ベントレーのバッジの赤と黒の違いはなに?
更新日:2024.09.09
※この記事には広告が含まれます
ベントレー車のボンネットに連綿と受け継がれてきた、左右に大きく広げた翼の中央に“B”のマークが描かれた通称「ウイングドB」のエンブレム。このエンブレムには、色違いがあることをご存じでしょうか。かつては3種類あったというウイングドBのカラーリングとは、いったい何を意味しているのでしょう。
文・西山昭智
文・西山昭智
ベントレーのバッヂの赤と黒の違い①|ファーストモデルは3色だった
エンジン技術者のウォルター・オーウェン・ベントレーが立ち上げたベントレー・モーターズ。第一次大戦前中、イギリス軍からの要請で海軍航空隊の大尉となり航空エンジンの設計を行っていたW.O.ベントレーが、F.T.バーゲスとH.バーレイとともに1919年に設立した会社です。
1919年のロンドンモーターショーに、早くもベントレー初の自動車となる3Litre(3リッター)を発表。1921年に発売されたこの3Litreには、3つのウイングドBが存在していたといいます。
記念すべきファーストモデルとなった3Litreには、ノーマルモデルのほかにSUキャブを装着し圧縮比を4.3から5.3へアップした「スピード」、さらに圧縮比を5.6にまで上げた「スーパースポーツ」があり、ノーマルは青、スピードは赤、そして最上級グレードのスーパースポーツは緑色のウイングドBをそれぞれ採用。エンブレムの色によって、グレードがわかるようになっていました。
ベントレーは1922年にワークスチームを結成、3Litreは翌年に開催された第1回ル・マン24時間レースに出場。翌1924年には、総合優勝をはたしました。その後、ベントレーは、車両を4 1/2Litre、6Litre スピードシックスと進化させながら1927年から1930年まで、4年連続で総合優勝を飾っています。
1919年のロンドンモーターショーに、早くもベントレー初の自動車となる3Litre(3リッター)を発表。1921年に発売されたこの3Litreには、3つのウイングドBが存在していたといいます。
記念すべきファーストモデルとなった3Litreには、ノーマルモデルのほかにSUキャブを装着し圧縮比を4.3から5.3へアップした「スピード」、さらに圧縮比を5.6にまで上げた「スーパースポーツ」があり、ノーマルは青、スピードは赤、そして最上級グレードのスーパースポーツは緑色のウイングドBをそれぞれ採用。エンブレムの色によって、グレードがわかるようになっていました。
ベントレーは1922年にワークスチームを結成、3Litreは翌年に開催された第1回ル・マン24時間レースに出場。翌1924年には、総合優勝をはたしました。その後、ベントレーは、車両を4 1/2Litre、6Litre スピードシックスと進化させながら1927年から1930年まで、4年連続で総合優勝を飾っています。
ベントレーのバッヂの赤と黒の違い②|現在はV8が赤、12気筒が黒
このようにブランド初のモデルからグレード別に“ウイングドB”をカラーリングしていたベントレー。この伝統はフォルクスワーゲン傘下となった現在でも続いていますが、その意味合いは多少変化しています。
創業からロールス・ロイスの傘下になる1930年まで、ベントレーは直4もしくは直6エンジンを搭載していましたが、1930年以降になるとロールス・ロイス社製のV8エンジンも搭載するようになります。さらに時代をくだり1998年のフォルクスワーゲン傘下となってからは、W12エンジンというモデルが加わりました。
そのため、現在のベントレーはV8とW12の2種類のエンジンが存在しており、そのうちのV8モデルが「赤」のバッジ、W12モデルが「黒」のバッジという識別となっています。
創業からロールス・ロイスの傘下になる1930年まで、ベントレーは直4もしくは直6エンジンを搭載していましたが、1930年以降になるとロールス・ロイス社製のV8エンジンも搭載するようになります。さらに時代をくだり1998年のフォルクスワーゲン傘下となってからは、W12エンジンというモデルが加わりました。
そのため、現在のベントレーはV8とW12の2種類のエンジンが存在しており、そのうちのV8モデルが「赤」のバッジ、W12モデルが「黒」のバッジという識別となっています。
ベントレーのバッヂの赤と黒の違い③|伝統はいまでも続く…
最初の3Litreと現行のモデル(ミュルザンヌを除く)では、エンブレムのカラーが意味するものは、若干変わっています。とはいえ、ファーストモデル以来こだわり続けてきた伝統は現在でも守り続けられているのです。
西山昭智
大学卒業後自動車雑誌の編集部へ入社。アメリカ車を皮切りに輸入中古車やスーパーカー専門誌の編集部を経て独立。現在も紙媒体の自動車雑誌で編集および執筆を行なっている。正規販売ディーラーや中古車専門店などに取材を行なうことが多く、現場でしか聞けない業界の裏話的なものも取り扱い中。好きな車はフランス車。