超小型車の"バブルカー"4選|由来は泡に見えるから?

フジキャビン 5A型

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「バブルカー」そう聞くとバブル時代に流行ったハイソカーなどをイメージする方もいるかもしれません。しかし今回紹介するのは超小型車のバブルカー、キャノピーなどを取り付けた超小型車が泡に見えるから付けられた愛称で、なんともキュートな車種ばかり!現在でも世界中にファンが多いジャンルのクルマなのです。

文・西川昇吾
Chapter
イセッタ
富士自動車 フジキャビン
ツェンダップ ヤヌス
ピール トライデント

イセッタ

最初に紹介するのはイセッタ。バブルカーに興味がない方でも「写真は見たことある」という方も多いかもしれません。

最も有名なのはドイツBMW社製のイセッタだと思われますが、実はイセッタというモデルは元々イタリアの自動車メーカーであるイソ社という会社が開発、生産したものです。

イソ社製のイセッタは1953年から1955年まで生産されました。以降BMW社でイセッタはライセンス生産され、BMW社のバイク用エンジンを搭載するなどBMWイセッタは独自の進化を遂げました。BMW以外にもスペイン、ベルギー、フランスで生産されたヴェラム・イセッタやブラジルで生産されたローミ・イセッタなどがあります。

富士自動車 フジキャビン

第二次大戦後のヨーロッパで多く生産されたバブルカーですが、日本で生産されたモデルも存在します。

それがこのフジキャビンです。現在は建設機械であるショベルカーやブルドーザーを開発している小松製作所の子会社である富士自動車が、1956年~1957年に販売されていました。

当時の技術的なチャレンジとして日本車で初めてFRPを車体材料に用いており、車重はわずか150kgほどとバブルカーの中でもトップクラスの軽量な車重を実現しています。しかし、商業的には成功と言えず、わずか1年ほどしか生産されず、総生産台数も85台と言われています。

ツェンダップ ヤヌス

続いて紹介するツェンダップ ヤヌスは最もセダンに近いバブルカーでしょう。1957年~1958年に約7,000台が西ドイツで生産されました。

バブルカーとしては珍しく、4輪で2列シートが備えられています。特徴的なのはドアの開閉と乗車方向です。前後のドアがそれぞれ開き、フロントシートに乗るには前のドアから、リアシートに乗るには後ろのドアから乗り込みます。そしてリアシートに乗った人は後ろを向いて座ることとなります。この「前後対照」の設計がヤヌスの最大の特徴です。

ピール トライデント

最後に紹介するのはピール トライデントです。ギネスブックに「世界最小の量産自動車」として認定され、イギリスの自動車番組「TopGear」でも特集されたP50の後継モデルになります。

特徴的なのはそのエクステリアデザイン。「バブルカー」という愛称が最も似合う見た目だとは思いませんか?ドアは装備しておらず、キャノピーと共に車体の前側上部が跳ね上がり、人が乗りこむという構造になっています。

P50に比べ車内空間やボディサイズは大きくなっていますが、それはわずかなもの。全長1,830mm、全幅990mmとものすごくコンパクトな造りとなっています。(大半のバブルカーは全長3,000mm、全幅1,500mm未満ほど)
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