マイバッハG650ランドレー vs メルセデス・ベンツGクラス 徹底比較!

マイバッハG650ランドレー

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2017年2月、人気のオフロード4WD「Gクラス」のバージョンのひとつとして登場した「メルセデス・マイバッハG650ランドレー」。G63AMG 6×6を彷彿とさせるスタイリングで巷の話題を呼びました。今回は、このモデルにスポットを当ててみたいと思います。

文・山崎友貴
Chapter
かつてはエンジンメーカーだったマイバッハ
伝統的なボディタイプ“ランドレー”
マイバッハが生み出した新たなモンスター
マイバッハG650ランドレー

かつてはエンジンメーカーだったマイバッハ

この車についてお話する前に、まずマイバッハというブランドについて触れなければなりません。現在のマイバッハは、ダイムラー社のサブブランドのひとつ。AMGがスポーツ系のブランドであるのに対して、マイバッハは高級ブランドを標榜しています。ですが、じつはマイバッハはかつては独立した企業でした。

1909年に創業したマイバッハは、エンジンメーカー。第一次世界大戦前後のドイツが世界に誇ったツェッペリン飛行船のエンジンを製造したことで、一躍名を馳せます。その後、高級車製造に乗り出すと共に、飛行機や鉄道用のエンジンを造っていました。

1952年にはダイムラー・ベンツが子会社化。97年には、Sクラスでマイバッハの名前を冠したモデルが復活し、2002年に独立ブランドとして発足。高級車の代表的なアイコンとなりました。

しかし、世界的に景気が冷えゆく中で業績は低迷します。その結果、2013年に廃止になるという憂き目に遭ってしまいます。ですが、2015年に「メルセデス・マイバッハ」というサブブランドで再度復活し、2016年には「メルセデス・マイバッハ  S650カブリオレ」を発表し、世界の注目を集めました。

伝統的なボディタイプ“ランドレー”

さて車名の一部にある「ランドレー」。地名かな? などと思ってしまいますが、これはボディタイプのこと。「カブリオレ」や「クーペ」などと一緒ですね。ランドーレットとも言い、車体の後部だけがオープンになるボディ形状のことを指します。

自動車のボディタイプというのは、その多くは馬車時代から存在していました。このランドレーも、やはり馬車時代からあったスタイルです。往年の船や列車などには、後部に気賓客が気張らしをするための展望デッキが備えてありましたが、ランドレーもまた、馬車で長旅をするVIPのために考え出されたのかもしれません。

車時代になってからも、ランドレーはもちろんショーファー(運転手)ドリブンカー。当初は、後席のVIPが開放的なドライブを味わうための形状でしたが、実際はほぼパレード用となっています。

ただし、中東では富裕層にランドレーの需要があるようで、マイバッハは2007年に「62Sランドレー」を発表するなど、中東に向けて、積極的なアピールを行ってきました。

では、マイバッハが生み出した新たなモンスターモデル「メルセデス・マイバッハG650ランドレー」とはどんなモデルでしょう。

マイバッハが生み出した新たなモンスター

メルセデス・マイバッハG650ランドレーもまた、中東の市場を強く意識して造られたのではないでしょうか。ダイムラーは、2014年に「G63AMG 6×6」を発売して世間の度肝を抜きましたが、これは中東での使用を考えて造られたスペシャルなモデルでした。

メルセデス・マイバッハG650ランドレーは、優れた悪路走破性を持つGクラスをベースにしている上に、G63AMG 6×6のようなボディワーク、そしてランドレーであることなどから、彼の地の富裕層を狙っている気がします。

さて、メルセデス・マイバッハG650ランドレーは、メルセデス・ベンツGクラスと比較するとかなり大きいことが分かります。一見しただけでも分かると思いますが、全長5,345mm×全幅2,110mm×全高2,235㎜というスペックが、Gクラスよりも全幅が広いことを示しています。ホイールベースを延長し、大型のオーバーフェンダーを装着した車体は、どっしりとした安定性を生み出します。

搭載エンジンは6ℓV12ツインターボ。かつてのメルセデス・マイバッハ S600が搭載していたユニットと同型です。最大出力463kW、最大トルク1000Nmという動力性能は、7ATによって、いかんなく路面に伝えられます。

前、センター、後のディファンレンシャルギアには、さらなる走破力が必要な時に威力を発揮するデフロックを装備。450㎜という十分すぎる最低地上高と相まって、Gクラス以上のオフロード性能を実現しています。
インテリアは、さすがマイバッハならではのラグジュアリー空間。選び抜かれたレザー、ウッド素材を惜しむこと無く使い、後席には1人1個のモニラー、オットマン付きのシート、後席専用エアコン、読書灯などなど、さながら飛行機のファーストクラスです。もちろんソフトトップで電動で開閉することが可能。

さらに、運転席と空間を仕切ることができるガラスを装備するなど、見た目はオフロード4WDでも完全なショーファードリブンカーに仕上がっています。このシートで、シャンパンでも飲みながら、時には頭上に広がる青空を存分に楽しむ。そんな贅沢な1台なのです。

ちなみに、価格は約6000万円で、99台の限定生産。選ばれた人だけが所有を許された、ラグジュアリーなSUVです。

マイバッハG650ランドレー

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