自動運転車へのサイバー攻撃は防ぐことができるのか

テスラモーターズ モデルX 75D 運転写真

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テスラモーターズやウーバーなど、IT系企業も参入を始めている自動運転車ですが、現時点では車両の技術的課題に加えて、インターネットを使用するために、車両がサイバー攻撃を受ける危険性もささやかれています。

現在、自動運転に取り組んでいるメーカーは、サイバー攻撃をどのように考えているのでしょうか?最新事情を紹介します。

文・吉川 賢一

※ 2019年1月時点

吉川 賢一|よしかわ けんいち

モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。

吉川 賢一
Chapter
自動運転は「常につながっているクルマ」
自動運転のクルマの頭脳は「電子制御ユニット」
自動運転の車へのサイバー攻撃の可能性
自動運転のクルマはサイバー攻撃を防げるか

自動運転は「常につながっているクルマ」

自動運転による走行を可能にするためには、衛星などを使った最新の道路情報を受信し、かつ周囲の状況をカメラやレーダー、センサーがとらえている必要があるのです。そのためクルマはつねに、”ネットワークにつながっていること”が前提となります。

自動運転のクルマは、道路の形状や構造物、事故多発地点といった情報に、渋滞や事故、工事情報など、刻々と変化する情報を加えた「ダイナミックマップ(高精細の3次元デジタルマップ)」を随時受信しています。同時に、自車位置を正確に把握するため、衛星との相互通信も必要です。

現状のシステムでは、これら情報のひとつでも欠ければ、自動運転車は動けなくなってしまいます。そのためクルマは、ネットワークにつながっている必要があると同時に、ネットワークから得る情報は、正しいことが求められます。

自動運転のクルマの頭脳は「電子制御ユニット」

受信したさまざまな情報をもとに、自動運転のクルマに指令を出すのが電子制御ユニット(ECU)です。

クルマには、エンジン、トランスミッション、ステアリング、エアコンなど、必要な要素それぞれに、専用のECUが搭載されています。これら何十ものECUは、車載ネットワークにつながっており、自動運転をつかさどるECUから、車載ネットワーク経由で、それぞれのECUにコマンドが送られ、自動走行を可能としています。

自動運転のクルマが、パフォーマンスを発揮するには、ECUや車載ネットワーク、自動運転ソフトなどのプログラムが、正確に動き続ける必要があります。

万が一、プログラムがウイルスに感染したり、車載ネットワークに不正アクセスした悪者によって書き換えられたりすると、事故などにつながる可能性があります。

自動運転の車へのサイバー攻撃の可能性

自動運転のクルマには、個人で使うコンピューターと以上の情報セキュリティが必要です。自動運転の開発が始まった当初から、「サイバー攻撃に対して、設計、製造、販売、走行、各段階で、どのように対策するか」についての論議が行われてきました。

たとえば、ネットワークを通して取得する情報が遮断された場合に、通常走行を続けるか、センサーを作動させて車両を停止させるか、どういった条件下でそれぞれの状況に移るかを決める、安全のための多層防御設計が推進されています。

自動運転のクルマのソフトは、数億行ものコードでできているといわれています。もし、不正アクセスを受け、そのなかのたった1行を書き換えられても、走行に不都合が出る可能性は十分にあります。

そのため、生産工場をラインアウトした時点の初期設定を書き換えてしまうコマンドを、すべてブロックするというセキュリティ対策が考案されています。ウイルスが更新されても、すべてをブロックするというかたちであれば、ハッキングの心配を減らすことができます。

ただし車載のプログラムは、更新を必要とすることがありますから、その場合には、メーカーのサービスなどを使って更新する必要があります。

自動運転のクルマはサイバー攻撃を防げるか

結論からいうと、サイバー攻撃の可能性は、ゼロではありません。

ただし、防ぐための対処方法は、すべての段階ですでに考慮されています。 経産省は、サイバーセキュリティ経営ガイドラインを発表し、日本自動車工業会は、セイバーセキュリティに関する情報を共有するための組織を設置、アメリカやヨーロッパの業界団体とともに、サイバーセキュリティ対策に取り組んでいます。
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