完全な自動運転と呼ばれるレベル5(ステアリングやペダルのないクルマ)の実現まで待つ必要がありそうだ。

なお、レベル4というのは特定の条件下において、緊急時の停車や回避まで含めたすべての運転作業をクルマが行なうというもの。

たとえば高速道路はレベル4の自動運転で移動したとしても、一般道に降りてからはドライバーが運転をする必要があるので、自動運転中に眠ることはできても、ドア・トゥ・ドアで眠っているわけにはいかない。もちろん、レベル3にしろレベル4にしろ、運転する可能性があるのでドライバーの飲酒が厳禁なのは言うまでもない。