ABSがあったらポンピングブレーキはいらない?ポンピングブレーキの正しいやり方まで解説!
更新日:2024.09.09
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運転免許を取得したならば、教習所で「ポンピングブレーキ」を習いましたよね?しかしながら、実際には使っておらず、「なんで必要なんだっけ?」と、その必要性が解らなくなっている方もいるはず。今回はこのポンピングブレーキの必要性について、確認していきます。
文・吉川賢一
文・吉川賢一
ポンピングブレーキとは何のための技術?
ポンピングブレーキとは、『自車がブレーキをする旨を後続車へ知らせるために、ポン、ポン、ポンと複数回、ブレーキを踏んで合図する』ことだと思っていませんか?
それは誤りで、ポンピングブレーキは本来”ブレーキング時にタイヤがロックするのを防ぎ、またはタイヤのロックを解いて、制動距離を縮め、運転回避行動をとりやすくするためのテクニック”なのです。
雪道や雨などの滑りやすい路面で、ブレーキを踏み込んだとき、タイヤはロックを起こしやすくなります。そのような事態にならないよう、ブレーキペダルを一度で踏み込まず、数回に分けて踏み込むようにすると、急な制動でタイヤがロックしてしまうのを、ある程度避けることができます。
しかし、ブレーキを一気に踏み込むような状況は、ドライバーが危険を感じたとき。そんな状況で「数回に分けてブレーキを踏む余裕があるのか?」という疑問が頭をよぎりますが、昔は身につけるべき運転技術でした。
それは誤りで、ポンピングブレーキは本来”ブレーキング時にタイヤがロックするのを防ぎ、またはタイヤのロックを解いて、制動距離を縮め、運転回避行動をとりやすくするためのテクニック”なのです。
雪道や雨などの滑りやすい路面で、ブレーキを踏み込んだとき、タイヤはロックを起こしやすくなります。そのような事態にならないよう、ブレーキペダルを一度で踏み込まず、数回に分けて踏み込むようにすると、急な制動でタイヤがロックしてしまうのを、ある程度避けることができます。
しかし、ブレーキを一気に踏み込むような状況は、ドライバーが危険を感じたとき。そんな状況で「数回に分けてブレーキを踏む余裕があるのか?」という疑問が頭をよぎりますが、昔は身につけるべき運転技術でした。
ABSがあるなら、ポンピングブレーキはいらないのか?
ABS(アンチロックブレーキシステム)は、制動距離を短くし、ハンドルによる緊急回避行動がとれるよう、”タイヤロックを検知してブレーキ液圧をコントロールするシステム”です。つまり、ポンピングブレーキと同じ動作を、機械的に行ってくれるシステムです。現在では、ほとんどの車にABSが標準装備されています。
このABSがあれば、ポンピングブレーキは必要ないように思えますが、 ”ブレーキを丁寧にコントロールする技術”があると、クルマを丁寧に運転することができるようになります。
緊急時だけならば「ABS」があれば十分でしょう。しかしながら、日頃からABSに頼った運転をすることは、同乗者やクルマにとって非常に負担がかかる運転方法です。
そのためポンピングブレーキ自体は必要なくても、丁寧で安心できる運転という面からは、必要な技術なのです。
このABSがあれば、ポンピングブレーキは必要ないように思えますが、 ”ブレーキを丁寧にコントロールする技術”があると、クルマを丁寧に運転することができるようになります。
緊急時だけならば「ABS」があれば十分でしょう。しかしながら、日頃からABSに頼った運転をすることは、同乗者やクルマにとって非常に負担がかかる運転方法です。
そのためポンピングブレーキ自体は必要なくても、丁寧で安心できる運転という面からは、必要な技術なのです。
ポンピングブレーキの正しいやり方
ではここで、ABSが介入しない範囲での、ポンピングブレーキの手順を見ていきましょう。
ポンピングブレーキをするのに理想的なのは、車両の進行方向とタイヤの向きが同じになっている状態です。ブレーキペダルを「グッ」と踏んで、クルマの減速感を身体で感じます。
もしタイヤがスリップしそうな素振りを感じたら、ペダルをほんの少しだけ緩めます。その動作を繰り返し行って、クルマを停止させます。
ポンピングブレーキをするのに理想的なのは、車両の進行方向とタイヤの向きが同じになっている状態です。ブレーキペダルを「グッ」と踏んで、クルマの減速感を身体で感じます。
もしタイヤがスリップしそうな素振りを感じたら、ペダルをほんの少しだけ緩めます。その動作を繰り返し行って、クルマを停止させます。
ABSとポンピングブレーキのように、それを代用するテクノロジーが開発されると、いらないんじゃないか?と、つい思ってしまう運転技術は他にもあります。
しかし、私たちが、より安全にクルマを運転するには、こうした先進技術に頼りすぎることなく、自身の運転技術を磨いていくことも必要不可欠なのです。皆さんも、あの教習所時代の初心を忘れることなく、安全運転を心がけましょう。
吉川賢一
モーターエンジニア兼YouTubeクリエイター。11年間、日産自動車にて操縦安定性-乗心地の性能技術開発を担当。次世代車の先行開発を経て、スカイラインやフーガ等のFR高級車開発に従事。その後、クルマの持つ「本音と建前」を情報発信していきたいと考え、2016年10月に日産自動車を退職。ライター兼YouTube動画作成をしながら、モータージャーナリストへのキャリア形成を目指している。