サイドブレーキを引いたまま走行すると、どうなる?

サイドブレーキ

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車を駐車したり、坂道発進をする際に使う、サイドブレーキ。最近では、電子制御のパーキングブレーキを搭載したクルマも増えてきました。では、もしサイドブレーキを引いたまま走行したら、車はいったいどうなってしまうのでしょうか? 

文・吉川賢一
Chapter
サイドブレーキの役割とは?
パーキングブレーキの仕組み
サイドブレーキを外さないで走行するとどうなるか?
電動パーキングブレーキだとどうなる?

サイドブレーキの役割とは?

車のブレーキ系統には、フットブレーキとパーキングブレーキがあります。走っている車を減速・停止させるという役割がフットブレーキ系、停止している車をその位置から動かさないようにする機能を、パーキングブレーキ系統が担っています。サイドブレーキは、パーキングブレーキです。

パーキングブレーキは、運転席の脇に操作レバーのある、サイドブレーキもしくはハンドブレーキ(外国では非常用にも使われるためエマージェンシーブレーキ)と、足踏み式パーキングブレーキがあります。

足踏み式は、一度踏み込むとブレーキがかかり、もう一度踏み込むことで解除される方式と、解除は手でリリースレバーを引くタイプがあります。これらのレバーやペダルには、ラチェット(歯止め)機能が備わっていて、簡単には外れない構造になっています。

パーキングブレーキの仕組み

パーキングブレーキ用のレバーやペダルを作動させると、その動きはロッド(棒)やワイヤーで後輪のブレーキ本体に伝えられます。後輪がドラムブレーキの場合、ブレーキシューを押し広げる部品が組み込まれていて、ワイヤーケーブルで引っ張る構造になっています。

また、後輪ディスクブレーキの場合は、ディスクブのハット部分(ホイールハブともいいます)に小型のドラムブレーキを内蔵するドラム・イン・ディスクが一般的です。

サイドブレーキを外さないで走行するとどうなるか?

さて、サイドブレーキをうっかり外さないで走るとどうなるのでしょうか?

まず、メーターパネルに「!」マークのブレーキ警告灯が点灯し、ドライバーへ視覚的に知らせます。同時に、普段より加速が悪くなります。

そこで気が付けばいいのですが、何十キロもサイドブレーキを引いたままだと、ブレーキが過熱し、フェード現象が起きたり、熱でブレーキフルードに気泡が入るヴェイパー(ペーパー)ロック現象が起きて、ブレーキが効きづらくなります。

そのころには、車内でも焦げたような臭いがするでしょう。臭いに気づいたら、ただちに停車し、30分程度ブレーキを冷ましてから、サイドブレーキが作動するか確認してください。また、念のため整備工場に持ち込んで、ブレーキシューなどに問題がないか点検してもらうことをおすすめします。

もしも、臭いに気づかずにいた場合、最悪は火災につながることもありますので、くれぐれも注意してください。

電動パーキングブレーキだとどうなる?

高級車を中心に普及しはじめた電動パーキングブレーキ。これまではドライバーが手動で行っていた作業が電動化され、パーキングブレーキの操作がスイッチだけで可能になっています。

操作が簡便になるだけでなく、非力な女性や高齢者でも最適な力でブレーキを稼働できます。さらに坂道発進でサイドブレーキを使っていた運転技術も、自動的にパーキングブレーキがオン・オフを行うことで運転をサポートする仕組みもあらわれ、安全で便利な機能が拡大しつつあります。

電動パーキングブレーキでは、シフトポジションがパーキングから解除されると、サイドブレーキもリリースされるクルマがほとんどのため、解除忘れをするリスクはほとんどありません。

電子制御によって安全な運転が可能になってきましたが、あまり便利になりすぎたことで、普段と違うクルマを運転する際に、うっかり間違えた操作をする可能性が出てきました。

慣れない車を運転する前には、基本的な部分の操作方法を確認することを心がけておきましょう。

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