メルセデス・マイバッハのラインナップとは?

メルセデス・マイバッハ S650 2017年

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「マイバッハ」という聞き慣れないクルマのブランドをご存知ですか? 110年前の1909年。のちに自動車開発、ガソリンエンジンのパイオニアとして、のちに出会うカール・ベンツともにダイムラー・ベンツを立ち上げたゴットリープ・ダイムラーとエンジンの研究をしていたヴィルヘルム・マイバッハとその息子であるカールともに誕生したエンジン製造会社が始まりです。

文・栗原淳
Chapter
超高級車、マイバッハの復活
「マイバッハ 57/62」は販売方法も注目を集めた
「メルセデス・マイバッハ」は1グレードになってもその特別感は変わらない
メルセデス・マイバッハ・G650ランドレー

超高級車、マイバッハの復活

1920〜30年代は富裕層や要人向けの高級車を設計・販売していました。1950年代にメルセデスの傘下に入ったことでマイバッハの名前は表舞台から一時消えました。

それから半世紀後の2002年に、メルセデス・ベンツのフラッグシップモデル「Sクラス」をベースによりプレミアムなものにした「57/62」というモデルでマイバッハの名前が復活、2012年に生産終了と同時にブランド一時廃止となりましたが、2014年に再び復活し、現在もSクラスの最上級モデルとして富裕層の人気を獲得しています。

そんな最高級車・マイバッハの過去から現在までのラインナップを振り返ってみます。

「マイバッハ 57/62」は販売方法も注目を集めた

2002年にメルセデス・ベンツのサブブランドではなく、独立したブランドとして復活した"新生”マイバッハの最初のモデルが「マイバッハ 57/62」。車名の由来は車体全長を表しており、「57」は5,723mm、「62」は6,165mmとロングストレッチです。

一見Sクラスをベースによりロングしたモデルと思われがちですが、「メルセデス・ベンツを超えるブランド」として新たに開発されています。

メカニズムはメルセデス・ベンツの「S600」に搭載された5.5L V12ツインターボエンジンをよりパワーアップしたものが搭載されており、2.8トンの車体をスムーズかつスピーディーに加速させます。足回りや電子制御も当時のメルセデス・ベンツの最新技術が惜しげなく投入され、インテリアは厳選された素材と職人の手によりオーナーの希望どおりに作られました。

日本国内の販売方法は、メルセデス・ベンツ日本直営の専用ショールームが六本木に新設され、商談・仕様決めは、事前予約制かつ1日1組という形式で行われました。約4100万円〜というプライスにもかかわらず、生産終了までに150台以上が販売されました(全世界では2,600台以上)。その中には1億円を超えるフルオーダーメイドの車両もあったそうです。

ちなみにオプション装備の一例ですが、サンルーフ装着だけで新車のコンパクトカーが購入できるぐらいだったそうです。
そして、2005年に6.0L V12ツインターボエンジンを搭載した「57S/62S」が追加され、2010年には「62S」をベースに後部座席側のルーフのみソフトトップした「マイバッハ・ランドレー」が追加。お値段は1億4200万円という驚異の価格でした。

「メルセデス・マイバッハ」は1グレードになってもその特別感は変わらない

「マイバッハ 57/62」の生産終了とともに再びマイバッハのブランドは廃止されてしまいました。しかし、2015年にメルセデス・ベンツのサブブランドとして復活を果たし、Sクラスの最上級モデル「メルセデス・マイバッハ・Sクラス」が発表・販売されました。

ベースのSクラスとの大きな違いは、「ショーファードリブン」の代表する1台として後部座席の快適性を追求しています。20cm延長されたホイールベースの延長分は後部座席のスペースに充てられており、シートは最大43.5度までリクライニング可能、ホットストーン式リラクゼーション機能を含む6種類のマッサージプログラムが組み込まれた豪華なものに。

さらに、エンターテイメントシステムとして10インチの大画面モニター&ワイヤレスヘッドホン、シャンパンを冷やすクーリングボックス、高級シャンパングラス、専用フレグランスなど贅を尽くした装備が用意されています。より拘りを持つオーナーにはカスタマイズプログラム「designo」で特別な1台を作り上げることも可能です。

お値段は「メルセデス・マイバッハ・S560」の2354万円からと高いことには変わりないですが、先代モデルと比べてしまうとリーズナブルに感じてしまいます。また商談・購入は、全国のメルセデス正規ディーラーで可能になっています。
2016年には、よりロングストレッチにした全長6.5mのボディに電動対面可能なシート2脚を追加した広々した後部座席に、電動カーテン、前席と後席を仕切るパーティションウォール、パーティション内蔵の18.5インチモニターと24個の高級スピーカーと24チャンネルアンプによる5.1チャンネルサラウンドの「Burmester®ハイエンド3Dサラウンドサウンドシステム」がオプション装備(通常は16個の高級スピーカー)できる特別仕様車「メルセデス・マイバッハ・S600プルマン」が8800万円で極少数販売されました。
そして2017年には、最上級のラグジュアリー4シーターオープンモデルとして「メルセデスAMG S65 カブリオレ」をベースした世界限定300台の「メルセデス・マイバッハ S650 カブリオレ」を日本国内で4台の限定販売を行います。

サルーンモデルと共通した専用鍛造アロイホイールやスワロフスキー製のクリスタルが加飾されたLEDヘッドライト、インテリアもマイバッハクオリティに仕上がっており、ラゲッジスペースにはインテリアと同じカラーリングでコーディネートされたトラベルラゲッジセットが収納されています。

メルセデス・マイバッハ・G650ランドレー

Sクラスと並んで富裕層を筆頭に人気モデルのオフローダーモデルである「Gクラス」。2017年にこのオフローダーをベースに大幅にボディをワイド化かつ後部座席のルーフをソフトトップとしたスペシャルモデル「メルセデス・マイバッハ・G650ランドレー」を世界限定99台で販売しました。

メカニズムは「G65AMG」と共通の6.0L V12ツインターボエンジンを搭載し630馬力を発生。足回りは走破性を高めた「G63 6×6」と同じ「ハブリダクション」というホイール側にデフの機構を設ける技術で、通常のSUVの倍相当言われる最低地上高450mmを実現し走破性を向上させています。

インテリアはマイバッハクオリティの電動リクライニング・マッサージ機能が備えられた左右独立式シートを配置。スイッチ開閉式ルーフトップの他、前席・後席を隔てるガラス製電動パーテーションは、透明度調整機能付き。後部座席用エアコン、10インチのメディアディスプレイが装備されています。超富裕層が「優雅に」自然や動物豊かな大草原を眺めながらドライブすることをイメージしているみたいです。

複雑な歴史を歩む「マイバッハ」ですが、オーナーに最上級のおもてなしを提供するというクルマづくりは100年近く経過した現在も変わらず、これからもため息が出てしまう程の素晴らしいクルマを生み出してくれることでしょう。

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