ジムニーに採用されるリジッドアクスル式サスペンションとは?

スズキ ジムニー 2018

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2018年、20年ぶりにフルモデルチェンジを行ったスズキ ジムニー。お洒落なアウトドアギアといった雰囲気のスタイリングは、従来のジムニーファンだけでなく、これまであまりクルマに関心を持っていなかった層からの支持も得ているようです。しかし、ジムニーの真髄はオフロードでの高い走行性能にあります。そして、その高い走破性を実現している要のひとつが、「リジッドアクスル式サスペンション」です。

文・木谷宗義

木谷 宗義|きたに むねよし

車メディアとSNSの編集者。編集者として企業メディアやSNSのコンテンツ制作を手がける、自身もライターとして年間約100本の記事を執筆する。自動車の歴史から機能解説、ドライブデートまでその幅は広いが、その主軸はひとりの自動車ユーザーとして「役に立つこと」。1981年、神奈川県生まれ。

木谷 宗義
Chapter
リジッドアクスル式サスペンションの構造
なぜジムニーはリジッドアクスル式サスペンションを採用するのか?
前後リジットアクスル式サスペンションの乗用車は希少

リジッドアクスル式サスペンションの構造

サスペンションのメカニズムは非常に複雑ですが、ごくごく簡単に解説していきましょう。

リジッドアクスル式サスペンションを漢字で表すと「車軸式懸架」。「固定車軸式」と言われ、左右の車輪が1本の車軸でつながっているシンプルな形式のサスペンションです。自動車が普及する以前の馬車の時代から用いられている、とても古いサスペンション形式でもあります。

しかし、近年の乗用車ではインディペンデントサスペンション(独立懸架式)が主流です。その理由は、左右の車輪が自由に動くインディペンデントサスペンションのほうが乗り心地やロードホールディング(路面追従性)に優れていることと、リジットアクスル式サスペンションよりも省スペースであることが挙げられます。

そのため現在、リジットアクスル式サスペンションは、一部のオフロード車や商用バン、トラック、バスのみの採用にとどまっています。

なぜジムニーはリジッドアクスル式サスペンションを採用するのか?

そんな中でもジムニーは、2018年にフルモデルチェンジした最新モデルでも、前後リジットアクスル式サスペンションを採用しています。なぜかというと、オフロードの走破性に優れているから。

左右輪がつながっているリジットアクスル式サスペンションは、また対地キャンバー変化(路面に対する車輪の傾き)が少なく、ホイールストローク(上下動の幅)を大きくとれることが特徴。また、左右輪がつながっていることは、一方の車輪が押し上げられると、もう一方が押し下げられる(=路面に押し付けられる)効果も得られるため、悪路走破性に寄与します。

YouTubeなどでジムニーのオフロード走行映像を見てみると、タイヤがもげてしまったのではないかと思えるほど、長いホイールストロークを確保していることがわかります。

また、アクスル(車軸)とばね、ダンパー、そして位置決めのためのラテラルロッド(パナールロッド)のみというシンプルは、細いサスペンションアームを必要とせず、堅牢性であることも特徴のひとつです。

前後リジットアクスル式サスペンションの乗用車は希少

かつてはレンジローバーやメルセデス・ベンツ Gクラス、トヨタ ランドクルーザーなど、オフロード性能を重視したモデルでは前後リジットアクスル式サスペンションを採用する車種が存在しました。

しかし現在では、多くのSUVが乗り心地や操縦安定性を重視した独立懸架へ移行しています。

たとえばGクラスは、2018年のモデルチェンジでフロントサスペンションを、乗り心地や操縦性に優れるダブルウィッシュボーン式の独立懸架へ変更しました。そのため、前後リジットアクスルを採用する乗用モデルは、現在では非常に少数派となっています。ジムニーは、その数少ない存在のひとつです。

構造はシンプルで堅牢。そして高いオフロード走破性を重視するジムニーにとって、リジットアクスル式サスペンションは、欠点を補ってなお余りある魅力を持つサスペンション形式なのです。

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