フェラーリとランボルギーニ。似て非なるポジショニングとは?

フェラーリ 125S

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スーパーカーや高級車として名高いフェラーリとランボルギーニ、もし買えるとしたら皆さんはどちらを選びますか?クルマ好きであれば、それぞれのヒストリーをご存知かと思いますが、あまり知らない人からすれば、どちらも同じ高級車メーカーとして見られているかもしれません。今回は、それぞれの違いを考えます。

文・杉山敬太
Chapter
フェラーリの歴史
ランボルギーニの歴史
フェラーリを選ぶ理由
ランボルギーニを選ぶ理由

フェラーリの歴史

1929年、アルファロメオのレーシングドライバーをしていたフェラーリの創設者であるエンツォ・フェラーリは、レース仲間と一緒に裕福な自動車愛好家向けの自動車ディーラーを設立しました。これがフェラーリの原点です。

大戦後の1947年にレーシングカーの製造を開始し、フェラーリ第1号となる125Sが生み出されます。当時のフェラーリはエンジンとシャーシのみを製造し、ボディは外部に委託して、レースに勝つことを目的としたクルマを販売していました。

そして1953年、初めてレーシングカーをベースとしない250シリーズがデビューします。しかし、初期の250は品質が良いとは言えず、故障なども多かったようです。

その後改良を重ねて1960年に生産された250GTEは、その高い品質から世界で評価されていきます。

ランボルギーニの歴史

前述のフェラーリは、史実に基づくものでしたが、ランボルギーニの歴史は語り草になっているため正確ではありません。

第2次世界大戦中、裕福な農家に生まれたランボルギーニの創設者フェルッチオ・ランボルギーニは腕利きのメカニックとして軍の整備兵をしていました。戦後は軍放出のトラックを元にトラクターの製造販売を行い、富を得ることに成功しました。

クルマ好きだったフェルッチオは手に入れた大金で、数々の高級車を買います。そのなかのひとつにフェラーリの250シリーズがありました。

あるとき、フェルッチオが故障したフェラーリのクラッチを修理していると、自分のトラクターと同じクラッチ板を使用していることに気がつきます。

高級車のパーツとトラクターのパーツが同じであることに怒りを覚えたフェルッチオは、創設者であるエンツォに直談判します。しかし、相手にしてもらえませんでした。

このことをきっかけにしてフェルッチオは打倒フェラーリを掲げ、自動車事業に参入。高性能スポーツカーを開発することになります。

それが、1964年にデビューした350GTです。フロントに搭載された3.5L V12エンジンは、最高出力270馬力を誇り、フェラーリを凌駕する性能があったと言われています。

フェラーリを選ぶ理由

さて、それぞれの歴史が簡単にわかりました。では、どのような人がフェラーリ、ランボルギーニを選ぶのでしょうか?

前述の通り、フェラーリの歴史はレースに基づいたものです。そのためフェラーリが目指していたのはロードカーを販売するブランドというよりも、むしろ最強のレーシングチームでした。

レースで勝ち続けることに闘志を燃やしたフェラーリは、レース資金を増やすために市販車を販売していたと言っても過言ではありません。

現在、F1歴代優勝成績トップという華やかな実績を持つフェラーリは、F1を象徴するに相応しい名門チームとして確固たる地位を築きました。よって、世界最高峰の自動車レースで活躍するレーシングチームのクルマを求める人がフェラーリを選ぶのです。

では、ランボルギーニを選ぶ理由とは何でしょうか?

ランボルギーニを選ぶ理由

2017年の日本におけるランボルギーニの販売台数は411台で、アメリカに次ぐ大きなマーケットになっています。また、各国のスーパーカーマーケット占有率を比べると、ランボルギーニがもっとも多く占めるのは日本なのです。

どうして日本人は、ランボルギーニを好むのでしょうか? それは日本のスーパーカーブームが影響していると考えられます。1970年代、日本で起こったスーパーカーブームの中心にいたのは、カウンタックやミウラに代表されるランボルギーニでした。

当時、世界的にはあまり知られていないブランドでしたが、ウェッジシェイプボディにガルウイングドアを持つカウンタックには多くのファンが心を奪われたものです。

こうしてランボルギーニは、スーパーカーを語るに欠かせないブランドとして日本に根付いたのです。


同じスーパーカーのブランドとはいえ、両者の歩んできた歴史やマーケティング方法は、まったく異なります。

しかし、共通して言えることはフェラーリとランボルギーニは、ともに高い志を持っているということです。莫大な利益を生むことが難しいスーパーカー市場において、いまでもイタリアの2大スーパーカーブランドとして存在し続けていることが、なによりもの証です。

宿命のライバルであるフェラーリとランボルギーニが、これからも世界のスーパーカーブランドを牽引してくれることを期待しましょう。

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