今新車で買えるユニークな装備を持つ国産車5選|デジタルアウターミラーや靴べら差しなど…

デジタルアウターミラー

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1980~1990年代の国産車では「日本初」、「世界初」といった装備を与えていることがセールストークのためには必須といえる状況もあった。

さすがにクルマ社会も熟成すると、重箱の隅をつついたような世界初や、何の役に立つのかわからないような日本初を求めることはなくなってきたが、それでも「初もの」であったり「オンリーワン」の装備には引力がある。

電装系を中心に、ユニークな装備を持つ国産車をピックアップしよう。

文・山本 晋也

山本 晋也|やまもと しんや

自動車メディア業界に足を踏みいれて四半世紀。いくつかの自動車雑誌で編集長を務めた後フリーランスへ転身。近年は自動車コミュニケータ、自動車コラムニストとして活動している。ジェンダーフリーを意識した切り口で自動車が持つメカニカルな魅力を伝えることを模索中。

山本 晋也
Chapter
レクサス ES「デジタルアウターミラー」
ホンダ S660「アクティブスポイラー」
スバル フォレスター「ドライバーモニタリングシステム」
トヨタ エスティマ「電動床下格納機能付サードシート」
トヨタ センチュリー「靴べら差し」

レクサス ES「デジタルアウターミラー」

2016年に解禁された「カメラモニタリングシステム(CMS)」は、ドアミラーをカメラとモニターに置き換えできるというもので、保安基準が改訂された直後には『クルマのミラーレス化が始まった!』と大いに話題となった。そして、現時点で唯一のミラーレス車といえるのがレクサス ESだ。

ES300h バージョンLに21万6000円という高価なオプションで用意される「デジタルアウターミラー」は、単純にミラーをカメラとモニターに置き換えたのではなく、ウインカー操作などに応じて、画角を自動的に変化させるというもの。

いかにも初ものらしく、カメラユニットにしろ、モニターにしろ洗練されているとはいえないが、物珍しい装備はレクサスというブランドとあいまって注目のアイテムとなることは間違いない。

ホンダ S660「アクティブスポイラー」

ホンダが軽自動車ながら、専用プラットフォームを開発してまで生み出したミッドシップ・オープンスポーツカーS660のコンプリート仕様であるS660 Modulo Xが標準装備しているのが「ガーニーフラップ付きアクティブスポイラー」だ。

スピードが70km/hを超えると自動的にせり上がり、35km/hになると自動格納するというアクティブスポイラー自体は過去にも国産車の採用例はあるし、海外のスーパースポーツでは同じような機能を装備していることも珍しくないが、少なくとも現行の国産車としてはオンリーワンの機能であるといえる。

なお、コンプリート仕様のModulo Xでなくとも、純正アクセサリーとしてアクティブスポイラーは用意されている(キット合計16万2000円)。

スバル フォレスター「ドライバーモニタリングシステム」

いまや自動車技術において最注目されているのがADAS(先進運転支援システム)。その分野において「アイサイト」という象徴的技術によって国産車トップのブランド力を持っているのがスバルだ。その最新モデルであるフォレスターのe-BOXER(ハイブリッド)グレードには「ドライバーモニタリングシステム」が標準装備されている。

これは赤外線カメラによってドライバーの表情をモニターすることにより、居眠りやよそ見を検知して注意喚起をするというシステムだ。ADASの進化によりドライバーの状況把握が必須といえるが、こうした技術でも先行しているのはさすがだ。

さらに、この「ドライバーモニタリングシステム」には“おもてなし機能”としてドライバーの顔認証をすることにより、シート位置やドアミラーの角度をメモリーされた状態に再現、エアコンの温度設定やメーター表示などを前回降車時の状態にすることができる。始動時には登録ネームに挨拶してくれるというフレンドリーさも、クルマの知能化に向けて欠かせない機能となりそうだ。

トヨタ エスティマ「電動床下格納機能付サードシート」

ミニバンといえば3列目シートの格納は使い勝手での評価ポイントのひとつ。その中で、現在の国産ミニバンとしては唯一、電動格納機能を持っているのがトヨタ エスティマだ。エスティマハイブリッド AERAS PREMIUM-Gに標準装備される「6:4分割・電動床下格納機能付サードシート」はラゲッジ壁面にあるスイッチを操作するだけで、3列目シートが床下に格納されるというもの。

シートはどうしても重量物なので格納時に力が必要だが、エスティマであれば、そうした心配は不要。なお、AERAS系の上級グレードにもオプション設定されている。ちなみに、電動格納の3列目シートは過去にはホンダ オデッセイにも採用されていたことがある。

トヨタ センチュリー「靴べら差し」

2018年にフルモデルチェンジを果たしたトヨタ センチュリーは、日本オリジナルのショーファードリブン。オーナーが座るべきは後席であり、すべては後席からの眺めやユーティリティを優先した設計となっている。たとえば運転手が操作するスイッチ類は後席から見えない低い位置に集められているのは、そうした思考によるものだ。

特筆すべき機能や設計は多いが、オンリーワンの珍しい装備といえるのが、左右センターピラー下部に用意されている「靴べら差し」だろう。室内では靴を脱いで、オットマンに足を預けてリラックスしたVIPが、降りる前にスマートに靴を履くためには、靴べらを定位置に置いておこうという心遣いは、まさにセンチュリーの世界観を示している。

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