車高を変えると先進安全装置のセンサーはバグらないの?
更新日:2024.09.09
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いまどきクルマを買うなら安全性能が最優先事項。AEB(衝突被害軽減ブレーキ)を備えていることは当たり前で、対車両だけでなく歩行者やサイクリストを検知できることも求められている。またACC(追従クルーズコントロール)などのADAS(先進運転支援システム)もクルマ選びにおいて比較すべきポイントとなっている。
文・山本晋也
文・山本晋也
センサーの高さが変わってしまうのは基本的にNG
さて、こうした先進安全機能を備えたクルマには、周囲の状況を検知するためのセンサーが備わっている。ごくごく低速での対車両だけのAEBであれば赤外線レーザーだけを用いているケースもあるが、高機能なAEBやADASではカメラやミリ波レーダーを使っている。
カメラは基本的に高い位置にあるほど遠くまで見渡すことができ、検知能力も上がるのでフロントウィンドウの内側・最上部に置かれていることが多い。一方、ミリ波レーダーは配置に自由度があり、フロントグリルのあたりに置かれていることもあれば、バンパー内のロアグリル脇に設置されていることもある。
つまり、カメラをメインのセンサーとして使っている車両においては車高が下がるようなカスタマイズはセンシング能力に影響が出る可能性はある。少なくともメーカーとしてはローダウンなどのカスタマイズをした状態ではAEBやADASの機能を100%保証できないというだろう。
カメラは基本的に高い位置にあるほど遠くまで見渡すことができ、検知能力も上がるのでフロントウィンドウの内側・最上部に置かれていることが多い。一方、ミリ波レーダーは配置に自由度があり、フロントグリルのあたりに置かれていることもあれば、バンパー内のロアグリル脇に設置されていることもある。
つまり、カメラをメインのセンサーとして使っている車両においては車高が下がるようなカスタマイズはセンシング能力に影響が出る可能性はある。少なくともメーカーとしてはローダウンなどのカスタマイズをした状態ではAEBやADASの機能を100%保証できないというだろう。
タイヤの外形サイズが変わらなければ問題ない
では、ホイールのインチアップはどうなのか? 一般的にはホイール径を大きくしたとしても、タイヤの扁平率で調整するなどしてタイヤの外径はほとんど変えないようにすることが多い。そうしなければスピードメーターの表示もズレてしまうし、なによりタイヤとボディが干渉してしまいまともに走れないケースも出てくるからだ。
つまり、走行性能に影響がでない範囲でのインチアップでは、車高が変わることもないのでAEBやADASの性能にも影響はないといえる。もちろん、極端にタイヤサイズを変えるようなカスタマイズではスピードセンサーの数値も変わってくることもあり、影響が出ないとはいえないだろう。
またAEB性能はグリップ能力によって影響を受ける面もあるため、タイヤの銘柄変更がプラスマイナスのいずれの方向でも影響を与える可能性がある。
つまり、走行性能に影響がでない範囲でのインチアップでは、車高が変わることもないのでAEBやADASの性能にも影響はないといえる。もちろん、極端にタイヤサイズを変えるようなカスタマイズではスピードセンサーの数値も変わってくることもあり、影響が出ないとはいえないだろう。
またAEB性能はグリップ能力によって影響を受ける面もあるため、タイヤの銘柄変更がプラスマイナスのいずれの方向でも影響を与える可能性がある。
車検対応レベルのローダウンなら大丈夫なことが多い
ちなみに、ローダウンについては2~3cm程度であれば、AEBがキャンセルされてしまうほどの影響は出ないし、パーツメーカーによる実験でも正常に作動するといった結果も出ている。
車検対応レベルのチューニングであればそれほど悪影響はないと考えていいだろう。フル積載で車高が下がってしまうケースなども含めてメーカーは確認しているので、その範囲であれば問題ないという見方もできる。
とはいえ、前述したようにカメラについては設置場所が高いほど有利という基本は変わらない。ローダウンによって、わずかでも検知能力が落ちる可能性があることは承知しておきたい。
車検対応レベルのチューニングであればそれほど悪影響はないと考えていいだろう。フル積載で車高が下がってしまうケースなども含めてメーカーは確認しているので、その範囲であれば問題ないという見方もできる。
とはいえ、前述したようにカメラについては設置場所が高いほど有利という基本は変わらない。ローダウンによって、わずかでも検知能力が落ちる可能性があることは承知しておきたい。
山本晋也
自動車メディア業界に足を踏みいれて四半世紀。いくつかの自動車雑誌で編集長を務めた後フリーランスへ転身。近年は自動車コミュニケータ、自動車コラムニストとして活動している。ジェンダーフリーを意識した切り口で自動車が持つメカニカルな魅力を伝えることを模索中。